ジェイテクトSTINGS VS FC東京

立ち上がりは硬さがあったものの、徐々に本領を発揮。興梠、本間のWリベロが守備で安定感を見せる

 スコア以上に苦しんだ試合だった。レギュラーラウンドの第2戦はFC東京と対戦。終わってみればストレートだが、点差はいずれも最小得点差の2点だ。「けっして簡単な試合などない」とアーマツ監督は言う。特に第1セットはどちらに軍配が上がってもおかしくない展開だった。

 最初のテクニカルタイムアウトを、ジェイテクトSTINGSは2点のビハインドで迎えた。カジースキのスパイクが立て続けに止められた。サービスエースも決められた。勢いでは、完全にFC東京が上回っていた。
 反撃の口火を切ったのは、金丸の速攻だ。さらにブロックでプレッシャーをかけ、相手からミスを誘う。テクニカルタイム明けから4連続得点で10−8と逆転に成功。このままペースをつかむかに思われた。しかし、FC東京の高いブロックの前に、今度は清野のスパイクが止められる。それでも久保山のブロック、清野のスパイクでブレイクポイント。カジースキもバックアタックを決め、16−14で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 調子を上げてきた浅野も、相手コートの空いたスペースにスパイクをたたき込む。20−19となったところで、袴谷、渡邉を二枚替えで投入。一度はサイドアウトを切られたが、浅野のスパイク、福山の速攻などで3連続得点。浅野のスパイクで24−22とセットポイントを奪った。
 しかし、死闘はここからはじまる。24−24の同点に追いつかれると、ジュースにもつれ込んだ。ジェイテクトSTINGSは清野、久保山をコートに戻すが、相手にブレイクポイントを奪われて追いかける展開に。相手のセットポイントを3度もしのいだ。カジースキが決めてアドバンテージを奪った。30−29。相手のスパイクがアウトになって第1セットが終わったかに思われた。しかし、FC東京が要求したチャレンジが成功し、再び30−30の同点に追いつかれる。金丸の速攻で32−31。最後は清野のブロックで第1セットを先取したが、内容は紙一重だった。

 第2セットもFC東京に先行を許した。しかし、守備が安定したジェイテクトSTINGSは大崩れすることがなかった。この日は、2人のリベロの役割が変わった。興梠がディグで入り、本間がレセプションで入った。いつもとは逆のパターンだ。しかし、守備での集中力は高かった。全員が懸命にボールに食らいついた。
 中盤に差し掛かり、ジェイテクトSTINGSが反撃に出る。清野がレフトからキレのあるスパイクを決めた。金丸の速攻でサイドアウトを切った。カジースキが連続でスパイクを決めて12−12の同点に追いついた。
 浅野も意地を見せた。上がってきたトスを渾身の力で打ち込んだ。好レシーブからカジースキのスパイクにつなげた。ノータッチエースも決めるなど、4連続得点で19−17と逆転した。さらにカジースキのブロック、清野のスパイクで3連続得点。二枚替えで入った袴谷のスパイクでセットポイントを奪うと、最後は相手のサーブがミスになり、ジェイテクトSTINGSが2セットを連取した。

 第3セットはジェイテクトSTINGSが走った。福山の速攻、カジースキのスパイクでブレイクポイント。セッターの久保山が巧みにトスを散らして攻撃を組み立てる。浅野が決めてサイドアウトを切ると、金丸のブロックで7−4。2点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 その後は互いに1点ずつを取り合う展開。カジースキのスパイクでラリーを制すと、12−9とリードを広げる。清野のスパイクはアウトになったかに思われたが、チャレンジが成功して14−11。ジェイテクトSTINGSが粘り強く試合を進めた。
 しかし、カジースキ、清野のスパイクが止められて4連続失点。このセット初めてのタイムアウトを取る。金丸の速攻、清野のブロックで流れを取り戻した。一度は2点のリードを許したが、カジースキのノータッチエースで20−20の同点。我慢の時間が続く。再び2点のリードを許すと、久保山、清野をコートに戻して反撃に出る。
 金丸の速攻でサイドアウトを切ると、浅野が決めて23−23。さらに清野のスパイクで逆転し、マッチポイントを奪う。試合を決めたのは金丸だ。ブロックで相手のスパイクをたたき落とし、4連続得点で一気に試合を決めた。

 開幕2連勝だ。内容もいい。「ここまで全員がうまくやってくれている。交代の機会は少ないが、全員がしっかりと準備してくれている。いいサポートがあるから、スタートからコートに立つ選手は緊張することなく試合に臨めている」とアーマツ監督。しかし、本当のスタートダッシュと呼ぶのはまだ早い。重要なのは明日の豊田合成戦だ。愛知ダービーを制して、一気に流れをつかみたい。

アーマツ・マサジェディ監督

選手一人ひとりが自分の役割を果たしたことが、今日の勝利につながりました。FC東京も非常にモチベーションが高く、私たちを苦しめた。我慢の時間が続く中、「ミスのないように戦おう」と話した通り、選手たちがよくやってくれたと思います。もちろん課題はありますが、ファイナル6まではしっかりステップアップしていきたいと思います。

清野真一

はじめは硬かったけど、試合が進むにつれて相手のブロックが見えるようになって、体のキレも出てきました。終盤になれば、相手は必ずマテイ(カジースキ)をマークしてきます。そこで僕がライトからスピードのあるスパイクを決めたらマテイも楽になる。これからも、自分が取れるところで、点を取っていきたい。明日の豊田合成戦は、STINGSらしいバレーができるように頑張ります。

本間隆太

苦戦はしましたが、セットを取られずに勝ち切れたことは、自信につながると思います。レセプション時だけでコートに立つのは初めてだと思いますが、最初はリズムを作るのが難しかったです。相手はビッグサーバーが多かったので、サービスエースを取られないことを最優先に考えました。明日の豊田合成戦に勝てば、勢いに乗れる。チームの勝利を最優先に考えて頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

役割が変わったWリベロの活躍がチームを勝利に導いた

リベロの役割が変わった。これまでも、興梠と本間が入れ替わりでコートに立つことはあった。しかし昨季は、興梠がレセプション時に、本間がサーブ時に入っていた。お互いの長所を生かした形だ。それが今日の試合では、興梠がサーブ時に、本間がレセプション時に入っていた。今までの逆パターンである。アーマツ監督は言う。「2人ともしっかりと役割を果たしてくれている。数字を見てもまったく問題ない。言ったのは、『今日はレセプションだけに集中してほしい』あるいは『今日はディグだけに集中してほしい』ということだけ。もちろん、どちらかの調子が悪ければ、1人でいくかもしれない」。その期待に応えるように、守備は落ち着いていた。言い換えるなら、チームはまだ成長過程にあるということだ。それもまた、今季のジェイテクトSTINGSの魅力である。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS FC東京
第1セット 33 ー 31
第2セット 25 ー 23
第3セット 25 - 23
第4セット
第5セット
日付 2017年10月28日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第2戦
場所 小牧市スポーツ公園総合体育館(パークアリーナ小牧)
メンバー カジースキ、金丸、福山、清野、久保山、浅野 L興梠、本間
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