ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ

カジースキ、浅野、西田のサイド陣が奮闘。拮抗した展開に持ち込むも、勝負どころでのミスが響いて点を取り切れなかった

 長かったレギュラーラウンドもいよいよクライマックスだ。ジェイテクトSTINGSがホームのウィングアリーナ刈谷に帰ってきた。紆余曲折を経て、先週の静岡大会でファイナル6進出を決めた。ここからはV・ファイナルステージを戦うために、一戦一戦が重要な意味を持つ。

 文字通りのシーソーゲームだった。第1セットから、拮抗した展開が続いた。立ち上がりは豊田合成トレフェルサに先行を許したジェイテクトSTINGSだが、カジースキのスパイクをきっかけに福山、浅野が立て続けに決めて3連続得点。西田のバックアタックなどで、1回目のテクニカルタイムアウトを8−7で奪った。
 しかし、ここから流れは豊田合成の方に傾いていく。サーブレシーブを崩されたジェイテクトSTINGSは4連続失点。10−13となったところでアーマツ監督が1回目のタイムアウトを要求した。
 しかし、今のジェイテクトSTINGSは高い結束力を持っている。浅野のスパイクで嫌な流れを断ち切った。セッターの久保山はサイドを軸に攻撃を組み立て、確実に得点を重ねていく。2回目のテクニカルタイムアウトが明けると、最初のプレーでカジースキが得点。久保山のブロックも飛び出し、15−16と1点差に迫った。さらにカジースキがサーブで攻めると、相手のミスを誘って18−18の同点に追いつく。
 ここからは1点ずつを取り合う展開。追いかけるジェイテクトSTINGSは、浅野が気迫のこもったスパイクをたたき込んだ。しかし、23−22の場面で、サービスエースを取られて失点。カジースキのスパイクで一矢報いるが、23−25でこのセットを失った。

 第2セットはジェイテクトSTINGSが優勢に試合を進めた。サイドを軸に得点を重ね、1回目のテクニカルタイムアウトを8−4で奪取する。5−4から福山のブロックにカジースキ、西田が続いて怒濤の3連続得点。ジェイテクトSTINGSが完全に試合のイニシアチブを握っていた。
 さらに金丸のブロックで11−6。このセット最大のリードを広げる。興梠を軸にサーブレシーブも安定していた。要所で浅野、西田が決めて、16−13とリードをキープした。
 だが、勝負はここからだった。ジェイテクトSTINGSは細かいミスが続いて4連続失点。さらに松原のサーブから始まった18−18の場面で激しいラリーを展開する。相手の攻撃をブロックでワンタッチを取って切り返すと、浅野がレフトから強打。しかし、これを相手につながれる。さらに西田のスパイクは、相手のリベロに返された。カジースキの好レシーブから西田が放ったスパイクも止められる。最後は相手に決められて18−19。豊田合成の高い守備力に翻弄された。
 さらに20−21の場面ではあわやお見合い。カジースキが難しい体勢から決めたものの、この日のジェイテクトSTINGSには連携ミスが目立った。カジースキにトスを集めて粘り強くサイドアウトを切っていく。24−25の場面では、西田のスパイクがアウトになったかに思われたが、チャレンジが成功してスコアが入れ替わった。相手のセットポイントを、西田の活躍でしのいだ。しかし、25−27で失セット。前半のリードを生かすことができなかった。

 あとがなくなったジェイテクトSTINGS。第3セットも一進一退の展開が続いた。西田、福山のスパイクなどで得点を重ねていく。しかし、カジースキが決めて7−9となったところでセッターを交代。渡邉がコートに入った。
 これで流れが好転した。相手に対策を練られていた西田もいったんコートから離れた。カジースキのサービスエースで10−10の同点。清野のスパイクでサイドアウトを切ると、浅野が決めて12−11とついにこのセット初めてリードを奪う。一度は逆転を許したが、カジースキのスパイクや金丸のブロックで再びリード。コートに戻ってきた西田も躍動し、カジースキがサービスエースを決めて20−17とリードを広げた。
 あとは落ち着いて試合を進めるだけだった。同点に追いつかれても、浅野が粘り強く決めて再び突き放す。西田もサーブで攻めた。23−21。あと2点。しかし、西田のスパイクが止められた。3連続失点で豊田合成のマッチポイント。ジュースに持ち込んだが、25−27で敗れた。

「いい内容の試合ができたと思います。しかし、勝負どころでミスが出ました。それが今日の敗因。明日のパナソニック戦は気を引き締めて、今日よりもいい試合をしたいと思います」
 試合後にこう振り返った浅野。選手は全員が最後まで攻めた。途中から入ったセッターの渡邉も、思い切ったトスワークでチームを鼓舞した。内容が紙一重だっただけに、もったいない試合という見方もできる。
 しかし、これでジェイテクトSTINGSの勢いが完全に止まったわけではない。明日のパナソニック戦は、今季最後のホームゲーム。内容はもちろん、勝って集大成を飾りたいところだ。

アーマツ・マサジェディ監督

負けたことは非常に悔しいです。ただ、相手に負けたのではなく、私は自分に負けたと思っています。大事な場面でミスをして、簡単に相手に得点を与えてしまった。相手がサーブを入れにきた時も、サービスエースを許して試合のリズムを自ら悪くしました。もっと高い意識で戦っていたら、違う結果になっていたかもしれません。少なくとも0−3で負けることはなかったでしょう。しかし、ストレート負けはストレート負け。気持ちをしっかりと切り替えて、明日のパナソニック戦は勝ちにいきます。

興梠亮

セット中盤までは競っていましたが、取らなければいけないところで点が取れなかったり、自分たちからミスを出してしまったところがあります。それが敗因につながりました。サーブレシーブに関しては、少しずつ安定してきたと思います。たしかにレギュラーラウンドの前半は、選手が入れ替わることも多く、一人一人の取る範囲が違って連携が合わないこともありました。しかし、後半になってメンバーが固定されはじめたこともあり、うまく機能しはじめています。ファイナル6はどこのチームも質のいいバレーをしてくるでしょう。自分たちも明日のパナソニック戦で質のいいバレーをし、今後につなげていきたいと思います。

渡邉峻

第3セットはもう落とせない状況でした。途中から入る時はいつも、そのセットを取ることはもちろん、試合を通して勝てるようにすることを意識しています。しかし、今回はあとがない状態だったので、このセットを取ることだけを考えてコートに入りました。ミドルブロッカーを使う場所やタイミングは悪くなかったけど、いかんせん僕のトスが低くて打ち切れなかった。そこでコンビを合わせて金丸さんや(福山)汰一が決めていれば、あとの展開が楽になっていたと思います。それから、西田をもうちょっと助けてあげたかったですね。今でも十分すごいけど、相手が早く対応してきた時こそ、セッターが決めやすい状況を作ってあげなければいけません。ここまで助けてもらっている分、助けてあげたいと思っています。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

明暗を分けたのは「経験」か。ファイナル6を優位に進めるためにも、明日のパナソニック戦が重要になる

終わってみれば0−3。しかし、すべてのセットが2点差と、両者の実力に大きな違いはなかった。アーマツ監督はその差を「経験」だと言った。「一つ一つのプレーがどれだけ大事かを感じなければいけません。私たちは経験が若い。しかし、相手はベテランです。もう何年も同じメンバーで戦っている。このスパイクをどういうふうに打てばミスをしないか。私たちもわかってはいるが、もっと意識しなければいけません。一度、犯したミスを繰り返したら、それは大きなミスです。そこを修正したい。それができたら、どのチームにも勝つチャンスはあります」。ファイナル6に進めば、すべてのチームが一段も二段もギアを上げてくるだろう。一つのミスが命取りになる。たしかに経験は一朝一夕で補えるものではない。しかし、今のジェイテクトSTINGSにとっては若さも大きな武器だ。まずは明日のレギュラーラウンド最終戦に勝って、いい形でファイナル6に進みたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ
第1セット 23 - 25
第2セット 25 ー 27
第3セット 25 - 27
第4セット
第5セット
日付 2018年1月27日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第20戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館(ウィングアリーナ刈谷)
メンバー カジースキ、金丸、福山、西田、久保山、浅野 L興梠、本間
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