ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

カジースキの活躍で第1セットを奪取。しかし、頼みのエースが対策されると、第2セット以降は攻撃の幅を失う

 いよいよファイナル6が幕を開けた。ここからは一戦一戦の重みがよりいっそう増す。初戦の相手は、レギュラーラウンド4位のサントリーサンバーズ。5位のジェイテクトSTINGSが勝点3を獲得すれば、3位まで浮上する可能性がある。チームのモチベーションは、いやがうえにも高まっていた。

 絶対に負けられない。その気持ちは、ジェイテクトSTINGSの布陣にも表れていた。ミドルブロッカーの辰巳が、今季初スタメンを果たしたのだ。試合は、その辰巳のサーブからはじまった。頂点を目指す戦いがスタートした。
 いきなり3連続失点を喫したジェイテクトSTINGSだが、金丸のブロックや速攻ですぐに取り返した。高橋(和)、辰巳のスパイクでサイドアウトを切った。1点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを折り返したが、試合の入り方はけっして悪くなかった。
 その後もジェイテクトSTINGSはサイド陣を軸に得点を重ねていく。セッターの高橋(慎)も巧みにトスを散らした。しかし、11−10から4連続失点。カジースキのスパイクが立て続けに封じられた。それでも、カジースキは崩れない。果敢にトスを呼び込み、高い打点から強烈なスパイクを打ち下ろす。均衡を破ったのもカジースキだった。強烈なスパイクを次々と決めて20−20の同点に追いついた。
 22−22の場面では高橋(和)の渾身のブロックが決まってついにリード。ジュースにもつれ込むが、古田のスパイクでアドバンテージを奪った。最後は相手のミスを誘って26−24で第1セットを先取した。

 勢いを第2セットにもつなげたかった。しかし、立ち上がりに3連続失点を喫し、5−8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。さらにサーブレシーブの乱れもあって4連続失点。6−12とビハインドが大きく広がった。
 9−17となったところで古田から清野にスイッチ。一進一退の展開に持ち込んだが、序盤に開いた点差は大きく、13−25でこのセットを失った。

 第3セットに入ると、ジェイテクトSTINGSが再び息を吹き返した。金丸のブロックが冴えた。カジースキもスパイクを決めた。粘り強く戦い、ラリーも制した。序盤で3連続得点。このセットのスタートから入っている久保山のトスワークも功を奏した。8−4で1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 しかし、古田、辰巳のスパイクが立て続けに止められて、9−5から5連続失点。タイムアウトでも流れを断ち切れず、ジェイテクトSTINGS追いかける形で試合が進行した。
 反撃のきっかけをつかんだのはカジースキだった。12−15の場面でサーブが回ってくると、サービスエースでブレイクポイントを奪う。さらに高橋(和)のスパイクでサイドアウトを切ると、久保山がサーブで効果的に相手を崩した。古田のブロックも決まって3連続得点。17−17の同点に追いついた。
 チャンスはあった。しかし、サービスエースを決められて連続失点。細かいミスが響いて19−22とビハインドが3点に広がった。金丸のブロックで1点差に迫るが万事休す。22−25で第3セットを失った。

 セットカウント1−2。あとがなくなった。しかし、第4セットもジェイテクトSTINGSは攻めた。金丸の速攻、カジースキのサービスエースで4−3と逆転。2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、高橋(和)のスパイク、辰巳のブロックなどで3連続得点を奪い再び逆転に成功する。
 9−9となったところで、高橋(和)に代わって浅野がコートに入った。しかし、ここからサイドアウトが切れない。相手の狙い澄ましたサーブがカジースキの足を止めた。9−12となったところで1回目のタイムアウトを要求。さらに清野をコートに送り込んだ。しかし、流れは変わらず、9−13とビハインドが広がった。
 後半はサイドアウトの応酬、互いに1点を取り合った。ジェイテクトSTINGSは、フレッシュな清野、浅野が立て続けに決めた。カジースキも粘り強く強打をたたき込んだ。金丸のブロックで20−22と点差を縮めた。しかし、ジェイテクトSTINGSに傾きかけた流れも、サントリーのタイムアウトによって断ち切られた。カジースキがサーブで攻めて22−24。追撃及ばず、22−25で敗れた。

 悔しい敗戦だ。3位に浮上したサントリーとの勝ち点差は「4」に広がった。しかし、まだ終わったわけではない。高橋(和)は言う。
「レギュラーラウンドの最終戦から2週間空いたが、技術的なところは修正できた。最優先でつくらなければいけないのは気持ち。ずるずるいかないように、気持ちを切り替えて次の試合に臨みたい」
 来週は上位との対戦が続くが、ここで2連勝すればファイナル3に進む可能性は大きく広がる。下を向いている暇はない。ただ、前に進むのみだ。

増成一志監督

自信を持って今日のサントリー戦に臨み、選手たちはよく戦ってくれました。ただ、相手の気迫ある、また精度の高いプレーに、受け身に回ってしまったところがありました。第1セットは、最後の粘り強いプレーでなんとか取れたが、相手のミスに助けられたところもある。第2セット以降、なにかを変えないといけないと思い、セッターを代え、浅野を最後に送り込みました。古田も最後に代えたが、相手は非常に精度が高く、高さのある選手が頑張らないと勝利はつかめないと感じました。来週以降の4試合をしっかりと戦えるように、もう一度、選手たちと準備をしていきたいと思います。

古田史郎

試合の入り方はよかったと思います。ただ、もう少しライト側からの攻撃が機能していれば、もっと楽な展開になっていたと思う。相手もミスが多かったし、こちらが対策してきたこともある程度は出すことができた。個人的には気持ちと体が空回りして、最後まで調整し切れませんでした。そこは、次に向けてしっかりと修正したい。今日負けたからといって。僕らが歩みを止めることはありません。一戦一戦ベストを尽くし、まずは自分たちが納得できるプレーをすること。自信をこれからの試合にしっかりとつなげられるように、来週も頑張ります。

辰巳正敏

先週あたりから自分がスタメンでいくかもしれないと聞いていたので、しっかりと準備をして入ることができました。体の調子も悪いわけではありません。しかし、準備してきたことを試合で生かすことができませんでした。それでも、粘り強さは3レグよりも出ているし、ラリーも取れています。大事なのは、ミドルブロッカーの決定力を上げること。最後のところで決め切れず、そこを結局、出すことができませんでした。来週に向けて、まずはコンディションを整えること。短い時間ですが、細かいところを修正することも大事です。連敗が続いているので、勝って勢いをつけられるように、みんなで頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

原点回帰。今こそ日本人選手が踏ん張るときだ

カジースキが狙われた。もちろんこれまでにもカジースキが狙われることは何度もあった。だから、ジェイテクトSTINGSは日本人だけでも戦えるチーム力を培ってきた。しかし、今日ばかりはサントリーの精度が大きく上回っていた。レセプションだけではない。カジースキがスパイクを打つときも、サントリーは必ずディグが得意な選手をコース上に配置していた。「カジースキはブロックを見ながら打つことができるが、サントリーはレシーブのいい選手がボールをあげるパターンが随所に見られた。サントリーは非常に精度の高いバレーをしていた」と増成監督。同じ轍を踏んではいけない。残り4戦。失った勝点3は、来週の大阪で取り戻さなければいけない。原点回帰。日本人選手の奮闘に期待がかかる。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 26 ー 24
第2セット 13 ー 25
第3セット 22 ー 25
第4セット 22 ー 25
第5セット
日付 2017年2月18日(土)
試合 V・プレミアリーグ ファイナル6 第1戦
場所 小牧市スポーツ公園総合体育館(パークアリーナ小牧)
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(慎)、高橋(和)、辰巳 L本間
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