ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ

第1セットを僅差で失セット。途中から入った袴谷、柳澤の活躍で接戦に持ち込む

 今季初のホームゲームである。舞台はジェイテクトアリーナ奈良。昨季は2試合を戦って1セットも取れなかった会場だ。白星を手にし、早く負のスパイラルから抜け出したい。今のジェイテクトSTINGSには間違いなく、それができる力が備わっている。

 第1セットは激しい点の取り合いだった。1−4と先行を許すが、浅野のバックアタックを絡めた攻撃でジェイテクトSTINGSが反撃に出る。長いラリーを制して6−6の同点。浅野がスパイクを打ち続けた。東レアローズは外国人選手のギャビンにボールを集めて攻めてきた。さらに東レは早くもミドルブロッカーを代えてきた。だが、これで試合の流れが変わった。
 一時はジェイテクトSTINGSが福山のブロックなどで2点のリードを奪う。しかし、大事な場面でミスが出て12−12。カジースキのバックアタックが止められて1点のリードを許すが、久保山がジャンプサーブでエースを奪い、16−14で2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 ここからは互いに1点ずつを取り合う展開。ジェイテクトSTINGSは久保山がトスを散らし、金丸の速攻や清野のスパイクなどで確実にサイドアウトを切っていく。リベロの興梠、本間も粘り強くボールを拾い、懸命にボールをつないだ。
 明暗を分けたのは、21−19の場面だ。ミスで失点した。すぐに気持ちを切り替えられなかった。相手に同点となるスパイクを決められると、ラリーを落として21−22と逆転された。浅野が高さのあるスパイクを決めてサイドアウトを切るが、清野のスパイクが止められて東レのセットポイント。最後は代わって入った柳澤が一矢報いるが、23−25でこのセットを失った。

 続く第2セットも、手に汗握る展開だった。2−5とリードを許したが、チャレンジによって清野の得点が認められるなど、徐々に流れをつかんでいく。金丸のブロックなどで5連続得点。久保山のサービスエースも決まり、8−6と立ち上がりの主導権を握った。
 しかし、中盤は東レのペースで進行した。カジースキのスパイクでラリーを制したが、相手の速攻に対応できず15−16と先行を許す。17−19と点差が広がったところでアーマツ監督はタイムアウトを要求。清野のスパイクで1点を返したところで、袴谷と渡邉を二枚替えで投入する。袴谷、カジースキが続けて決めて20−20の同点。カジースキの強烈なサーブも効果的だった。浅野が渾身のスパイクを決めて、ついに22−21とリードを奪った。勝てるセットだった。しかし、勝負どころでジェイテクトSTINGSは後手に回ってしまった。浅野のスパイクが止められた。サーブレシーブを崩され、セットポイントを奪われた。久保山と清野をコートに戻す。しかし、清野のバックアタックはわずかにアウト。22−25。セットカウント0−2と、ジェイテクトSTINGSが追い込まれた。

 第3セットのスタートから袴谷と柳澤を投入した。2人は攻撃でチームに貢献。袴谷のライトからのスパイク、柳澤のバックアタックなどで確実に得点を重ねていった。カジースキがサーブで攻めてブレイクポイントを奪った。金丸のブロックも機能。まだ逆転のチャンスは残されていた。
 9−12となったところで、カジースキに代えて松原をコートに送り込んだ。松原は今季初出場だ。その松原がサーブで攻めて、袴谷がライトからパワフルなスパイクをたたき込む。さらに11−14となったところでミドルブロッカーの辰巳を投入した。
 ここからは袴谷の独壇場だ。難しいトスを崩れた体勢から決めた。ライトから強烈なスパイクをたたき込んだ。オポジットとしての役割を果たした。一度はアウトになった袴谷のスパイクも、チャレンジによって相手のブロックタッチが認められた。袴谷のバックアタックで18−19。1点差に迫った。柳澤も攻撃で活躍した。21−22となったところで、東レは2度目のタイムアウトを要求。あと一歩に迫ったが、最後は3連続失点を喫し、21−25で敗れた。

 またしてもホームで勝てなかった。悔しい敗戦だ。しかし、収穫はある。オポジットで入った袴谷が活躍した。浅野に代わって入った柳澤も、最低限の役割を果たした。「かなり悔しいです。でも、切り替えないといけないのはわかっている。今日の試合で出た課題は来週の練習に持っていって、まずは明日の試合に集中したい」。試合後、柳澤はこう話した。レギュラーラウンドはまだ始まったばかり。この悔しさは、次の試合で晴らせばいい。

アーマツ・マサジェディ監督

相手の攻撃に対する対策はしっかりと練っていたが、自分たちが集中し切れませんでした。細かいところを修正していれば、違う結果になっていたと思います。今日は相手の経験が勝っていた。ただ、途中から入った選手が頑張ってくれたのは大きな収穫。今日一番のポイントと言っていい。流れを変えてほしいと思って投入したが、よく頑張ってくれた。今日は負けたけどいい試合でした。気持ちを切り替えて、明日も勝つためにコートに入ります。ホームゲームでみんなと一緒に喜べるように頑張ります。

袴谷亮介

競り合っている時はジェイテクトSTINGSらしいバレーができていたが、最後は自分たちのミスが多かったと思います。逆に、相手が一つひとつのプレーを正確にやっていた。そこの差だと思うので、次の対戦までに修正したい。個人的には、オポジットにコンバートしてずっと練習してきたことをようやく出すことができたと思っています。負けてしまったけど、次につながる内容でした。今日はいいプレーを見せられたので、明日はスタートから出るチャンスもあると思う。たとえベンチからでも、チームを盛り上げて勝てるように持っていきたいと思います。

柳澤広平

第1セットをギリギリで落とし、第2セットも落としました。今までになかった展開で、押されている雰囲気でした。その状態でコートに入ったので、まずは得点が決まったら喜んで、みんなで盛り上げて、また得点を取りにいく姿勢を作ろうと思っていました。ただ、自分たちの力が足りず、最後は取り切ることができませんでした。個人的には、20点以降に強い選手にならなければいけないと思っています。スパイクで貢献するのが自分の役割。攻撃面でしっかりと活躍して、会場の皆さんと一緒に盛り上がる雰囲気を作っていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

積極的な采配で試合の流れを引き寄せる。次につながる一戦だった

これが今季のジェイテクトSTINGSの戦い方だと言っていいだろう。アーマツ監督は開幕前から、調子が上がらない選手は試合中にどんどん代えていくと明言していた。有言実行である。この日も、浅野に代えて柳澤を、カジースキに代えて松原を投入した。オポジットに入った袴谷は、持ち前のパワフルなスパイクでチームに流れを引き寄せた。辰巳もネット際に立ちはだかった。ベンチ入りメンバー14名のうち、廣瀬を除く13名がコートに立った。まさに総力戦だ。「いつも自分が出るつもりでやっています。呼ばれた時も、自分の仕事をやるだけだと思った。準備はいつでもできています」と袴谷。ここで得た経験は、レギュラーラウンドの後半、そしてファイナルへと必ずつながっていく。敗れはしたが、実りのある一戦だった。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ
第1セット 23 - 25
第2セット 22 ー 25
第3セット 21 ー 25
第4セット
第5セット
日付 2017年11月4日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第4戦
場所 ジェイテクトアリーナ奈良(橿原公苑第一体育館)
メンバー カジースキ、金丸、福山、清野、久保山、浅野 L興梠、本間
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