ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

カジースキがサーブで攻めて第1セットを先取。第2セット以降は、セット終盤のミスが響いて競り負ける

 前日のJT戦で悔しい敗戦を喫した。1セットも取ることができなかった。アーマツ監督も「ファイティングスピリットが足りなかった」と出直しを誓っている。一夜明け、心機一転。新たな気持ちでパナソニックパンサーズ戦に臨んだ。
 1レグの最終戦。一つの集大成となる試合で、アーマツ監督は大きくメンバーを代えてきた。辰巳が、柳澤が今季初スタメン。試合は袴谷の得点で幕を開けた。

 カジースキがエンジン全開。第1セットは、エースを軸に攻めるジェイテクトSTINGSが主導権を握った。圧巻はサーブだ。4−4でカジースキにサーブが回ってくると、強烈なサーブで相手を崩して福山のブロックを援護射撃。柳澤が決めて6−4とすると、ここからテクニカルタイムアウトを挟んでカジースキが3本連続でサービスエースを奪う。9−4と点差を大きく広げた。
 しかし、パナソニックのクビアクがコートに戻ってくると、ジェイテクトSTINGSにミスが続いて1点差まで迫られる。袴谷、辰巳のスパイクで得点を重ねるが、14−12から3連続失点。1点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 ここからはジェイテクトSTINGSが1点を追う形でサイドアウトの応酬が続く。福山がブロック、スパイクで活躍した。久保山もサーブで攻めた。拮抗した展開が続く。反撃の一打を放ったのが柳澤だ。サービスエースでブレイクポイント。20−19となり、パナソニックがタイムアウトを要求した。
 流れは完全にジェイテクトSTINGSだった。カジースキの軟打、福山のブロックでサイドアウトを切る。袴谷が23点目を奪うと、カジースキのサービスエースでセットポイント。柳澤が決めて、25−22で第1セットを先取した。

 第2セットもシーソーゲームが続いた。ジェイテクトSTINGSは第1セットと同じメンバーでスタート。カジースキが高い技術で得点を稼ぎ出す。柳澤もそれに続いた。袴谷も高い打点からスパイクをたたき込んだ。カジースキのブロックで11−11の同点。福山の速攻でブレイクポイントを奪い、13−12と逆転に成功する。ジェイテクトSTINGSの集中力は高かった。福山のノータッチエースで、2回目のテクニカルタイムアウトを16−15で奪った。
 しかし、柳澤のスパイクがブロックされると、徐々に流れが相手の方へと傾いていく。2本連続でサービスエースを決められて17−20。ここでジェイテクトSTINGSは2度のタイムアウトを消化した。さらに1点を追加されたところで、浅野を投入する。辰巳のブロックでサイドアウトを切るが、最後は押し切られて20−25でこのセットを失った。

 セットカウント1−1で迎えた第3セット、ジェイテクトSTINGSは立ち上がりからセッターの久保山がトスを散らして多彩な攻撃を展開する。福山、柳澤のスパイクでサイドアウトを切った。袴谷のバックアタックに続いて辰巳がブロックを決めて8−7。柳澤のスパイクでラリーを制すと、カジースキが決めて10−8とリードを広げた。
 袴谷のスパイクはアウトになった。チャレンジを要求するが失敗。さらにサービスエースを決められて4連続失点を喫する。10−12。ここで浅野がコートに入った。袴谷がスパイクを決めると、カジースキがサーブで相手にプレッシャーをかけて14−14の同点。さらに1点ずつ奪い合う展開から柳澤が決めて、17−16と逆転に成功した。
 明暗を分けたのは、終盤の勝負どころだ。カジースキがマークされた。サービスエースも決められた。ラリーを奪うことができず5連続失点。松原をコートに送り込んだが、流れを帰ることができず19−25で失セットを喫した。

 第4セットのスタートから、金丸と清野を投入した。意地を見せたのがカジースキだ。相手のスパイクを右手一本でシャットアウトすると、ネット際のボールを押し込んで連続得点。高い打点からクロス、ストレートに強烈なスパイクをたたき込んだ。清野もキレのあるスパイクで応戦。柳澤もライトから強打を決めた。金丸のブロックなどでパナソニックを僅差で追いかける。
 3点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、代わって入った浅野のスパイクなどでそこから3連続得点。16−16の同点に追いついた。清野のスパイクでサイドアウトを切った。まだチャンスは残されていた。
 しかし、相手のフローターサーブに崩されて失点。17−20となったところでアーマツ監督はタイムアウトを要求する。ここから1点ずつを取り合う展開。最後まで粘り強く戦ったジェイテクトSTINGSだが、21−25で敗れた。

 敗れはしたが、随所にジェイテクトSTINGSらしさは出せた。第1セットを奪ったし、第2セット以降も接戦を演じている。ただ、勝負どころでの小さなミスが勝敗を分けた。精度を上げていけば、シーズン後半の巻き返しも十分に可能だ。
 1レグを振り返ってアーマツ監督が言う。「昨日のJT戦以外はうまくいっている。浅野はケガもあるので、注意しながら起用しなければいけない。彼は私たちにとって大事な選手。みんなで支えていきたい。今日は負けたけど、ほんの少しの差。頑張れば、試合は変わる」。来週のサントリー戦はホームゲームだ。ここでしっかりと勝点3を確保し、いい形で2レグのスタートを切りたい。

アーマツ・マサジェディ監督

相手のことを考えたうえで、サーブがある辰巳をスタメンで起用しました。もちろん金丸に問題があるわけではありません。ブロックも変わるので、相手にプレッシャーをかけられたらと思いました。第1セットは、全員がよく頑張りました。第2セット以降は相手のサーブに苦しみ、レセプションを崩された。そこが私たちにとっては少しブレーキになりました。1レグが終わりましたが、勝っても負けてもファンの方が支えてくれて感謝しています。この7試合で得た経験を2レグ以降の戦いにつなげたい。いい結果を出せるように頑張ります。

辰巳正敏

今季初めてのスタメンでしたが、いいイメージを持って試合に入ることができました。チームでやること、個人でやることをしっかりやろうと思っていました。第1セットの勝因はサーブです。カジースキのサーブが続いたのが大きかった。個人的には反省の残る内容でした。スパイクもそうだが、ブロックで弾かれることが多かった。手の出し方の問題だと思います。今日はスタメンでしたが、2レグ以降も途中から出ることが多いと思います。それでもふだんのプレーが出せるようにしっかりと準備していきたい。チームとしても、一つずつ勝ち星を積み重ねていけるように頑張ります。

柳澤広平

今シーズンは少しずつ試合に出られる時間が長くなって、もう少しこの場で自分のプレーを試してみたいと思っていました。緊張はなく、どんな感じになっていくのかなという感覚で試合に入りました。競った場面で自分たちにミスがなく、第1セットを取ることができました。逆に第2セット以降は、後半の大事な場面でミスが出た。自分もミスに絡んでいたので、ワクワクした試合であると同時に課題も残りました。まずは攻守において安定したプレーヤーになること。応援してくださっている方から「面白かった」と言われるような雰囲気づくりを大切にしていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

サーブが勝敗を分けた一戦。ジェイテクトSTINGSの武器を復調のきっかけにしたい

第1セットはカジースキのサーブが勝利を引き寄せた。3本連続でサービスエース。圧巻の爆発力だった。セットを通して全員のサーブに対する意識が高かったと言っていい。セットポイントもカジースキのサーブで奪っている。しかし、それ以降は逆に、相手にサーブで崩された。第2セットの中盤には、フローターサーブで連続失点。柳澤から浅野にバトンタッチするなど、レセプションの修正を余儀なくされた。サーブでリズムをつかんだチームが試合を優勢に進めた。「相手のサーブだけが問題だった」とアーマツ監督。辰巳も「サーブで攻めたらある程度は戦えることがわかった」と振り返っている。サーブはもともとジェイテクトSTINGSの武器。2レグに向けて、復調のきっかけにしたいところだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 25 - 22
第2セット 20 ー 25
第3セット 19 - 25
第4セット 21 ー 25
第5セット
日付 2017年11月12日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第7戦
場所 深川市総合体育館
メンバー カジースキ、福山、柳澤、辰巳、袴谷、久保山 L興梠、本間
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