ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

内定選手の中根、西田がデビュー。思い切りのいいスパイクとトス回しで会場を沸かせる

 3レグのスタートだ。ここからは一戦一戦が重要な意味を持つ。ジェイテクトSTINGSは2レグを終えて、6勝8敗の6位。7位の堺ブレイザーズとの勝点差は5しかない。2018年の初戦、その堺との直接対決を迎えた。
 明るい材料はある。内定選手の郡、中根、西田がチームに合流。中根と西田は今日の試合でベンチ入りを果たした。真新しいユニフォームを身にまとった姿に、自然と期待が高まる。緊張と期待が交錯する中、熱戦の火ぶたが気って落とされた。

 立ち上がりは堺にペースを握られた。ジェイテクトSTINGSはカジースキにトスを集めて応戦。しかし、サーブレシーブを乱され、4点のビハインドで1点のテクニカルタイムアウトを迎える。
 反撃はここから始まった。福山の速攻でサイドアウトを切ると、浅野もスパイクをたたき込んだ。この日、ジェイテクトSTINGSはカジースキのポジションをレフトに戻している。オポジットに入った清野のスパイクでラリーを制し、浅野のブロックで3連続得点。浅野が二段トスをしっかりと打ち切り、ついに14−14の同点に追いついた。
 さらに金丸のブロックで18−17と逆転。手に汗握る展開が続く。19−21と2点のリードを許したが、ジェイテクトSTINGSは諦めない。カジースキのスパイクなどで3連続得点。22−21と再びリードを奪った。
 そして、23−22の場面で中根と西田が同時にコートイン。サウスポーの西田が2本連続でスパイクを決め、25−24とセットポイントを奪う。まだ17歳。高校生離れした度胸満点のプレーでチームをけん引。左腕から立て続けに豪快なスパイクを繰り出した。最後は28−30で落としたが、ジェイテクトSTINGSのポテンシャルの高さを存分に発揮したセットだった。

 第2セットも一進一退。リベロは興梠がサーブレシーブに、本間がディグに入り、役割をスイッチ。守備を固めて巻き返しに出た。序盤は浅野のフェイント、久保山のツーアタックなどで相手の守備をかく乱。金丸のブロックやカジースキのスパイクなどで確実に得点を積み重ねる。清野がサーブで攻めてカジースキがスパイクをたたき込み、10−9とジェイテクトSTINGSが先行した。
 中盤はやや堺に分があった。ジェイテクトSTINGSはサーブレシーブが崩れて3連続失点。11−13となったところで1回目のタイムアウトを要求する。15−16となったところで辰巳を投入してブロックを修正。要所で中根と西田を同時に投入して勝負に出る。西田のスパイクでサイドアウトを切ると、カジースキのサービスエースで18−18と同点に追いついた。さらに辰巳の速攻、西田のスパイクで20−19。チャンスはあった。
 しかし、ここから流れが急転。サーブレシーブが乱れて攻撃が組み立てられない。堺の高いブロックにも苦しんだ。タイムアウトでも嫌な流れは変わらなかった。松原をコートに送り込んだが、最後まで押し切られて20−25でこのセットを失った。

 あとがなくなった。もう1セットも落とせない。ようやく1回目のテクニカルタイムアウトを8−7で取った。このセットのスタートから入った西田が躍動した。浅野も懸命にスパイクをたたき込んだ。
 辰巳のノータッチエースで10−8。セッターの久保山がサイドにトスを散らして確実に得点を重ねていく。しかし、この日のジェイテクトSTINGSはラリーが取れない。サーブレシーブも機能せず、2回目のテクニカルタイムアウトを2点のビハインドで迎えた。
 ここからは互いに1点ずつを取り合う展開。西田は豪快なバックアタックを決めてチームを勢いづける。しかし、終盤の3連続失点で18−22。ワンポイントで袴谷を投入するなど手は尽くしたが、20−25で敗れた。

 悔しい敗戦だ。結果が求められる一戦で結果を残せなかった。7位の堺との勝点差も2に縮まった。だが、レギュラーラウンドは残り6試合。ポジティブにとらえるなら、“まだ6試合”と考えるべきだ。5位のサントリーとは勝点3差、4位のJTとは6差である。「今日は負けたけど、まだ6試合ある。そこで勝つことで、ファイナル6にもつながる。とにかく明日のJT戦に勝って、勝点を上積みできるように頑張ります」と金丸。上位に進出するチャンスは、まだ十分にある。ただ、前へ進むのみだ。

アーマツ・マサジェディ監督

結果はすごく残念です。ただ、中根と西田が高いパフォーマンスを発揮してくれたのは明るい材料。2人は能力が高い。強い気持ちもある。今日はこの2人に助けられたし、近い将来、必ず私たちの力になるでしょう。ただ、今日の試合は第1セットを取っていたら結果は変わっていた。今は我慢の時期です。将来のことを視野に入れた上で、勝つためにいろいろな戦い方を試していきたい。まずはファイナル6に向けて、一試合一試合を勝ちにいきます。ベストメンバーでベストプレーを出す。前に進むしかありません。

金丸晃大

チームとしてアタック決定率が低かったので、年末年始はそこを克服するための練習に取り組んできました。最初に重要なのはサーブレシーブですが、今日もサーブレシーブはそれほど悪くなかった。Aパスが返った時の決定率、もしくはブロックの部分で詰め切れていないように感じます。個人的にもスパイクを打ち切れていない部分があったので、Aパスの時にいい状態で打てるようにコンビを確立していきたい。そこをセッターと詰めていきたいと思います。中根と西田がコートに入りましたが、彼らが入ることで勢いがつきます。緊張せず自分のプレーが出せるように、自分から声をかけたり、プレーで引っ張っていきたいと思います。

西田有志

緊張する場面はありましたが、思い切りプレーすることができました。ストレートで負けてしまったことは残念ですが、自分の中ではいいスタートが切れたと思います。苦しい場面でトスが上がってくるので、どうやって点数を取ればいいかを考えながら、自分にできることを精一杯やりました。アピールポイントはスパイクとサーブです。レシーブもできるので、まずはトップチームのボールのスピードに目を慣らしたいと思っています。高校生でV・プレミアリーグに出場するスタイルはあまりありませんが、自分で選んだ道なので妥協せず、通用する選手になれるように頑張りたい。明日も自分のプレーが思い切りできるよう、しっかりとコンディションを整えて臨みます。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

中根と西田が強気のプレーでチームを鼓舞。高いポテンシャルを感じさせた

中根と西田のデビューが今日一番の収穫だ。特に西田は途中出場ながら、15本のスパイクを放ち、そのうち10本を決めている。決定率は66.7パーセント。バックアタックも強烈だった。セットを取ることはできなかったが、思い切りのいいプレーでチームに勢いをもたらした。西田の決定率が高くなれば、レフトに戻ったカジースキのサーブレシーブも安定するに違いない。当然、マークは厳しくなるだろう。しかし、西田はその覚悟を持ってコートに立っている。「マークが厳しくなれば、その分、どんどん新しいことをやっていかないといけない。自分がどれだけ技を持ってプレーできるかが大切だと思います。時間はそれほどありませんが、一つ一つ技を増やして、マークしづらい選手になれるように頑張ります」と西田。セッターの中根も強気なプレーでチームを鼓舞。敗れはしたが、見ていてワクワクする一戦だった。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 28 ー 30
第2セット 20 ー 25
第3セット 20 ー 25
第4セット
第5セット
日付 2018年1月6日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第15戦
場所 広島県立総合体育館(グリーンアリーナ)
メンバー カジースキ、金丸、福山、清野、久保山、浅野 L興梠、本間
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