ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ

多彩な攻撃を展開して第1セットを奪取。失ったセットも、粘り強い守備を見せつけた

 開幕2連勝のチームがぶつかり合った豊田合成トレフェルサとの愛知ダービー。1レグのヤマ場とも言える一戦だ。公式戦で対戦するのは昨季のファイナル3以来とあって、立ち上がりからヒートアップの様相を呈した。

 カジースキの豪腕が炸裂した。1−3から立て続けに決めてリズムをつかんだ。清野のサーブも効果的だった。久保山のブロックが決まって3連続得点。一度はサイドアウトを切られたものの、今度は福山のブロックでブレイクを奪う。興梠、本間を軸に安定した守備から多彩な攻撃を展開し、8−6で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 その後もジェイテクトSTINGSが試合の主導権を握った。セッターの久保山が巧みにトスを散らし、浅野、清野が手堅く得点を重ねる。チャレンジが成功し、浅野のサービスエースが認められた。相手の強烈なサーブも、この日はレセプションに入ったリベロの興梠が正確にパスを返す。つないだボールをカジースキが相手コートにたたき込んだ。落ち着いた試合運びを見せたジェイテクトSTINGSが、4点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 終盤に入ってもジェイテクトSTINGSの集中力は途切れない。清野のブロックでブレイクしたところで、豊田合成は1回目のタイムアウトを要求。たたみかけたいジェイテクトSTINGSは、金丸の連続ブロックで21−15とリードを広げる。
 あとは確実にサイドアウトを切っていくだけだった。袴谷、渡邉を二枚替えで投入。ワンポイントで柳澤もコートに送り込んだ。最後は浅野のスパイクが決まって25−20。ジェイテクトSTINGSが第1セットを先取した。

 第2セットは、豊田合成の反撃を許した。序盤は一進一退。ジェイテクトSTINGSは福山の速攻などでリードを奪う。しかし、6−5から5連続失点。豊田合成のイゴールに立て続けにスパイクを決められた。豊田合成がこのセットからスタートローテーションを入れ替えたことも、ジェイテクトSTINGSには不利に働いた。相手の戦略に、スムーズに対応することができなかった。
 それでも逆転を目指して、粘り強く戦った。袴谷と渡邉を早めに投入して、試合のリズムを変えた。袴谷のスパイクでサイドアウトを切る。金丸もブロックを決めた。カジースキのサーブはチャレンジによって判定が覆り、エースが認められた。しかし、前半に開いた点差は大きく、20−25で第2セットを失った。

 1−1のタイで迎えた第3セット、立ち上がりはサイドアウトの応酬となった。どちらが先にペースをつかむか、激しい主導権争いが続く。ジェイテクトSTINGSは、久保山のトスワークが機能して、相手にマークを絞らせない。センター線の速攻を絡めた攻撃で、確実に得点を奪っていった。
 どちらも意地を見せた。床にボールが落ちない。久保山は中盤の大事な場面で清野にトスを集めた。それを次々と決め、チームの期待に応えた。僅差のまま試合は終盤まで進行した。19−19の場面で、相手にサーブで崩された。さらにサービスエースを決められて19−21。久保山のブロックなどで反撃するが、22−25で失セットを喫した。

 ダービーと呼ぶにふさわしい、熱のこもった一戦となった。第4セットも拮抗した。ジェイテクトSTINGSはカジースキのスパイクでサイドアウトを切った。浅野が抜群のタイミングで相手のスパイクに合わせてブロックポイントを奪う。久保山もそれに続いた。
 カジースキのスパイクミスなどで3連続失点を喫したが、タイムアウトですぐにペースを取り戻した。13−16となったところで、浅野に代わって柳澤が入った。エースナンバーの「7」を受け継いだ24歳が、ここから躍動する。サーブで攻めて、相手からミスを誘った。16−17と1点差に追い上げる。
 さらにカジースキのスパイクでサイドアウトを切ると、辰巳がコートに入ったところから3連続得点。清野のバックアタック、カジースキのブロックが決まった。21−20。ついに先行した。清野のスパイクで23−22。しかし、ここから3連続失点。最後は相手にサービスエースを決められて、23−25で敗れた。

 内容は紙一重だった。けっして悪い試合ではない。「勝てる試合だったので悔しい」と振り返ったのは金丸だ。アーマツ監督も「負けたけどいい試合だった」と内容を高く評価している。レギュラーラウンドはまだはじまったばかり。リベンジのチャンスは十分に残されている。まずはジェイテクトアリーナ奈良で行われる来週のホームゲームに向けて、もう一度、前を向いて進みたい。

アーマツ・マサジェディ監督

私たちのパフォーマンスは一試合一試合、よくなっています。たしかに結果は重要だけど、一番大事なのはファイナルまでにどれだけパフォーマンスを上げられるか。その意味でも、今日は全員がよく頑張った。流れを変えるために途中から投入した柳澤も、いいプレーも見せてくれた。大事な場面でコートに立って自信になっただろうし、彼も着実にステップアップしている。来週のホームゲームは、ファンの皆様に喜んでもらえるように、必ずいい試合をして勝ちます。

金丸晃大

相手はイゴール選手がかなりの打数を打っていました。それがわかっているのに、ブロックでタッチが取れなかったり、ディグが上がらない場面があった。しっかりボールをつながないと、今までと同じバレーになってしまうので、そこをもう少し詰めていきたいと思います。手の出し方やタイミングが重要です。レシーブができるタッチを目標に、ブロックの形、タイミングを突き詰めていきたい。来週のホームゲームも2連勝を目指して頑張ります。

久保山尚

第2セットから相手がマッチアップを変えてきたことで、自分たちが我慢できなくなりました。トスワークに関しては、序盤から中盤にかけて後手に回っている部分があったので、リスクを伴いながらも先手を取れるようにしていきたい。アーマツ監督が指揮を執るようになってシステムも変わり、わかっているのにできていない部分もまだあります。他のチームもこれからレベルアップしてくるので、今のシステムを自分たちのものにできるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

好調なブロックがチームの守備レベルを引き上げている

3試合を終えてブロックが好調だ。数字にも表れている。個人ランキングで、金丸が2位。今日の試合で4本、3試合のセット平均で0.91本のブロックを決めている。対角の福山も8位に入るなど、相手のアタッカーに懸命に食らいついている。「サイド陣の位置取りがいいことが一つの要因です。また、相手がAパスを返してくると、さすがに僕もブロックにつきづらい。その点、みんながサーブで攻めてくれるので、相手が崩れる分、アタッカーに寄りやすくなっています。それが、得点にもつながっていると思います」と金丸。今季は新たなブロックシステムにも取り組んでいる。細かな約束事が非常に増えたというが、ここまではレシーブとの連携も良好だ。さらに突き詰めていけば、ジェイテクトSTINGSにとって大きな武器になるに違いない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ
第1セット 25 - 20
第2セット 20 ー 25
第3セット 22 ー 25
第4セット 23 ー 25
第5セット
日付 2017年10月29日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第3戦
場所 小牧市スポーツ公園総合体育館(パークアリーナ小牧)
メンバー カジースキ、金丸、福山、清野、久保山、浅野 L興梠、本間
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