ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ

第1セット終盤の連続失点からペースダウン。守備が機能せず、最後まで流れを取り戻せなかった

 タフな一戦だった。相手の高いブロックに、ジェイテクトSTINGSの多彩な攻撃が封じられた。ブロックを抜けたボールは、何度も拾われた。メンバーを入れ替えても、流れは変わらない。我慢比べが続いた。しかし、前半に失った流れを最後まで引き寄せることができず、JTサンダーズにストレート負けを喫した。

 試合の入り方は悪くなかった。口火を切ったのは金丸だ。ブロックで得点を奪うと、相手の強打を浅野が至近距離でレシーブ。カジースキのスパイクなどで4連続得点と主導権を握った。セッターの久保山は要所でセンター線の速攻を絡め、福山が着実に加点。8−4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 オポジットに入った袴谷も高い打点からスパイクをたたき込んだ。サイドアウトの応酬が続く中、浅野やカジースキが決めて粘り強く得点を重ねる。金丸の速攻で16−14。試合の流れを完全につかんだかに思われた。
 しかし、袴谷のスパイクが止められて17−17になると、サービスエースを決められてついに逆転を許す。ここからジェイテクトSTINGSの攻撃がペースダウン。カジースキのスパイクも封じられて、なかなかサイドアウトを切ることができない。2度のタイムアウトでも流れを変えることができず7連続失点。柳澤を投入して一度は嫌な流れを断ち切るが、そのまま押し切られてこのセットを18−25で落とした。

 守備を立て直すために、第2セットからリベロの本間を投入。興梠と入れ替わりながら、防御を固める。袴谷も当たりを取り戻し、ジェイテクトSTINGSが徐々に流れをつかみはじめた。金丸のブロックも機能。3点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを失ったが、反撃の糸口は見えていた。
 久保山は積極的に袴谷にトスを集めた。背番号「11」のオポジットは、レフト、ライトから渾身の力でボールを打ち続けた。一時は決定率が50パーセントを超えた。さらにサーブでも攻めの姿勢を見せた。しかし、JTはサーブを徹底してカジースキに集め、ジェイテクトSTINGSから攻撃の軸を奪ってくる。ついに袴谷のスパイクが止められ、相手のブレイクポイントで17−23とビハインドが広がった。
 柳澤、渡邉を二枚替えで投入。少しでも流れを変えたかった。柳澤がAパスをセッターに返すと、福山の速攻でサイドアウトを切った。フレッシュなメンバーが躍動し、コートの上を盛り上げた。しかし、前半に開いた点差を縮めることができず、18−25で第2セットも失った。

 第3セットは久保山のサーブからスタートした。相手の攻撃をしのぐと、袴谷が決めて先制した。その後もカジースキの豪打が爆発。カジースキのサーブレシーブがそのまま相手コートに入るなど、ラッキーな場面もあった。さらにカジースキが2本連続でサービスエースを決め、8−4で1回目手のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 しかし、JTに少しずつ点差を縮められ、11−9となったところで浅野に代えて松原をコートに送り込む。その松原が決めて12−10。さらにブレイクポイントを奪ってリードを3点に広げた。
 ここからジェイテクトSTINGSの攻撃が、JTの高いブロックに阻まれる。袴谷のスパイクが立て続けに止められた。セッターの渡邉がコートに入った。しかし、松原のスパイクも相手にブロックされた。代わって入った柳澤のスパイクも止められた。13−15となったところでアーマツ監督はタイムアウトを要求。金丸の速攻でサイドアウトを切るが、流れはJTに傾いていた。
 好プレーを連発したのが柳澤だ。ライトからスパイクを決めると、カジースキのブロックが成功。3連続得点を奪い、17−17の同点に追いついた。チャンスはあった。3連続失点を喫したが、タイムアウトで嫌な流れを止めた。柳澤のスパイクなどで再び1点差に迫った。しかし、このあとが続かない。最後は相手にサービスエースを決められて、22−25で敗れた。

 ブロックポイントは、JTの「13」に対してジェイテクトSTINGSが「5」。相手の高さに屈した。大事な場面でのミスも響いた。チャンスをモノにできなかったことも大きい。完敗に近い内容だ。しかし、次の試合は明日に迫っている。「これからミーティングをやって、明日の対策をしていきます。データも出してくれるので、今日はできなかったブロックとレシーブの関係を修正したい。そうすれば勝てると思います」と金丸。重要なのは、気持ちを切り替えること。本来の戦い方を取り戻し、しっかりと勝点3を持ち帰りたい。

アーマツ・マサジェディ監督

0−3で負けましたが、一番の問題はファイティングスピリットが足りなかったことです。ブレイクのチャンスがあっても、大事な場面で得点を取ることができなかった。メンタルの問題です。勝ちたい気持ちがあれば、コートの中でいろいろ考えて、その場面に応じたベストを見つけ出すはず。相手がどれだけ強くても、勝つための方法を考えます。しかし、今日は集中力が足りなかった。明日は気持ちを切り替えて、ミスのないバレーをしていきます。

金丸晃大

セッターの久保山が相手のブロックを1枚にしてくれているのに、それを決め切れなかったことが今日の敗因だと思います。僕が決めることによって、サイド陣ももっと楽になる。そこは何としてでも決めなければいけませんでした。また、最初は上がっていたディグも、徐々に上がらなくなってきました。ブロックの約束事も機能せず、ディグとの関係がうまくいかなかった。今日の課題をしっかりと詰めて、明日のパナソニック戦に臨みます。

袴谷亮介

試合のスタートは勢いに乗ることができましたが、途中から相手の重要な選手であるエドガー選手に決められてしまい、そこから崩されてしまいました。スパイクに関しては、いつも監督からアドバイスをもらっているのに、自分の打ち方ができなかった。第2セットからは、高い打点でとらえることと、コースを狙うことを意識したので、少しは決まるようになったと思います。しっかりと反省して、明日は勝てるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

エンジンがかからないカジースキ。4枚レシーブは復調のきっかけになるか

41.7パーセント。今日のカジースキの決定率だ。先週の東レ戦は40.0パーセント、サントリー戦は41.4パーセント。確実に50パーセント以上の数字を残してきた最初の3試合に比べると、苦しんでいることがわかる。打数もけっして多くない。スパイク以外のプレーで負担がかかりすぎているのが要因の一つと言えるだろう。特にサーブレシーブは、今日の試合でもチーム最多の26本を受け、69.2パーセントの高い成功率を残している。相手も徹底して、カジースキにサーブを集めてきた。打開策の一つが、第3セットの終盤に見せた4枚レシーブだ。浅野に変わって松原が、袴谷に変わって柳澤がコートに入り、興梠、カジースキとともに4人が並んだ。このセットを取り切ることはできなかったが、カジースキの守備にかかる負担は軽減された。明日以降に向けて、悪い流れを断ち切る一つのきっかけになるかもしれない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ
第1セット 18 - 25
第2セット 18 ー 25
第3セット 22 ー 25
第4セット
第5セット
日付 2017年11月11日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第6戦
場所 深川市総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、福山、袴谷、久保山、浅野 L興梠
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