ジェイテクトSTINGS VS FC東京

松原の攻守にわたる活躍で第3セットを奪取。大砲のカジースキも着実に得点を重ねる

 3連敗のあとの重要な一戦である。これ以上、連敗の数を伸ばすわけにはいかない。ジェイテクトSTINGSの緊張感は高かった。立ち上がりから、気迫で相手を上回っていた。
 柳澤のスパイクで先制した。セッターの久保山が、柳澤にトスを集めて攻撃を組み立てる。カジースキのブロックでラリーを制した。僅差を保ったまま試合を進めると、金丸、カジースキのスパイクなどで3連続得点。要所でカジースキの強打が炸裂し、12−7とリードを広げた。
 この日のジェイテクトSTINGSはサーブが走っていた。カジースキのサービスエースで15−10。その後は一点ずつ取り合う展開。ジェイテクトSTINGSはブロックで粘り強くワンタッチを取って、アタッカー陣にボールをつなぐ。確実にサイドアウトを切ると、ラリーをしのいで20−14。ここでFC東京が2度目のタイムアウトを消化した。
 ジェイテクトSTINGSの集中力は途切れない。柳澤のスパイクに続いてカジースキがブロックを決めて22−15。終盤は3連続失点を喫したが、タイムアウトで嫌な流れを断ち切った。柳澤が決めてセットポイント。最後は福山のブロックが決まり、25−19でこのセットを制した。

 順調な立ち上がりに見えたが、ジェイテクトSTINGSはなかなか乗り切れない。1点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを落とした。ラリーも取れない。久保山のサービスエースで一時は同点に追いついたものの、中盤は柳澤、カジースキが続けて相手のブロックにつかまった。
 10−12となったところでアーマツ監督はタイムアウトを要求。しかし、それでも流れは変わらず11−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 流れを変えたのは福山だ。鮮やかなBクイックでサイドアウトを切った。途中から入った松原は、サーブレシーブを安定させた。渡邉、清野もコートに入った。スコアの流れは一進一退。18−23で2回目のタイムアウトを取ると、そこからカジースキが2本連続で決めて3点差まで詰め寄った。しかし、反撃もここまで。21−25でこのセットを落とした。

 第3セットに入り、ジェイテクトSTINGSが本来の調子を取り戻した。カジースキにトスを集めて確実に得点を稼ぐ。金丸のフローターサーブが相手からミスを誘った。カジースキがサーブを相手の前に落としてエースを奪う。福山もサービスエースを決めて、9−5とリードを広げた。
 しかし、サーブレシーブが不安定になると、11−11と同点に追いつかれる。ここで再び松原がコートイン。この采配が功を奏した。カジースキが高い打点からスパイクをたたき込み、立て続けに得点を奪う。一度はチャレンジで相手に得点が移ったものの、久保山の得点で16−13。松原が2本連続でサービスエースを奪う活躍を見せ、19−13と一気にリードを広げた。
 久保山がサーブでも魅せた。21−16の場面でノータッチエースを奪うと、相手の弱いところを確実に攻める。金丸のブロックで23−16。相手のサーブレシーブが崩れた隙を突いて浅野がダイレクトでたたき込む。これでセットポイント。カジースキのスパイクが決まり、25−18でこのセットを締めくくった。

 第4セットはカジースキがエンジン全開。しかし、マッチアップするFC東京のペピチに止められて、4連続失点を喫する。ジェイテクトSTINGSは早めのタイムアウトで流れを変えた。このセットのスタートから入った松原も、攻守で存在感を発揮。リベロの本間を軸に、サーブレシーブも安定した。カジースキの連続得点で逆転に成功すると、福山の速攻などでジェイテクトSTINGSが1点をリードして1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 ようやくジェイテクトSTINGSが落ち着きを取り戻した。福山のサービスエースでブレイクポイント。さらにカジースキのスパイクをきっかけに3連続得点を奪う。カジースキが連続で決めて15−11。松原が相手コートにフェイントを落として16−12とした。
 流れは完全にジェイテクトSTINGSに傾いていた。福山がブロックを決めて18−13。カジースキのバックアタックで加点した。あとは冷静に試合を終わらせるだけだった。一時は4連続失点を喫したが、カジースキ、久保山を戻して立て直した。途中から入った廣瀬のスパイクでマッチポイント。最後はカジースキがスパイクを決めて、25−20で試合を締めくくった。

 4試合ぶりの勝利だ。長いトンネルから抜け出した。しかし、チームに緩みはない。「はっきり言えば、同じ相手にしか勝っていない。今日の勝利はうれしいけど、自分たちの調子がいいと思い上がってはいけません。明日は首位のパナソニックに土をつけられるように頑張ります」。主将の浅野は、勝ってさらに気を引き締めた。V・プレミアリーグは明日が年内最終戦である。勝って締めくくることはもちろん、天皇杯に向けて弾みをつけたい。

アーマツ・マサジェディ監督

先週の呉大会で2連敗したこともあり、今日は結果を残すことが大事でした。途中から入った松原は、レセプション、アタック、ブロック、ディグ、サーブとすべてのプレーで頑張ってくれた。何度も彼に助けられました。今は試合に出ていないメンバーも、必ず必要になる時が来ます。たまに結果が出ないこともありますが、最終的にファイナルで勝つためにメンバーを選んでいきたいと思います。明日対戦するパナソニックは非常に調子がよく、いいバレーをしなければ勝つことは難しいでしょう。大事なのはサーブ。ディフェンスで頑張って、相手にプレッシャーをかけていきたいと思います。

松原広輔

若い選手はいっぱいいっぱいになることが多いので、自分がコートに入ったら雰囲気を和らげることを心がけていました。サーブに関しては、昨年もピンチサーバーで出ていたので、やりたいことはやれたと思います。この1週間、一丸になって勝ちにいこうと、みんなでコミュニケーションを多く取るようにしてきました。特に同じポジションの柳澤には、「多少のミスはしょうがないから、思い切ってやれ」と言って送り出しました。あいつはけっこうミスを気にするタイプです。でも、ダメだったら僕が出たらいいし、よかったらそのまま出たらいい。気持ちよくプレーしてほしいと思っています。出だしが大事なので、明日もしっかり攻めていきます。

浅野博亮

第1セットはいいスタートを切ることができましたが、点差をつけて勝ったこともあり、第2セットは心の緩みがあったように思います。そこをつけ込まれて、セットを失ってしまいました。自分たちが気を引き締めてプレーしていたら、もっといい試合ができたはずです。先週の2連敗でチームの雰囲気はよくなかったけど、試合後にミーティングもしてチーム一丸となることができました。カジースキも「練習を充実させることで、本番でいいプレーができる」と言っています。まずは練習から全力を出すことを意識しました。自分たちはサーブで攻めてブレイクポイントを取ると乗ってきます。チーム自体も乗れるので、明日のパナソニック戦もサーブで攻めていきます。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

攻めるサーブが勝敗を分けた。明日のパナソニック戦もサーブがカギを握る

先週に引き続き、サーブが走っていた。松原の活躍も大きい。途中から入った第3セットは、中盤にサービスエースを2本連続でたたき込み、一気に勝負を決めた。浅野が言う。「先週は、サーブで攻められず相手にコンビを組まれてしまうことがありました。攻めることを忘れる場面もあったので、練習の時から全員が攻める気持ちでやってきた。それが今日の試合にも出ていたと思います」。福山は強烈なジャンプサーブで何度も相手のレセプションを崩した。久保山も硬軟織り交ぜて高い効果率をキープ。サーブ効果率のトップランカーであるカジースキも、好調を維持している。サーブが走れば、ブロックとディグの関係も機能する。明日は首位のパナソニックが相手だが、サーブが走れば勝機は十分にある。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS FC東京
第1セット 25 - 19
第2セット 21 ー 25
第3セット 25 - 18
第4セット 25 ー 20
第5セット
日付 2017年12月9日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第13戦
場所 駒沢屋内球技場
メンバー カジースキ、金丸、福山、柳澤、久保山、浅野 L興梠、本間
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