ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

第1セットは浅野、カジースキ、西田にトスを集めて得点を量産。しかし、逆転でこのセットを落とすと、試合巧者のパナソニックに終始ペースを握られた

 いよいよレギュラーラウンドの最終戦を迎えた。ジェイテクトSTINGSは20試合を終えて、8勝12敗の6位。すでにファイナル6進出は決めているが、今日の結果しだいでは5位に浮上するチャンスがある。しかも、舞台はホームのウィングアリーナ刈谷。チームのモチベーションは極めて高い。
 スタンドの一角がチームカラーの白に染まった。両チームの応援団を合わせて観衆は2320人。大声援の後押しを受けて、15時35分、試合が始まった。

 会心の立ち上がりだった。西田のスパイクでジェイテクトSTINGSが先制した。その後も浅野、カジースキのスパイクでサイドアウトを切った。浅野のバックアタックも効果的に決まった。さらにブロックで相手にプレッシャーをかけて3連続得点。8−5で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 なおも攻め続けるジェイテクトSTINGS。福山のブロックなどで3連続得点を奪い、13−7とパナソニックパンサーズを大きく引き離した。
 しかし、相手は試合巧者。このまますんなりとセットを取らせてくれない。サーブレシーブの失敗などが響き3連続失点。カジースキのバックアタックで勢いをつけたが、再びミスが続いて16−14まで追い上げられた。
 後半は相手に一方的に攻められた。18−16から5連続失点。セッターの久保山はカジースキにトスを集めたが、なかなか相手の猛攻を断ち切ることができない。たしかに右利きのカジースキがライトに、左利きの西田がレフトに入る苦しいローテーションだった。サーブレシーブも崩された。タイムアウトでも流れを変えられなかった。
 アーマツ監督はセッターを久保山から渡邉にチェンジ。金丸の速攻でようやくサイドアウトを切るが、開いた点差はあまりに大きかった。最後は福山のスパイクが止められて、20−25でこのセットを落とした。

 続く第2セットはパナソニックの巧妙な試合運びに翻弄された。ジェイテクトSTINGSはスタートから渡邉を投入。ミドルブロッカーを駆使しながら多彩な攻撃を展開する。しかし、決定率の高い選手にトスを集めてきたパナソニックに対して、序盤で4連続失点。西田のスパイクも対応され、4−9と点差が開いた。
 ここからは一進一退。セッターの渡邉はカジースキにトスを集めて攻撃を組み立てた。ここぞという場面で、金丸の速攻を使う。浅野のスパイク、ブロックで得点を加算。福山のブロックでラリーを制すなど、粘り強さも見せた。
 しかし、終盤に入ると、なかなかブレイクポイントが奪えない。サイドアウトの応酬が続く。福山の速攻や西田のスパイクで意地は見せた。しかし、相手にマッチポイントを奪われると、カジースキがスパイクを決めるが万事休す。20−25で第2セットも失った。

 第3セット、ジェイテクトSTINGSはミドルブロッカーの福山に代えて袴谷をコートに送り込んだ。「袴谷はサーブとブロックの高さがある。相手にプレッシャーをかけたかった」とアーマツ監督。立ち上がりはカジースキのスパイク、金丸の速攻でサイドアウトを切った。西田がサーブで攻めてブレイク。入り方は悪くなかった。
 しかし、テクニカルタイムアウトが明けると、西田、カジースキのスパイクが立て続けに相手のブロックにつかまった。6−10。セッターの久保山をコートに戻し、徐々に落ち着きを取り戻していく。互いに1点ずつを重ねていった。ジェイテクトSTINGSは浅野が好調をキープ。懸命にパナソニックを追いかけた。
 試合が動いたのは中盤だ。2回目のテクニカルタイムアウトを挟んで3連続失点。さらにサーブレシーブが乱れて4連続失点を喫する。西田に代えて清野を投入した。タイムアウトでもリズムを取り戻せなかった。
 13−21。点差が大きく開いた。16−25でこのセットを落とし、ストレートで敗れた。

 終始、パナソニックのペースで試合が進行した。内容でも完敗である。レギュラーラウンド最終戦を勝利で飾ることができなかった。途中から入って流れを変えたセッターの渡邉も悔しさを噛みしめた。
「昨日の豊田合成戦も同じですが、第1セットの勝負どころで相手に一気に走られたのが敗因だと思います。自分がコートに入って感じたのは、こっちが必死に1点を取っても、相手にはあっさりと1点を取られるということ。流れをうまくつかめず、ブレイクポイントが奪えないことで後手に回りました」
 レギュラーラウンドを6位で終えた。ファイナル6は最下位からのスタートである。しかし、考えようによっては、これ以上落ちることはない。上だけを見て、一つひとつポイントを積み重ねていくのみだ。

アーマツ・マサジェディ監督

前日の豊田合成戦に続いて、ホームゲームでパナソニックに負けたことを悔しく思います。相手はベストメンバーで、ベテランが中心のチームでした。第1セットは私たちも頑張っていたし、これを取っていたら結果は変わっていたかもしれません。しかし、第2セット以降もパナソニックのリズムで試合が進んだ。ディグからの攻撃がうまくいかず、サイドアウトを取れなかった。その結果、0−3で負けてしまいました。今の課題は、セッターのコンビです。打ちやすいトスを上げることも重要。チームの状態は悪くありません。西田が入って決定率が上がってきたし、浅野も本調子を取り戻しつつある。気持ちを切り替えてやるべきことをやれば、ファイナル6でも必ずいい結果が出せると思っています。

金丸晃大

僕たちが3ポイントを取れば、5位に上がる可能性がある試合でした。5位でファイナル6に行くのと6位で行くのとでは大きな違い。さらにホームゲームでものすごい応援団が来てくれたのに、そこで勝ち切れなかったことが残念です。試合に関しては、第1セットの中盤くらいに連続して相手に点数を取られてしまい、それによってチーム全体の雰囲気が下がってしまった。最後まで上がり切れなかったことが、今日の敗因だと思います。ミドルの決定率は、ずっと続いている今季の課題です。セッターとは練習で合わせてきましたが、試合になると僕が入るタイミングが悪かったりして決め切れないところがあった。練習の中では、もっと状態が悪い中でコンビを合わせていく必要があると思います。

西田有志

首位のチームと初めて対戦して、力の差を実感しました。これだけ差を見せつけられたのは初めてで、自分が頑張っていかないとこれからも追いつけないと感じました。相手は状態が悪くてもすべての選手が対応していて、ミスが少なかった。それに対してこっちはミスが多く、そこで相手との差が表れたと思います。レギュラーラウンド最後の試合になりましたが、ここから頑張っていかないとパナソニックさんには勝てません。思い切り頑張って、勝てるチームにしていきたいと思います。また、僕にとっては初めてのホームゲームで、これまで経験したことがないような応援の多さでした。最初はプレッシャーを感じましたが、途中からは自分のプレーに意識を集中することができたと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

Vリーグ史上最大の下克上はあるか。サーブの強化が勝利のカギを握っている

過去の成績を参考にすると、11ポイントがファイナル3進出のボーダーラインになりそうだ。持ち点がないジェイテクトSTINGSにとっては、4勝が必須である。けっして簡単ではない。カギを握るのは何か。金丸に聞いた。「ファイナル6は最初の週に1、2位と対戦します。そこでどれだけ勝てるかが大事になるでしょう。うちはブロックが高いチームではないので、サーブで崩さないといけません。また、サーブレシーブが返っているのに決定率が低いのが課題です。ここから2週間空きますが、サーブとサーブレシーブからの攻撃を練習して、ファイナル6の勝ちにつなげたいと思います」。そう。ジェイテクトSTINGSの伝統的な武器はサーブだ。今日でレギュラーラウンドが終わり、カジースキがサーブ賞を獲得した。2年連続2回目である。4勝は簡単ではないが不可能でもない。Vリーグ史上最大の下克上を成し遂げるべく、本来の武器を取り戻して大暴れしたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 20 ー 25
第2セット 20 ー 25
第3セット 16 - 25
第4セット
第5セット
日付 2018年1月28日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第21戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館(ウィングアリーナ刈谷)
メンバー カジースキ、金丸、福山、西田、久保山、浅野 L興梠、本間
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