ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

会心の試合運びで第1セットを先取。第2セット以降もサーブで攻めたが、終盤に競り負ける

 2レグの最終戦、そして、V・プレミアリーグは年内最後の試合である。レギュラーラウンドは、今日を含めて残り8試合。3レグに入れば、ファイナル6を見据えて勝点を考慮した戦いをしていかなければいけない。相手が首位のパナソニックパンサーズであっても同じことだ。1試合、1セット、1点…、1本1本がより重みを増してくる。

 ジェイテクトSTINGSの集中力は高かった。立ち上がりは一進一退。セッターの久保山は、カジースキ、柳澤のサイド陣にトスを集めて攻撃を組み立てる。要所で福山、金丸のミドル陣が加点。さらに金丸のブロックでブレイクポイントを奪った。7−7からカジースキのスパイクをきっかけに4連続得点。柳澤もスパイク、ブロックで得点を重ね、11−7とジェイテクトSTINGSが主導権を握った。
 中盤もジェイテクトSTINGSのペースだった。うまくつないだボールをカジースキが決めると、金丸のノータッチエースなどで3連続得点。カジースキのバックアタックが決まり、6点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 一時は3点差に詰め寄られたが、ジェイテクトSTINGSに焦りはない。金丸の速攻などで19−14となったところでパナソニックは2回目のタイムアウト。守備では興梠、本間の両リベロがそれぞれの役割を果たし、チームに安定感をもたらした。いったんコートから離れていた柳澤が戻ると、20−16から4連続得点。金丸のサービスエースやカジースキのブロックなどで先にセットポイントを奪う。
 会心の試合運びを見せたジェイテクトSTINGSが、25−18で第1セットを圧倒した。

 第2セットの立ち上がりはパナソニックに先行されたが、カジースキがスパイク、ブロックで3点を稼ぎ出し、一気に逆転する。福山のブロックでブレイク。カジースキの獅子奮迅の活躍で、1回目のテクニカルタイムアウトを8−7で奪った。
 中盤以降もカジースキの活躍が光った。軟打を織り交ぜながら、次々と得点を稼いでいく。リードしながらもジェイテクトSTINGSにとっては我慢の時間が続いた。久保山はトスだけでなく守備でも活躍。本間も身を挺してボールをつないだ。守備を固めるために柳澤に代えて松原を投入。福山のサービスエースでブレイクポイントを奪った。しかし、カジースキにマークが集中して3連続失点。18−18とついに同点に追いつかれた。
 それでもジェイテクトSTINGSは、粘り強くサイドアウトを切っていく。要所で福山がキレのある速攻をたたき込んだ。23−23でサービスエースを決められた。先にセットポイントを与えた。一度は福山が嫌な流れを断ち切ったが、最後は浅野のスパイクが止められて24−26と失セットを喫した。

 第3セットも拮抗した展開だった。柳澤がサーブで攻め、高く上がったボールを福山がダイレクトでたたき込む。カジースキのスパイクや浅野のサービスエースで4連続得点。10−9と一気にスコアをひっくり返した。
 激しい点の取り合いが続いた。ジェイテクトSTINGSは金丸、福山の速攻でしつこく得点を重ねていく。パナソニックは主要選手に代えて、若手を積極的に起用してきた。しかし、それもまたジェイテクトSTINGSの守備を乱す一つの要因となった。
 それでも、粘り強くラリーを制して、19−19の同点に追いついた。福山のスパイクでサイドアウトを切ると、カジースキがサーブで攻めて相手からミスを誘う。ついに21−20とリード。袴谷、渡邉を続けてコートに送り込んだ。福山のブロックで23−21とした。袴谷のスパイクが決まって24−22とセットポイントを奪った。
 しかし、あと1点が遠い。勝負どころで決め切れず、3連続失点で24−25と逆転を許す。それでも、浅野のスパイク、金丸のブロックでいったんはリードを奪った。トスがカジースキに集まり、立て続けにブロックされた。最後はカジースキのスパイクがアウト。27−29でこのセットを落とした。

 落胆はけっして小さくなかった。それでもジェイテクトSTINGSはファイティングポーズを崩さない。気を吐いたのが福山だ。積極的にトスを呼び込み、スパイクをたたき込んだ。このセットのスタートから入った松原がスパイクを決めると、カジースキもライトからたたき込んで3連続得点。9−9の同点に追いついた。相手にリードを許しても、必死に食らいついた。
 11−14になったところでカジースキから清野にチェンジ。久保山のツーアタック、浅野のスパイクなどで応戦した。本間が気迫あふれるプレーでボールをつないだ。しかし、15−20とビハインドは広がった。松原が調子を上げてきた。福山もブロックを決めた。しかし、反撃及ばず19−25で敗れた。

 善戦するも、あと一歩及ばなかった。何かが劣っていたわけではない。間違いなく、気迫では相手を上回っていた。しかし、あと1点が遠かった。記者会見に表れた浅野は「悔しい」を繰り返した。
「第1セットはいい流れで取ったけど、第2セットは自分自身も足を引っ張ってしまった。チーム自体も少し勝ち急いだ感じがして、そこを相手につけ込まれた。本当に悔しい負けでした」
 課題ははっきりしている。勝負どころの1点をどう奪うかだ。幸いにも来週から天皇杯が始まる。課題を克服した上で結果を残し、来年の1月6日からスタートする3レグにつなげたい。

アーマツ・マサジェディ監督

選手たちは最後までファイトしました。負けたことは悔しいけど、これも経験です。第2、3セットは私たちにもチャンスがあった。ここを取っていれば、逆の結果になっていたでしょう。ふだんの練習からもっと高い意識を持って臨みたいと思います。2レグを終えて、チームのサーブ、サーブレシーブ、ブロックは上位にいます。いいところは継続し、弱いポイントは修正していきたい。来週から天皇杯が始まるので、気持ちを切り替えて前に進みます。時間はそれほどありませんが、一つ一つの試合を大切にして、3レグの戦いにつなげます。

金丸晃大

試合前からサーブで攻めることを全体の目標にしていました。第1セットは、サーブで攻められたことでいい流れをつかめたと思います。第3セットも、一度は相手にセットポイントを奪われながら逆転することができました。リバウンドのフォローなど、カジースキ選手につなげるためにみんなが高い集中力を持っていました。ただ、結果がすべてなので、負けたことは悔しいです。3レグが始まるまでに久保山選手や渡邉選手とコンビを詰めていって、どんなトスでも打ち切れるようにしていきたい。来週から天皇杯が始まりますが、まずは初戦を全力で戦い抜きます。

本間隆太

第1セットは、自分たちのやるべきことをしっかりやることができました。それが一番の勝因です。逆に第2、3セットは、3点くらい取れる点数を取れていなかった。チームとしての戦略はよかったけど、勝負どころで取り切れませんでした。3レグに向けて、個人的な課題は精度を上げること。また、最近は自分のプレーに集中してばかりでした。浅野さんとも話をしているのですが、自分たちは個々で戦っても勝てるチームではありません。副キャプテンでもあるので、もう少し僕から発信して、チーム一丸として戦っていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

大事なのはチームとして戦うこと。まずは天皇杯を反撃のきっかけにしたい

勝てる試合だった。第3セットを取っていれば、違う結果になっていただろう。個々のミスは責められない。アーマツ監督の采配にも覚悟が伴っていた。24−25からの逆転を呼び込んだ浅野、金丸の集中力は見事だった。もちろん全力を尽くしたカジースキのパフォーマンスは称賛に値する。しかし、あと1点が遠かった。「チームなので、やはり助け合いが必要だと思います。1回で決められないならリバウンドを取ればいい。チームとしてうまく攻めていくことが大事」。金丸はこう振り返った。浅野も「たしかにカジースキにトスを集めるのが一つの形ではあります。だけど、レフトやセンターももっと攻撃に絡んでいかないといけない。相手を迷わせることが重要です」と課題を口にしている。準備までの時間は短いが、天皇杯を反撃のきっかけにしたいところだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 25 - 18
第2セット 24 ー 26
第3セット 27 ー 29
第4セット 19 ー 25
第5セット
日付 2017年12月10日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第14戦
場所 駒沢屋内球技場
メンバー カジースキ、金丸、福山、柳澤、久保山、浅野 L興梠、本間
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