ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ

第1セットは終始追いかける展開。守備が機能せず、サーブで押し込まれる

 悔しい敗戦だ。気迫で攻めてくる豊田合成トレフェルサを前に、やりたいバレーをやらせてもらえなかった。リードしている場面はあったが、完全に流れをつかむには至らなかった。アーマツ監督は「相手は頑張ってファイトしてきたのに、自分たちは大事な場面で決められなかった。集中もしていなかった」と振り返っている。果たして、何が明暗を分けたのか。
 ジェイテクトSTINGSはカジースキをオポジットに配した。攻守のバランスが取れた布陣だ。セッターには、先週の富山大会で調子がよかった渡邉が今季初スタメンを果たした。

 渡邉のサーブではじまった第1セットは、ジェイテクトSTINGSが追いかける展開。柳澤のスパイク、金丸の速攻などで確実にサイドアウトを切る。レセプションに入ったリベロの本間も安定していた。辰巳のブロックも決まった。1回目のテクニカルタイムアウトは3点のビハインドで落としたが、内容は互角だったと言っていい。
 金丸の丁寧なバックトスを、柳澤が相手コートの空いたスペースにぽとりと落とす。相手のミスで1点差まで迫った。セッターの渡邉も、巧みにトスを散らすなど落ち着いていた。しかし、10−11から4連続失点。カジースキのライト攻撃、柳澤のパイプ、浅野のクロススパイクが続けて失敗になった。2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた頃には、ビハインドは5点に広がっていた。
 終盤に入っても、ジェイテクトSTINGSはなかなか流れに乗り切れない。アウトになったと思われた相手のスパイクは、チャレンジによってスコアが覆った。15−23となったところで、浅野に代わって袴谷がコートイン。その袴谷がブロック、スパイクで活躍し、18−23とした。しかし、これ以上点差を縮めることができず、19−25でこのセットを失った。

 第2セットに入って、ジェイテクトSTINGSが息を吹き返した。渡邉が丁寧にトスを配給し、カジースキが得点を重ねる。金丸のブロックも炸裂。5−7から3連続得点を奪って、1点のリードで1回目のテクニカタイムアウトを奪った。
 カジースキのスパイク、浅野のブロックで10−8。我慢の時間帯は、リベロの興梠、本間を軸に粘り強く守った。カジースキが高い打点から強烈なスパイクをたたき込んだ。柳澤もスパイクを決めた。18−15とジェイテクトSTINGSのリードが3点に広がったところで、豊田合成が1回目のタイムアウトを要求した。
 しかし、終盤にゲームが大きく動く。豊田合成にサービスエースを決められて20−20。アーマツ監督はタイムアウトを要求したが、悪い流れを断ち切れなかった。ミスで逆転を許すと、今度はポジショナルフォールトで失点。再びサービスエースを決められて5連続失点を喫した。柳澤のスパイクで一矢報いるが、流れを取り戻せず22−25で敗れた。

 第3セットのスタートからカジースキのポジションをレフトに戻した。オポジットに袴谷を投入。セッターは渡邉から久保山にスイッチした。いきなり2点の先行を許したが、浅野のスパイク、袴谷のノータッチエースなどで3連続得点を奪う。
 1点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、立て続けにサーブレシーブを崩されて7−10。ここから1点ずつ取り合う展開となった。ジェイテクトSTINGSの攻撃はけっして悪くない。しかし、辰巳の速攻がブロックされると、バックライトから放った袴谷のスパイクはアウト。11−16となった。
 後半もジェイテクトSTINGSは懸命に1点を取りにいった。しかし、ビハインドは徐々に広がっていく。14−19となったところで、浅野に代わって柳澤が入った。その柳澤がスパイクを決め、カジースキがノータッチエースで続いた。ここからはサイドアウトの応酬。袴谷のスパイクが止められて豊田合成のマッチポイント。20−25でストレート負けを喫した。

 ストレートで負けたのは5試合ぶりだ。たしかに豊田合成は、一つ一つのプレーの精度が高かった。しかし、それ以上に、ジェイテクトSTINGSは気迫で負けていた。大事なのは、いかに気持ちを切り替えるか。下を向いてはいけない。勝点3を目指して、ひたすら邁進するのみである。

アーマツ・マサジェディ監督

自分たちのバレーができませんでした。いつも選手に言っていますが、相手が有利な時間帯は、簡単に点数を与えないことが大事です。もちろん自分たちの時間帯もありました。しかし、サーブ、ブロックディフェンスでもっと頑張らなければいけなかった。これほど気持ちが切り替えられなかったのも初めてかもしれません。でも、選手も人間なので、こういう時もあります。私たちにとってはいい経験になりました。あとは、明日の試合に向けてどうやって切り替えるか。たくさんのファンの方が応援に駆けつけてくれているので、勝って一緒に喜びを分かち合いたいと思います。

金丸晃大

第1セットは自分たちのミスで相手に点数を与えてしまい、流れに乗ることができませんでした。第2セットは徐々に自分たちのバレーができるようになってきましたが、中盤のところで決め切れなかったり、タッチを取っているのにディグが上がらないなど、決定力の差が表れたと思います。敗因は気持ちの面が大きいと思いますが、たしかにミスも多かった。今日に関しては、それほど粘りもありませんでした。明日のJT戦に向けて、一人一人がこれからどういう意識を持つか。それによって明日の試合も変わると思います。しっかりとコンディションを作って、明日のJT戦に臨みます。

辰巳正敏

痛い一敗です。自分たちが準備してきたことが出せませんでした。悔しいですね。先週からコートに立つ時間が長くなりましたが、入るからには自分がやるべきことをしっかりやろうと思っていました。今日の試合は、技術面でもそうですが、気持ちの面で相手の方が上回っていたように感じます。相手の方が声も出ていたし、気合いも入っていた。気持ちの面で負けていました。しかし、今から結果を変えることはできません。明日のJT戦に勝てるように、しっかりと準備して臨みたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

気持ちを切り替えられなかった第2セット終盤。ここで得た糧を次の試合に生かしたい

勝敗を分けたのは第2セットの終盤だろう。ジェイテクトSTINGSにとっては、中盤で奪ったリードを維持したままセットを終えるだけだった。しかし、20−19の場面でサービスエースを決められた。さらに1点を失うと、ポジショナルフォールトによってビハインドが2点に広がる。豪快なスパイクを決められても1点、ミスをしても1点だ。ジャッジに納得ができなくても、すぐに気持ちを切り替えるべきだった。このあとに許したサービスエースで、このセットの勝敗はほとんど決した。「セット間の気持ちの切り替えはできていたと思います。ただ、1点ごとの切り替えができていませんでした」と金丸。“たられば”は禁物だが、このセットを奪っていれば流れがジェイテクトSTINGSに傾いていた可能性もある。しかし、勝敗は決した。この悔しさは、次の対戦で晴らすしかない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ
第1セット 19 ー 25
第2セット 22 ー 25
第3セット 20 ー 25
第4セット
第5セット
日付 2017年12月2日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第11戦
場所 呉市総合体育館(オークアリーナ)
メンバー カジースキ、金丸、渡邉、柳澤、辰巳、浅野 L興梠、本間
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