ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ

ブロックとレシーブの関係が機能し、粘り強くボールをつなぐ。サーブレシーブも安定し、多彩な攻撃を発揮した

 重要な一戦である。先週の三島大会でパナソニック、FC東京に敗れ、連敗は「4」に伸びていた。これ以上、黒星を重ねるわけにはいかない。さらに、今日のJTサンダーズ戦に勝てば、ファイナル6に進出が決まる。プレッシャーがかかる条件はそろっていた。しかし、ジェイテクトSTINGSは立ち上がりから会心の試合運びを見せた。

 カジースキのスパイク、高橋(和)のノータッチエースで先手を取った。金丸、廣瀬を軸にブロックも安定し、ワンタッチを取ってつないだボールを確実に得点につなげる。さらにカジースキのサーブと金丸のブロックでプレッシャーをかけて相手のスパイクミスを誘い、4点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 その後もセッターの久保山が巧みにトスを散らして攻撃を展開。さらに今日はスタートからコートに立っているリベロの興梠が、チームの守備を安定させる。苦しい場面でも声を出してチームを鼓舞した。一時は13−14とリードを許すが、イニシアチブは完全にジェイテクトSTINGSが握っていた。
 古田、高橋(和)、カジースキのサイド陣が粘り強く得点を重ねた。さらにサーブで後衛に回った廣瀬がレシーブで活躍。金丸がつないだボールを高橋(和)が決めて再び逆転に成功する。さらに古田のサービスエースでブレイクポイントを奪い21−19とリード。土壇場で同点に追いつかれるが、廣瀬の意地の一発で25−24。最後はカジースキが決めて、26−24で第1セットを先取した。

 第2セットもジェイテクトSTINGSが立ち上がりから走った。古田がスパイク、サーブで活躍。レシーブでも抜群の反応を見せる。5−4でカジースキにサーブが回ってくると、2本のサービスエースを含めて4連続得点。高橋(和)もキレのあるスパイクをたたき込み、ジェイテクトSTINGSが完全に勢いをつかんだ。
 廣瀬のブロックが決まって12−5となったところで、JTは早くも2回目のタイムアウトを消化。その後もジェイテクトSTINGSがカジースキのダイレクトスパイクや廣瀬のブロックなどでたたみかけ、16−9で2回目のテクニカルタイムアウトを奪った。
 一時は3連続失点で4点差まで追い上げられるが、タイムアウトで嫌な流れを断ち切った。古田のスパイクでラリーを制して21−16。興梠も好カバーを見せた。カジースキのブロックでブレイクポイント。浅野を投入して守備を固めると、金丸の速攻でフィニッシュ。25−18でジェイテクトSTINGSが2セットを連取した。

 理想通りの展開でジェイテクトSTINGSが勝利に王手をかけた。第3セットもカジースキのスパイク、古田のサービスエースで5−2とリードした。崩れたボールは高橋(和)が確実に決めた。劣勢に立たされても、慌てることなく試合を進めた。大事な場面では身を投げ出してボールをつないだ。
 久保山が右手一本で上げたトスを廣瀬が決めた。カジースキがブロックを決めると、廣瀬のサービスエースで3連続得点。13−8とリズムをつかんだ。16−10から4連続失点を喫したが、カジースキの強烈なバックアタックが炸裂した。しかし、ラリーを取り切れず3連続失点。18−17と1点差に迫られた。
 ここで踏ん張ったのが高橋(和)だ。相手のスパイクを渾身のブロックでシャットアウト。さらにネット際に上がったボールをダイレクトでたたき込んだ。22−17。しかし、ここから勝利までが遠かった。相手にサービスエースを決められるなど4連続失点。流れを変えたのが22−21の場面で入った辰巳だ。相手のスパイクをブロックで止めてマッチポイント。最後は相手のスパイクがラインを割り、25−21で粘るJTを振り切った。

 完璧な試合内容だった。会心の勝利でファイナル6進出を決めた。先週までの嫌な流れも払しょくした。
「ブロックとレシーブの関係がよくなった。ただ、試合の運び方にまだ荒さがあり、ラリーももっと取らなければいけない。相手に無駄な点を与えて、自分たちで苦しんでいるところがある。そういうところを修正したい」
 ファイナル6に向けてこう語った増成監督。レギュラーラウンドはあと3試合。これまで培ってきたことのすべてをぶつけたい。

増成一志監督

選手たちは先のことを考えず、とにかく今日のJT戦に全力で臨んでくれました。それによって、前半からいいバレーができたと思います。まだまだ後半の甘さはあるが、サーブで崩してブロックで相手にプレッシャーをかけることができました。先週の負けたFC東京戦は、5セットで23本のサーブミスがありました。極端に言うと、1セット分の点数をサーブのミスで与えたということ。この1週間、敗因をしっかり受け止めて、一人一人が集中してサーブの練習に取り組んできました。今日のようなバレーができるように、明日の一戦に臨みたいと思います。

興梠亮

(スタメンに入るかどうかは)週のなかばまでわからなかったけど、準備はしっかりとやってきました。九州での開催ということで親や知り合いも来ていたので、勝ててよかったです。スタメンで出るのは今季初めてだったので緊張もありましたが、試合が進むにつれてモチベーションも高くなってきた。自分の取り柄はサーブレシーブと必死に食らいつくレシーブ。まずは自分の役割をしっかりやろうと決めていたので、それができてよかったです。練習のときからチームのキレもよかったので、今週はいけると思っていました。今日の勝利が明日にもつながるように、しっかり準備して臨みたいと思います。

マテイ・カジースキ

今日の一戦が重要だということは理解していました。最後まで集中することを意識したが、今季のなかでいちばんいい試合だったと思います。今日に限ったことではなく、ふだんからサーブはできるだけリスクを負うようにしています。難しい試合が続くが、これからもいいサーブを打っていきたい。レギュラーラウンドの残り3試合もリラックスしてプレーすることが大事です。上位と対戦するときも、プレッシャーを感じずに戦うこと。この調子をキープして、より高い順位でレギュラーラウンドを終わらせられるようにがんばります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

リベロの興梠がサーブレシーブで安定。チームの多彩な攻撃につなげた

サーブレシーブの安定を勝因にあげたのはカジースキだ。「相手のサーブをしっかり取れていたことで、チームが自信を持ち、全員がリラックした状態でプレーしていた」。公式記録によると、そのカジースキのサーブレシーブ成功率は77.8パーセントでチームトップ。リベロの興梠が70.0パーセント、高橋(和)が68.8パーセントで続いている。増成監督も「興梠はフローターサーブのスペシャリストと言っていい。興梠がベンチにいるだけで、チームが安心する。今日は自信を持ってコートに立ってくれたことで、チームの層の厚さが見られた」と太鼓判。守備が安定したことで、幅のある攻撃を展開した。本間のコンディションが戻ってくれば、再びレベルの高いポジション争いが見られるだろう。そうなれば、ジェイテクトSTINGSが簡単に崩れることはない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ
第1セット 26 ー 24
第2セット 25 ー 18
第3セット 25 ー 21
第4セット
第5セット
日付 2017年1月28日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第18戦
場所 北九州市立総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L興梠
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