ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

総力戦で挑むが、堺の高いブロックに跳ね返されて第3セットを逆転で落とす。それでも、全員が最後まで全力で戦い抜いた

 昨日のJT戦でファイナル6の進出を決めた。次の現実的な目標は、4位でレギュラーラウンドを終えることだ。現在、4位のサントリーとの勝点差はわずかに「1」。サントリーとの直接対決を来週に残しているが、まずは一つずつ確実に勝っておきたいところ。しかし、この日の堺ブレイザーズとの一戦は、ジェイテクトSTINGSにとって苦しい展開になった。

 立ち上がりの内容は悪くなかった。廣瀬の速攻や古田のブロックでサイドアウトを切った。カジースキがサーブで攻め、金丸のブロックなどで3連続得点。ジェイテクトSTINGSが優勢に試合を進めるかに思われた。
 しかし、テクニカルタイムアウトを挟んで6連続失点。高橋(和)、古田のスパイクが堺の高いブロックにつかまった。ラリーを競り落としたことも響いた。5−10となったところで増成監督は早くも1回目のタイムアウトを要求した。
 カジースキのバックアタック、廣瀬の速攻などで得点を重ねるが、なかなかブレイクポイントにつながらない。8−13となったところで、高橋(和)に代えて浅野を投入。守備を立て直し、攻撃を活性化させた。一時は古田の活躍などで12−15と3点差に迫る。しかし、細かいミスが重なって、ここから4連続失点。金丸の速攻で1点を返すが、その後にまた3連続失点を喫した。
 セッターを久保山から高橋(慎)に代えた。浅野もスパイクを決め、古田のブロックでブレイクポイントを奪った。しかし、大きく流れを変えることはできず、17−25で第1セットを失った。

 ジェイテクトSTINGSに焦りはなかった。第2セットに入ると本領を発揮。カジースキのスパイクでサイドアウトを切り、古田がサーブで相手のミスを誘ってブレイクポイントを奪う。金丸の速攻や浅野のスパイクで着実に得点を重ね、古田が決めて8−6で1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 一気にたたみかけたいジェイテクトSTINGSは、カジースキ、古田、浅野のサイド陣が活躍。守備ではリベロの興梠を軸に、安定感を発揮していた。
 中盤は互いに1点ずつを取り合った。均衡を破ったのはカジースキだ。さらに古田のスパイクでラリーを制し、20−15とリードを広げる。久保山、福山を2枚替えで投入すると、金丸が2本連続でブロックポイントを決めて完全にリズムをつかんだ。最後は相手のサーブミスもあり、リードをキープしたまま25−18で第2セットを取り返した。

 第3セットの入り方も悪くなかった。廣瀬の速攻でジェイテクトSTINGSが先制。古田、カジースキが続けて決めて、4−2とリードした。浅野の巧みなスパイクなどで、2点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを折り返す。カジースキが決めて9−6。しかし、この日のジェイテクトSTINGSはここからが続かない。3連続失点で9−9に追いつかれたところで、増成監督は廣瀬に代えて辰巳をコートに送り込んだ。
 一進一退の展開が続く。ジェイテクトSTINGSはカジースキにトスを集めて、我慢強く得点を重ねた。崩れたボールも、うまく相手のコートに落とした。カジースキが決めてジェイテクトSTINGSが21−19とブレイク。堺が1回目のタイムアウトを要求する。24−21で先にセットポイントを奪った。
 ここで、流れが変わった。立て続けに失点し、24−24の同点に追いつかれた。さらにラリーを取られて24−25と逆転を許す。カジースキのスパイクで相手に傾きかけた流れを断ち切った。しかし、堺に勢いで押し切られ、25−27でこのセットを失った。

 土壇場でセットを失った。気持ちを切り替えるには、セット間の時間はあまりに短すぎた。第4セットの立ち上がり、3連続失点で2−6となったところで早くも1回目のタイムアウトを消化した。
 奮起したのが古田だ。気迫のこもったプレーで長いラリーを制した。何度もトスを呼び込んで得点を重ねた。
 サイドアウトの応酬が続いた。全員が懸命にボールを追いかけた。しかし、点差が縮まらない。辰巳のサービスエースで17−19。古田も粘り強く得点を重ねた。終盤には、古田のスパイクが決まったかに思われたが、相手のチャレンジが成功。18−23とビハインドが5点に広がった。古田のスパイクでサイドアウトを切るが、反撃及ばず19−25。セットカウント1−3で敗れた。

 4位のサントリーとの勝ち点差は「4」に広がった。レギュラーラウンドを4位で通過するには、来週のホームゲームで2連勝することが絶対条件だ。土曜日に行われるサントリーとの直接対決に向けて、チームの士気は一段と高まった。
「1点の重みをもう一度、感じなければいけない。第3セットを取り切れなかったのには、それなりの原因がある。そこをしっかり修正して、来週のホームゲーム、そしてファイナル6に臨みたい」
 敗れはしたが、チームに下を向く選手は一人もいない。V・ファイナルステージでの躍進に向けて、増成監督はまっすぐ前を見据えた。

増成一志監督

第3セットの終盤につきます。総力戦で、全員が全力で戦った。浅野もいいリズムでプレーし、彼が持っているすべてを出してくれたと思います。それが第2セットを取れた要因。高橋(慎)も高い意識を持っている。チームにとって頼りになる2人の選手が帰ってきた。代わりに入った選手が活躍して第2セットを奪い、第3セットも終盤までいい形で持っていけたことは今後につながります。来週はレギュラーラウンドの最終週。最後まで諦めず、今日のように粘り強くボールを追いかけたい。全員が一つのボールに対して執着心を持って戦うこと。ホームゲームの2戦で、執念を出し切りたいと思います。

金丸晃大

けっして悪い内容ではなく、ディグも上がっていたし、ラリーも続いていました。ラリーを取れるか、逆に取られるかの差。第3セットを取り切れていたら、自分たちの勝利につながっていたと思います。2レグの後半から3レグにかけて、チームとしてブロックの本数は減ってきています。逆に相手にブロックされる本数が多くなってきた。そのへんは修正が必要だと思います。昨日の試合でファイナル6を決めましたが、自分たちの目標はそこではありません。来週は絶対に2試合とも勝って、4位通過したい。今季はホームゲームで勝てていないので、絶対に2試合とも勝ちたいと思います。

浅野博亮

第1セットの途中からコートに入りましたが、チームのムードがよくなかったので、流れを変えたいと思っていました。第3セットの終盤は、自分がシャットされたあとに古田さんがミスをした。いい点の取られ方じゃなかった。トータルで見ても、個人的にはダメダメです。スパイクも決まっていないし、ブロックでも止められていた。そこをしっかり修正したいと思います。試合のなかで疲労がたまってきても、自分の体をしっかりとコントロールできるようになりたい。来週は順位を上げるためにも絶対に勝たなければいけません。ホームゲームなので、応援を力に変えてがんばります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

ラリーで競り負け、第3セットを失セット。リバウンドを取り切れなかった

勝負に「たら、れば」は禁物だが、第3セットを取り切っていれば試合の結果は逆になっていてもおかしくなかった。24−21と先にセットポイントを奪った。相手にサイドアウトを切られると、続くプレーで浅野のスパイクがシャットアウトされた。古田がライトから放ったスパイクはエンドラインを割った。これで24−24。懸命にボールをつないだが、ラリーで競り負けて逆転を許す。カジースキがバックアタックで取り返したが、あと1点が遠かった。「ディグや二段トスの精度もあるし、リバウンドがうまく取れなかったというのもある」と金丸。スパイクをわざと相手のブロックに当て、返ってきたボールでもう一度、攻撃を組み立て直す。このリバウンドが機能せず、なかなかラリーを奪うことができなかった。だが、敗れはしたが、幸いにも来週はホームゲームだ。大声援の後押しを受けてしっかり2連勝し、弾みをつけてファイナル6に臨みたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 17 ー 25
第2セット 25 ー 18
第3セット 25 - 27
第4セット 19 ー 25
第5セット
日付 2017年1月29日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第19戦
場所 北九州市立総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L興梠
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