ジェイテクトSTINGS VS FC東京

立ち上がりからリズムをつかめず第1セットを失セット。粘り強く2セットを連取したが、勝負どころで得点を取り切れなかった

 絶対に負けられない一戦、しかし、試合はFC東京のペースでスタートした。廣瀬、古田のスパイクが立て続けに止められて、先制点を与えた。カジースキにトスを集めてサイドアウトを切るが、なかなかブレイクポイントが奪えない。相手にサービスエースを決められて、6−9とビハインドが3点に広がった。試合の流れは、両者の間を激しく行き来した。
 古田がサーブで攻め、カジースキのブロックでようやくブレイク。しかし、今日のジェイテクトSTINGSはこのあとが続かない。セッターの久保山がトスを散らし、金丸の速攻、高橋(和)のスパイクなどで粘り強く得点を重ねたが、完全に流れを引き寄せるにはいたらなかった。
 20−23となったところでジェイテクトSTINGSは1回目のタイムアウトを要求。高橋(和)のファインプレーからカジースキが決めて、再び1点差に迫る。辰巳をワンポイントブロッカーで投入すると、古田が豪快にサービスエースを決めてついに24−24の同点。反撃に出たが、カジースキのスパイクがアウトになり24−26で第1セットを落とした。

 ジェイテクトSTINGSの反撃がはじまったのは、第2セットに入ってからだ。高橋(和)がサーブで攻めて、相手からミスを誘った。本間もサーブレシーブで安定感を発揮。金丸、カジースキのスパイクなどで7−2とリードを広げた。高橋(和)が気迫のこもったプレーを見せた。豪快なスパイクを連続でたたき込む。カジースキのパイプ攻撃も機能し、着実に得点を重ねた。
 しかし、古田のスパイクが止められて、12−12の同点に追いつかれた。アップゾーンでは清野の準備が加速化した。久保山の得点などでリードをキープしてきたが、15−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 ここでミドルブロッカーが廣瀬から辰巳にスイッチ。その辰巳のスパイクなどで我慢強く追いかける。しかし、3連続失点で18−22。清野がコートに入ったが、チームは土俵際に追い込まれていた。
 チームが一丸となったのはここからだ。カジースキの連続得点で20−22。いったんはサイドアウトを切られるも、高橋(和)のスパイク、金丸のブロックなどで3連続得点を奪い、23−23の同点に追いつく。相手に2度もセットポイントを奪われたが、けっして諦めなかった。カジースキのスパイクで25−25とすると、相手のスパイクがアウトになってついにリード。最後は高橋(和)が決めて、セットカウントを1−1のタイに戻した。

 第3セットも本調子を取り戻したジェイテクトSTINGSが、終始リードを奪った。序盤こそ1−3とリードされたが、高橋(和)、カジースキのサイド陣が活躍して7−6とスコアをひっくり返す。
 そこから逆転を許すが、9−11から怒濤の6連続得点でジェイテクトSTINGSが再び主導権を握った。ポイントになったのが、ジェイテクトSTINGSの10点目だ。カジースキのスパイクでようやくラリーを制した。そこから勢いをつかみ、辰巳のサービスエースや金丸のブロックで加点。清野もほしかった1点をようやくつかんだ。
 終盤は辰巳の速攻や高橋(和)のスパイクなどで3連続得点。23−18とこのセットの趨勢を握った。あとは落ち着いて試合を進めるだけだった。ジェイテクトSTINGSは浅野を投入して守備を固めた。しかし、そこから3連続失点を喫し24−23。最後はカジースキのスパイクで締めくくったが、紙一重の内容だった。

 ジェイテクトSTINGSは第3セットと同じメンバーで第4セットに臨んだ。清野、辰巳がスタートからコートに立った。声を出してトスを呼び込み、チームを盛り上げた。一進一退の展開が続いたが、23−22から連続失点を喫し、逆にセットポイントを与えた。辰巳の速攻で2度のピンチを乗り切ったが25−27。このセットを落とし、勝負の行方をフルセットに持ち込まれた。

 第5セットは、気迫と気迫のぶつかり合いだ。ジェイテクトSTINGSはカジースキのスパイク、金丸のブロックで先行した。高橋(和)もブロックを決めて6−5とリードを奪った。
 気を吐いたのがカジースキだった。軟打と強打を織り交ぜながら一人で3連続得点を奪った。12−10と逆転に成功。ジェイテクトSTINGSが14−13で先にマッチポイントを奪った。しかし、壮絶な試合の行方は、最後に逆転を許して14−16。フルセットの死闘の末に、FC東京から初黒星を喫した。

 すべてのセットが2点差。しかも、5セットのうち4セットがジュースにもつれ込んだ。
 悔しい敗戦だった。涙を浮かべる選手もいた。増成監督も無念の表情を浮かべた。「こういう戦いをすることでチームは強くなっていく。選手はそう思わなければいけないし、私自身も貴重な経験になった。まずは来週のJT戦に向けて準備をし、しっかり勝ってファイナル6に進む権利を得たいと思います」。レギュラーラウンドはまだ終わったわけではない。大事なのは、気持ちを切り替えること。この敗戦を糧にするためにも、這い上がらなければいけない。

増成一志監督

昨日のパナソニック戦とは違ったプレッシャーが選手にはあったのかもしれません。ただ、スタートから出ていた選手、そして、あとから出た選手は全力で戦ってくれた。勝たせてあげたかったが、負けた責任は監督にあります。誰よりも選手が悔しい思いをしているはずなので、これからの練習で残りの試合にかける思いをしっかりと出してくれると思います。私は選手を信用しています。今日の負けをいい方向に替えて、強いチームを作っていきたい。この悔しさをしっかりと噛み締めて、レギュラーラウンドの残りの4試合を戦いたいと思います。

清野真一

悔しいです。チームとしてうまく回っていないところがあったので、途中から入った自分がしっかりと声を出して、少しでもチームの力になれたらと思っていました。スパイクを決める場面もあったけど、やはり失点をしてはいけません。ミスだったり、スパイクをシャットアウトされることがあったので、気持ちとしては悔いが残ります。僕は古田さんのように豪快に得点を取るタイプじゃないので、ミスを少なくしてしっかりと得点を重ねることを意識していきたい。またコートに立つ機会があれば、自分らしく思い切ってプレーしたいと思います。

久保山尚

いい部分があれば悪い部分もあったけど、取れるところで得点が取れませんでした。レシーブが上がっているのにあわててトスを上げてしまい、相手にブロックで得点される場面もありました。途中から入ってきた選手をうまく乗せるのも自分の役目。そこはこれからも意識したいと思います。また、昨日のパナソニック戦を含め、この2試合はブロックとレシーブの関係が機能していません。来週に向けて、そこを修正したいと思います。勝たなければ、他のチームが下からどんどん上がってくるので、これからも一戦一戦をしっかり勝っていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

目に見えないプレッシャーか。無敗の相手に受け身に回ってしまった

V・プレミアリーグに昇格して4シーズン目になるが、FC東京にはまだ負けたことがなかった。逆にそのことが、チームに見えないプレッシャーを与えていた。第1セットを奪われても、負けるイメージはまだなかった。むしろ第2セットを逆転で取り返し、反撃のムードさえ漂っていた。しかし、プレッシャーは少しずつチームにダメージを与えていた。「プレッシャーはなかったと言えばウソになるけど、いつも通りのプレーをすれば勝てると思っていました。ただ、相手は背水の陣の気持ちで向かってきた。うまく勢いに乗せてしまったのが敗因だと思います」。試合後にこう振り返った清野。たしかに悔しい負けだが、課題ははっきりしている。レギュラーラウンドは残り4戦。V・ファイナルステージを考えれば、修正する時間は十分にある。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS FC東京
第1セット 24 ー 26
第2セット 27 - 25
第3セット 25 - 23
第4セット 25 ー 27
第5セット 14 ー 16
日付 2017年1月22日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第17戦
場所 三島市民体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L本間
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