ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

采配ズバリ! 第1セットの途中から入った渡邉が躍動。辰巳もスパイク、ブロックで活躍する

 2セットビハインドからの苦しいスタートとなった。立ち上がりは、変化をつけた堺ブレイザーズの攻撃に翻弄され、なかなかリズムがつかめなかった。カジースキ、柳澤のスパイクが決まらない。何度も相手のブロックにつかまった。
 アーマツ監督の決断は早かった。第1セット、柳澤のスパイクがブロックされて12−20になったところで、セッターを久保山から渡邉にスイッチ。この采配が吉と出る。粘り強さが出て、柳澤のサービスエースなどで3連続得点を奪った。19−25で落としたが、反撃の可能性を感じさせるセットだった。

 第2セットも勝負どころで競り負けた。しかし、そこに至るまでの過程は、明らかに第1セットとは違っていた。リベロの本間がグリーンフェンスを乗り越えながらボールをつなぎ、ファイティングスピリットを見せた。躍動したのが柳澤だ。渡邉との連携が機能し、バックアタックも決めた。カジースキもクロス、ストレートと巧みにスパイクを打ち分けた。柳澤のスパイクで13−13の同点に追いつくと、カジースキのバックアタックで逆転に成功する。福山もブロックで加点。22−25で失セットを喫したが、内容はけっして悪くなかった。

 ジェイテクトSTINGSの反撃が始まった。第3セットの立ち上がりは、カジースキのスパイクで得点を稼いだ。柳澤のエンジンもかかってきた。浅野がファインプレーでボールをつなぎ、カジースキが決めた。金丸のブロックが決まり、8−7で1回目のテクニカルタイムアウトを折り返した。
 チームに勢いが戻ってきた。「マテイや柳澤にかかるレセプションの負担を少なくしようと思っていました。浅野さんが前衛の時も『僕が行きます』と声をかけた。第3セットを取っても、勝つまではまだ2セットある。スパイカーにできるだけ負担をかけないようにしていました」と本間。チームメイトの信頼に応えるように、カジースキが高い打点からスパイクをたたき込んだ。浅野も攻守で活躍した。13−11となったところで、福山に代えて辰巳を投入。激しい点の取り合いが続き、金丸の速攻で2回目のテクニカルタイムアウトを16−15で奪った。
 終盤も一進一退。ジェイテクトSTINGSはカジースキのスパイクで奪った2点のリードをキープする。辰巳がサーブで攻め、柳澤が相手のスパイクをシャットアウト。23−20とついにリードを広げた。最後はカジースキが決めて25−22、第3セットを取り返した。

 ジェイテクトSTINGSが試合のイニシアチブを取り戻した。第4セットに入っても高い集中力をキープ。辰巳がスパイク、ブロックで活躍し、4−1とリードを奪う。相手のエースを3枚ブロックで止めた。3連続失点で同点に追いつかれたが、カジースキ、金丸のスパイクで確実にサイドアウトを切っていった。
 レセプションに入った本間、ディグに入った興梠の守備も安定していた。金丸がサーブで相手を崩し、カジースキ、辰巳のスパイクなどで4連続得点。さらに辰巳のブロックでブレイクポイントを奪い、16−11で2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。苦しい時間帯も、ジェイテクトSTINGSは耐えた。
 集中力を保ったまま終盤を迎えた。柳澤のスパイクなどで3連続得点。20−14となった。浅野のスパイクでブレイクポイントを奪い23−16。カジースキのスパイクでこのセットを締めくくり、勝負の行方を第5セットに持ち込んだ。

 ジェイテクトSTINGSにとっては、今季初のフルセットである。しかし、勢いが体力面の心配を凌駕した。渡邉のブロック、カジースキのノータッチエースで4−1。ここで堺がタイムアウトを要求。攻撃の手を緩めないジェイテクトSTINGSは、カジースキのスパイクでサイドアウトを切ると浅野のサービスエースや柳澤のスパイクで5連続得点。9−2とした。
 しかし、今のジェイテクトSTINGSにセーフティリードはない。粘る堺に3点差まで追い上げられる。それでも、辰巳がサーブで攻めて11−6。金丸のブロック、カジースキのスパイクでサイドアウトを切ると、相手のミスでマッチポイント。辰巳のブロックで15−11とし、熱戦に終止符を打った。

 セットカウント0−2から追いつき、逆転でフルセットの勝利をもぎ取った。「今季初のフルセットだったけど、いい戦い方ができました。2セットを取られても逆転できるという自信がついた。チームとして成長できた一戦だったと思います」と本間は言う。長いシーズンを戦う上で、大きな糧になる一戦だった。しかし、大事なのはここからだ。この勢いを明日以降の戦いにつなげたい。

アーマツ・マサジェディ監督

久保山から渡邉に交代し、トスの質が変わりました。渡邉の特徴は、バリエーションの多さ。バックトスがうまく、速攻やパイプを効果的に使っていました。彼もいつ入ってもいいようにしっかりと準備してきた。今日は結果に表れてうれしく思います。フルセットは今季初めてでしたが、選手が最後まで頑張って盛り上げてくれました。すごい経験だった。今までの準備が生かせました。気持ちをしっかりと切り替えて、明日の東レ戦も勝てるように頑張ります。

本間隆太

第1、2セットは相手の方がよかったと思います。スパイクも拾われていたし、サーブレシーブも崩れていなかった。自分たちがやりたいバレーを逆にやられました。だけど、自分たちは第1セットから第5セットまで、長く自分たちのプレーが継続できた。それが勝因だと思います。ディフェンスの面でも、我慢強く戦えました。明日対戦する東レさんは、ワンランク上のプレーをしてくるチーム。こっちが簡単にミスを出してしまうと、そこをつけ込まれます。今日のように我慢しながらも、しっかりと第1セットを取れるように準備します。

渡邉峻

第1セットの途中からコートに入った時は、とにかく全力でやろうと思っていました。ただ、(柳澤)広平がブロックにつかまってキツそうだったので、復活させてあげたいと思っていた。次につながるようにいい場面で打たせて、調子を上げることを意識していました。リーグ戦でこれだけ長く出たのは初めてだったので、緊張はありました。ふだんの練習でも緊張するし、本番はなおさら緊張します(笑)。体力的にもキツかったので、しっかりと体を整えないといけないと痛感しました。特別なことは考えず、明日以降も一生懸命頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

ブロックとレシーブの連携が機能。我慢のディフェンスが実を結んだ

ディフェンスの勝利と言っていい。ブロックとレシーブの連携が機能し、相手のスパイクを何度も上げた。特に第3セットは、浅野が再三にわたってファインプレーを連発。リベロの興梠とともに粘り強くファイトし、チームを鼓舞した。本間、浅野を軸にサーブレシーブも安定していた。本間はサーブレシーブ成功率が66.1パーセント、浅野も65.7パーセントと高い数字を残している。カジースキ、柳澤の負担を軽減する役目も果たした。アーマツ監督が言う。「ブロックシステムをしっかりやっていた。あとは、我慢、我慢、我慢。相手の強いローテーションは我慢して、弱い時にディグで頑張る。最後までよく集中していた」。ディフェンスがいいチームは大崩れしない。まさに我慢が実を結んだ勝点2だった。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 19 ー 25
第2セット 22 ー 25
第3セット 25 - 22
第4セット 25 ー 17
第5セット 15 ー 11
日付 2017年11月25日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第9戦
場所 富山市総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、福山、柳澤、久保山、浅野 L興梠、本間
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