ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

僅差で追随しながらも、最後まで遠かった1点。連続失点から試合の流れを失った

 Vリーグ通算230試合出場を達成した高橋(慎)に花束贈呈が行われた。今季は高橋(和)に続いて2人目。36歳での快挙達成に、体育館が盛大な拍手に包まれた。
 今日の対戦相手は、首位のパナソニックパンサーズ。今季はまだ1セットも奪えていない強敵だ。V・ファイナルステージにつなげるためにも、結果はもとより内容が求められる一戦。しかし、試合はスタートから厳しい展開になった。

 立ち上がりは一進一退。ジェイテクトSTINGSは廣瀬のサービスエースでブレイクを奪うと、その後もカジースキのスパイクなどで確実にサイドアウトを切る。2点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 さらに古田のスパイク、金丸の速攻など、セッターの久保山が巧みにトスを散らして得点を重ねる。互角以上の内容で、第1セットは中盤まで進行した。
 しかし、試合の流れが徐々にパナソニックへと傾きだす。ジェイテクトSTINGSは細かいミスが重なって5連続失点。12−16とビハインドが4点に広がった。それでも、カジースキの連続得点で2点差に迫る。さらにブロックで相手にプレッシャーをかけて3連続得点。18−19と拮抗した展開に持ち込んだ。
 終盤には古田、高橋(和)が強打をたたき込んだ。金丸も速攻を決めた。しかし、最後は相手のサーブがネットに当たってそのままコートに落ちた。21−25でこのセットを落とした。

 第2セットは、3−6となったところで早くも1回目のタイムアウトを要求した。古田のバックアタックでサイドアウトを切った。しかし、その後はテクニカルタイムアウトを挟んで4連続失点。ここでセッターが久保山から高橋(慎)に代わった。
 高橋(慎)はカジースキにトスを集めてサイドアウトを切った。相手の動きを見ながら、要所でセンター線の速攻を使った。チャレンジが成功して、高橋(和)のスパイクが得点になった。ベンチも動く。13−17の場面で高橋(和)に代えて浅野を投入。ジェイテクトSTINGSが反撃に出た。
 ブレイクポイントを繰り返し、古田のスパイクで18−19と1点差。我慢しながら得点を積み重ねた。廣瀬も速攻を決めた。ここで、金丸に代わって辰巳がコートに入った。しかし、序盤のビハインドが最後まで響き、22−25で第2セットも失った。

 内容は悪くない。しかし、あと1点が遠い。第3セットも1点の重さを痛感させられた。序盤は古田のライト攻撃でサイドアウトを切った。浅野も高さのあるスパイクで、ほしかった1点をたたき込んだ。相手のスパイクがミスになり、7−6と1点をリードした。
 しかし、ここから5連続失点。カジースキ、古田のスパイクが立て続けに止められた。しかし、ジェイテクトSTINGSの気持ちは折れない。廣瀬の速攻、浅野のバックアタックなどで粘るパナソニックを追随する。辰巳も速攻を決めた。古田も渾身のバックアタックをたたき込んだ。あと一歩だった。
 金丸がコートに入り、ブロックでプレッシャーをかけた。相手のスパイクミスを誘ったかに思われたが、得点はパナソニックのほうに入った。浅野が決めて19−21。反撃もここまで。そこから4連続失点を喫し、19−25で敗れた。

 ストレート負けで3連敗を喫した。しかし、スコアボードの数字ほど、内容に差はなかった。「負けたことを引きずっても仕方がない。気持ちを出せば勝てるかというとそうではないが、技術を出すのも自分の気迫。とくにパナソニックのような試合巧者が相手の場合、そういうところが勝敗を分ける」。増成監督はこう振り返った。レギュラーラウンドも残り5戦。だが、まだまだ上位浮上のチャンスはある。確実に勝点を積み重ねるためにも、ここからは一戦一戦の重要性がさらに増してくる。

増成一志監督

相手が特別なことをやってきたわけではありません。ただ、パナソニックのような強いチームには気迫を持って戦わなければいけなかった。そこが今日のいちばんの敗因だと思います。収穫は浅野でしょう。前衛でもプレーしましたが、一生懸命声を出しながらプレーしてくれた。緊張感がある中、サーブレシーブも安定していました。チーム全体を比べても、技術的には互角だったと思います。ここからはファイナル6に向けて厳しい戦いが続きます。今の順位で満足していたらダメだし、よりいっそう上を目指す必要がある。そこの意識を高めていきたいと思います。

高橋慎治

第1セットから流れは悪くないと思っていました。ただ、第2セットは前半で連続失点を喫したので、コートに入ったからには雰囲気を変えなければいけない。キャプテンとして、チームを引っ張っていこうという気持ちでコートに立ちました。全員がいつでも自分のプレーが出せるように準備しています。今日は辰巳もいいプレーをしたし、浅野も日ごろの練習の成果を出せた。チームとして心強い内容でした。Vリーグ通算230試合出場を達成しましたが、一人の力ではここまでたどり着くことはできませんでした。今まで一緒にやってきたメンバー、今のメンバー、会社、ファンの方々、そうしたすべての人たちに感謝します。

辰巳正敏

久しぶりの出場でしたが、思ったよりも緊張はしませんでした。いつも通りのプレーを心がけてコートに入りました。僕や浅野が入ってなんとか盛り上げようとしたけど、相手に攻められてなかなか流れが変えられなかった。もう少しいいプレーができたらよかったけど、ストレートで負けて残念です。チームの成績は、ここまで悪くありません。ただ、パナソニックにはまだ1セットも取れていない。V・ファイナルステージにつなげるためにも、勝点が取りたかったです。自分が試合に出るときは、チームが苦しいとき。個人的にももっと調子を上げて、流れを変えられるようにがんばります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

よくなかった試合の入り方。気持ちを切り替えて、V・ファイナルステージにつなげたい

セッターの久保山が最初に選択したのは、廣瀬の速攻だった。しかし、ジャストミートしなかったスパイクは、エンドラインを割った。さらにその後の高橋(和)のスパイクもアウト。簡単に相手に2点を与えてしまった。相手が首位のパナソニックということもあり、少し肩に力が入っていたのかもしれない。しかし、試合の入り方はあまりよくなかった。トータルで見れば、けっしてストレートで負けるような内容ではない。しかし、取るべきところで取らなかった得点が、後々まで響いた。「リードしている場面もあったが、そういうときに自分たちが『もっといこうぜ』という気持ちを出さないといけない。それがなかったら、パナソニックのような強いチームには一気にひっくり返される」。こう振り返った高橋(慎)。結果的にレギュラーラウンドはパナソニックから1セットも奪えなかった。しかし、課題はハッキリしている。気持ちを切り替えて、残りの試合をV・ファイナルステージにつなげたいところだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 21 ー 25
第2セット 22 ー 25
第3セット 19 - 25
第4セット
第5セット
日付 2017年1月21日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第16戦
場所 三島市民体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L本間
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