ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ

会心の入り方で2セットを先取。第3セットは取られたが、集中力を維持して第4セットを競り勝った

 前日のサントリーに続いて、東レアローズを3−1で下した。3ポイントを上積みし、通算ポイントを25に伸ばした。7位の堺とのポイント差は7。レギュラーラウンドを2試合残して、ジェイテクトSTINGSがファイナル6進出を決めた。

 完璧な試合の入り方だった。1回目のテクニカルタイムアウトを8−6で奪った。西田がジェイテクトSTINGSの1点目を決めた。セッターの久保山は浅野を積極的に使った。浅野もその期待に応えた。要所で福山がブロック、速攻を決めた。
 中盤もジェイテクトSTINGSのペースで試合が進む。西田のスパイクで13−9とリードを広げたところで、東レは1回目のタイムアウトを要求。しかし、攻撃の手を緩めないジェイテクトSTINGSは西田のスパイクで追加点。福山のブロックも決まって4連続得点で15−9とした。
 西田はサーブでも活躍した。16−11から2本連続でサービスエースを奪う。カジースキが決めて20−12。終盤は一進一退が続いたが、金丸の速攻でサイドアウトを切ると、カジースキのノータッチエースでセットポイント。最後は西田が渾身の力でスパイクをたたき込み、ジェイテクトSTINGSが25−16と第1セットを圧倒した。

 第2セットは金丸のブロックで先制した。さらに福山のブロックで4−2。この日のジェイテクトSTINGSはミドル陣を軸にブロックが機能。トータルで金丸が3本、福山が4本のブロックを決めている。好循環はレシーブにも表れた。リベロの本間を軸に相手の攻撃を立て続けに封じた。興梠を中心にサーブレシーブも安定していた。
 守備が機能したジェイテクトSTINGSは強い。2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを落としたものの、そこから徐々に反撃に出る。浅野のスパイクでサイドアウトを切ると、西田が続いてブレイク。10−10とすると、ここからはサイドアウトの応酬が続いた。久保山が巧みにトスを散らし、カジースキ、金丸が確実に得点を重ねていく。浅野のスパイクでブレイクポイントを奪うと、カジースキの強打も炸裂。サービスエースを決めて17−15とついに先行した。
 西田の闘志にも火がついた。サービスエースを決めて20−18。しかし、東レも試合巧者だ。すぐにブレイクポイントを奪い返しにくる。ジェイテクトSTINGSがブレイクすれば、東レもブレイク。24−24とジュースにもつれ込んだ。
 このセットの重要性は誰もがわかっていた。カジースキ、金丸が決めるが、東レも懸命に追いかけてくる。西田のスパイクで27−26。4回目のセットポイント。最後は西田がサーブで攻めて相手からミスを誘い、28−26と死闘を制した。

 第3セットは奪われたが、内容は悪くなかった。西田のスパイクは相変わらず高い決定率を残していた。カジースキのサービスエースも決まっていた。21−25で敗れたが、内容は紙一重だった。何より、選手のファイティングスピリットはけっして衰えていなかった。

 第4セット、カジースキのスパイクで先制した。止められても止められても、久保山はカジースキにトスを託した。西田が強打で続いた。さらにサービスエースを決めて4−4。福山も高い決定力を発揮した。勝負どころでカジースキの強烈なサーブが相手のコートをたたく。10−10の同点。次のサーブはアウトと判定されたが、チャレンジが成功してスコアが覆った。ジェイテクトSTINGSの集中力は高かった。
 中盤は点の取り合いになった。ジェイテクトSTINGSは福山、浅野が加点。ここから久保山は西田にトスを集めた。郡もワンポイントでコートに立った。カジースキのバックアタックで20−19。勝負の行方は終盤までもつれ込んだ。
 20−21とリードを許したところでアーマツ監督はタイムアウトを要求。これで流れが変わった。浅野が決めてサイドアウトを切ると、西田が2本連続で決めて23−21。本間の好レシーブも光った。浅野が決めてマッチポイント。最後はラリーになった。カジースキ、西田のスパイクが止められた。相手がレシーブしたボールがネット際に上がった。福山がダイレクトでたたき込む。25−23。その瞬間、ジェイテクトSTINGSの勝利とファイナル6への進出が決まった。

 連敗を喫した3レグの前半とは、見違えるような戦いを見せた。会心の勝利だ。すべての選手が自分の役割に責任を持ち、それを遂行していた。好循環が一人ひとりのパフォーマンスを生んだ。チームは一体感で満ち溢れていた。
「ホッとしているのが正直なところです。だけど、残り2戦で、まだ順位も上げられる。しかも、来週はホームゲーム。何としても勝って、ファイナル6、ファイナル3、ファイナルと行けるように、みんなで一丸となって頑張っていきます」
 キャプテンの浅野は試合後の会見でこう話した。そう。まだV・プレミアリーグは終わったわけではない。まずは来週のホームゲームで、最高のパフォーマンスを披露する。それがチームに共通する合言葉だ。

アーマツ・マサジェディ監督

ジェイテクトの社員の皆様、ジェイテクトSTINGSの選手、スタッフ、ファン、すべての方に「おめでとう」と言いたいと思います。みんなの力が集まって、この結果を残すことができました。2試合を残してファイナル6の進出を決めたことをうれしく思います。一番は、「勝つんだ」という気持ちが素晴らしかった。私からは、「昨日の流れを続けよう」と話をしました。あとは、警戒すべき相手の選手に対して、順番に対策を講じました。いい流れで戦えたと思います。来週対戦するパナソニック、豊田合成とは、ファイナル6でも対戦します。気持ちをコントロールしつつ、ファイティングスピリットを持って臨みます。

マテイ・カジースキ

今週はいい試合ができてうれしく思います。先週までリズムが悪く、負け試合が続いていました。悪い影響は練習にも表れていました。練習のレベルがどんどん下がっていた。自信をなくしていた選手もいました。修正点は3つありました。一つは練習のレベルを上げること。二つ目は、お互いの力を信じることです。特に全員が他の選手に対する信頼をなくしていた。そこを修正しなければいけないと思っていました。三つ目の修正点は個人のことになりますが、リズムを失いミスが多かった。そうした話をミーティングでして、そのおかげで今日の結果につながりました。スタッフ、監督、選手が一丸となって戦えた。先週の悪い雰囲気から抜け出すことができました。

浅野博亮

昨日と同じように気持ちを乗せて戦えたことが、今日の勝因だと思います。昨日の第1セットは硬くなってしまったけど、今日はみんなで意識して臨めました。ファイナル6の進出を決めましたが、自分は堺さんの結果を知らずに試合に入りました。それよりも、目の前の1点1点を取ることに集中していた。変に意識しなかったことがよかったのかもしれません。競った場面もありましたが、やはり先週のミーティングが効いていると思います。思っていたことをすべて言ったからには、自分がやらないといけない。全員に、そうした当事者意識がありました。弱気になる選手もいなかったし、「誰かがやってくれるだろう」という人任せな選手もいなかった。その意識があったから、競った場面でも強気で攻めて、いい流れを持ってこられたと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

浅野の活躍はチームにとって明るい兆し。一人ひとりが役割を果たすことで好循環が生まれた

浅野が68.2パーセントの決定率を弾き出した。前日(サントリー戦)の30.0パーセントに比べて大きく飛躍している。先週(FC東京戦)は52.9パーセントを残しているが、活躍した印象で言えば今日の方が圧倒的に上だ。何が変わったか。実は「特別なことはなにもしていない」と浅野は言う。ただ、前日の夜にアーマツ監督とビデオを見ながらフォームのチェックはした。「昨日はスパイクがよくなかったので、監督やアナリストとデータを見ながら話し合いました。そうすると自分の悪い癖が出ていたので、それをやらないことだけを意識しました」。久保山の配球が浅野を生かしたという一面もある。西田、カジースキの活躍も忘れてはいけない。「2人がすごく決めてくれて、相手の意識がそっちに行った。そのおかげで自分の決定率が上がったんだと思います」。一人ひとりが役割を果たすことで、好循環が生まれた。今日のような戦いを続けている限り、相手がどこであっても負ける要素は見つからない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ
第1セット 25 - 16
第2セット 28 ー 26
第3セット 21 ー 25
第4セット 25 ー 23
第5セット
日付 2018年1月21日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第19戦
場所 草薙総合運動公園体育館(このはなアリーナ)
メンバー カジースキ、金丸、福山、西田、久保山、浅野 L興梠、本間
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