ジェイテクトSTINGS VS FC東京

西田が決定率61.7パーセントと大暴れ。しかし、FC東京にサーブで押し切られ、最後まで勢いに乗れなかった

 ジェイテクトSTINGSが苦しんでいる。勝てない。焦りが不安になり、それがコートでの表情にも表れている。FC東京にセットカウント1−3。見せ場を作れず完敗した。

 立ち上がりからFC東京の勢いにのみ込まれた。サイドアウトが切れない。チームを救ったのは西田だ。豪快なバックアタックをたたき込んだ。さらにブロックでつないだボールをフェイントで決めた。17歳のルーキーがこの試合でも主役に躍り出るかに思われた。
 中盤は金丸が躍動した。キレのある速攻でブレイクポイントを奪うと、ブロックで相手のスパイクをシャットアウト。12−12の同点に追いついた。
 しかし、今日のジェイテクトSTINGSはそのあとが続かない。西田にトスを集めてサイドアウトを切るが、2点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを折り返す。さらに3連続失点で16−20。アーマツ監督は1回目のタイムアウトを要求した。
 その後は一進一退。西田が高い決定率を弾き出し、故障から復帰した浅野もバックアタックで応戦。西田のサービスエースで2点差まで追い上げた。しかし、反撃もここまで。22−25で第1セットを失った。

 第2セットも一進一退。ジェイテクトSTINGSは福山の速攻や浅野のサービスエースで得点を重ねる。浅野のスパイクで7−7。さらに福山がブロックを決めて、8−7で1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 西田の左腕も爆発。高い打点から強烈なスパイクをたたき込む。要所で金丸が速攻で加点。セッターの久保山も効果的にトスを散らした。しかし、サーブレシーブを崩されて、15−16と相手に先行を許す。ジェイテクトSTINGSは、袴谷、中根をワンポイントで投入して巻き返しを図った。
 終盤も西田が攻撃をけん引した。カジースキが決めると相手のミスを誘って20−20。チャンスはあった。しかし、勝負どころで決め切れず、再びジェイテクトSTINGSが2点を追う展開に。金丸、福山の速攻で一矢報いたが、23−25で失セットを喫した。

 第3セットはジェイテクトSTINGSが反撃に出た。西田のバックアタックが機能。金丸も1枚で相手のスパイクを止めた。浅野も決めて、8−4で1回目のテクニカルタイムアウトを折り返す。
 その後も西田にトスが集まった。この日の西田の決定率は61.7パーセント。13本のバックアタックをたたき込んだ。ミドルブロッカーの金丸、福山も高い決定率を残した。中盤は金丸のブロックを皮切りに、西田、カジースキが立て続けに決めて3連続得点を奪った。16−8とこの試合最大のリードを奪った。
 さらにピンチサーバーで松原を投入。サーブで攻める意識をチームに植え付けた。一時は4連続失点で3点差まで縮められたが、西田のスパイクで嫌な流れを断ち切った。
 流れは完全にジェイテクトSTINGSに傾いていた。最後は福山がネット際に上がったボールをたたき込み25−20。会心の試合運びでこのセットを奪った。

 もう1セットも落とせないジェイテクトSTINGS。しかし、第4セットの立ち上がりは、サーブレシーブを崩された。西田のスパイクや浅野のブロックでしつこく得点を重ねたが、6−5から3連続失点。2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 福山のサービスエースなどで一時は1点差に詰め寄った。西田のバックアタックも、相変わらず高い決定率を残した。しかし、サーブレシーブが乱れ、攻撃も沈黙。13−17と点差が開いた。
 柳澤を投入して守備の改善を図ったが、試合のペースは依然としてFC東京の方にあった。15−18から3連続失点。西田に望みを託すが、開いた点差はあまりに大きかった。ホームの後押しを受けたFC東京に押し切られ、19−25で敗れた。

 厳しい敗戦だ。2レグの最終戦から数えて4連敗。5位のサントリーとの勝点差は6に広がった。
「毎年、順位が決まってくる3レグの後半になると、プレッシャーを感じるようになります。しかし、ここで縮こまっていたら、(チャレンジマッチに進んだ)1年目と同じになる。悪いイメージは持たず、何とか気持ちを入れ替えて、残りのすべての試合を全力で戦いたい」
 主将の浅野はこう決意を口にした。苦しい状況だが、チームに下を向いている者はいない。もう一度、スローガンの「ONE」を思い出し、チームが一つになる時だ。

アーマツ・マサジェディ監督

結果は残念です。決定力の違いがFC東京との差になって表れました。相手はBパスやCパスになってもサイドアウトを切っていた。それに対して私たちは、Aパスが返っているのに決められないことがあった。しかし、レギュラーラウンドはまだ終わったわけではありません。残り4試合。ファイナル6に進出するチャンスはある。大事なのは、「絶対に勝つんだ」という気持ちです。「自分たちが新しい歴史を作るんだ」という気持ちを持たなければいけません。どれだけ練習をして、コンディションを100パーセントに整えても、気持ちがなかったら何もできません。気持ちを切り替えて、勝つための準備をして臨みます。

浅野博亮

不甲斐ない試合をしてしまいました。相手はホームゲームということもあって、サーブで攻めてきました。逆に自分たちはサーブで攻められず、相手にサイドアウトを取られてしまった。サーブレシーブも、お互いの意思疎通が図れず、組織的なミスが増えているように感じます。いつもなら、立ち上がりはカジースキにトスを集めて勢いに乗るのですが、ここ数試合は彼も調子が上がっていません。最近はチームの雰囲気も悪く、そこが出だしの連続失点につながっているように感じます。このままだとこの先も勝てないので、そこを修正して来週の試合に臨みます。

西田有志

先週デビューしたばかりですが、今日の試合が大切なことはわかっていました。試合が進むにつれて少しずつデータを取られ、マークが厳しくなっていった。決めなければいけない場面で決められず、悔いが残りました。相手のブロックを弾いたり、コースを狙ったスパイクが決まっているので、そこは自分の中で自信になっています。しかし、ハイセットになると、相手のブロックが3枚つくのはプレミアでは当たり前。そこは高校との違いを感じています。また、試合中はどうすれば自分がチームのムードを盛り上げられるかを考えていました。これからも、ムードメーカーとしてやっていけるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

試合の入り方に課題。最初の一点に最大限の集中を!

最初の1点を見ただけで、そのあとの展開が予測できる試合というのがある。今日はまさに、悪い方に予感が的中してしまった試合だった。久保山の最初の選択はカジースキだった。しかし、2度続けて、相手のレシーブに阻まれた。苦しい体勢から放った西田のバックアタックはアウト。続くカジースキのスパイクもラインを割った。さらに苦し紛れのフェイントも相手に拾われた。試合の入り方が悪かった。「最初にサイドアウトが切れなかった。それが一番の問題。チャンスボールも決められなかった。そうなると、ブロックが機能しなくなるし、セッターも不安になる。相手にわかりやすいトスになってしまう。最初にサイドアウトを取れなかったことで、苦しい展開になってしまった」とアーマツ監督。先週の堺戦、JT戦も第1セットの立ち上がりに連続失点を喫している。そのまま悪い流れをずるずると引きずってしまった。最初の1点。まずはここを取るために、集中力を最大限に高めたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS FC東京
第1セット 22 ー 25
第2セット 23 ー 25
第3セット 25 ー 20
第4セット 19 ー 25
第5セット
日付 2018年1月13日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第17戦
場所 大田区総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、福山、西田、久保山、浅野 L興梠、本間
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