ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ

カジースキのサーブが炸裂して、粘り強くセットを取り返す。フルセットに持ち込んだが、勝負どころで連続失点を喫する

 3レグの開幕戦をホーム、ウィングアリーナ刈谷で迎えた。相手はレギュラーラウンド2位の東レアローズ。上位でファイナル6に進むためにも、絶対に負けられない相手だ。試合前にはVリーグ通算230試合出場となった高橋(和)が「Vリーグ栄誉賞」の表彰を受けた。満員のスタンドから大歓声が巻き起こる中、カジースキのスパイクで熱戦の幕が開けた。

 幸先よく先制点を奪ったジェイテクトSTINGSが、その後も金丸のブロックポイントなどで着実に得点を重ねていく。高橋(和)のファインプレーからカジースキが得点を決めた。セッターの久保山がツーアタックでサイドアウトを切る。高橋(和)のスパイクでブレイク。古田がライトから決めて、8−4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 カジースキがハイパフォーマンスを発揮して次々と得点を重ねた。一進一退の展開から、廣瀬の速攻で14−12と突き放す。しかし、ここから細かいミスが続いて3連続失点。高橋(和)のスパイクなどで立て直すと、古田のノータッチエースで19−19の同点に追いついた。
 ベンチも動いた。高橋(慎)と清野を同時に投入して攻めにいった。しかし、カジースキのスパイクが止められて、増成監督は1回目のタイムアウトを要求。流れを変えることはできず、最後は相手にサービスエースを決められて、20−25で第1セットを失った。

 第2セットはジェイテクトSTINGSがペースを握る。カジースキのサーブが冴えわたった。高橋(和)、古田も硬軟織り交ぜたスパイクでそれに続いた。廣瀬がスパイクを決めて、10−6とリードを広げた。さらに廣瀬はこの日、サーブでも活躍。ジャンプフローターサーブで相手を揺さぶると、自らのサービスエースで14−8と突き放した。
 これで東レは早くも二度のタイムアウトを消化した。しかし、ジェイテクトSTINGSは攻撃の手を緩めない。古田、カジースキが高い打点から強烈なスパイクをたたき込んだ。要所で金丸も貴重な得点を稼ぎ出した。ジェイテクトSTINGSのリードは10点に広がった。
 カジースキが決めてセットポイント。最後は古田が決めて、セットカウントを1−1のタイに戻した。

 しかし、第3セットは再び東レに奪われた。終盤まで競り合ったが、最後に突き放された。21−25。それでも、相手のセットポイントから金丸のブロック、古田のスパイクなどで3連続得点を奪っている。粘り強さを見せ、第4セット以降の戦いに希望を残した。
 高橋(和)のサービスエースで幕を開けた第4セットも、ジェイテクトSTINGSはサーブでプレッシャーをかけていった。相手のミスを誘って、序盤は先行した。しかし、古田が相手のブロックにつかまり、さらにサービスエースを決められて6−8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 3連続失点で一時は5点のリードを許したが、ホームの大歓声がジェイテクトSTINGSを後押しした。反撃の口火を切ったのがカジースキだ。2本連続でサービスエースを決めると、さらに強烈なサーブをたたき込んで金丸のブロックを援護射撃。これで1点差に迫ると、17−18からカジースキがブロック、スパイクで連続得点を奪い、一気にスコアをひっくり返した。
 1点を追いかけるジェイテクトSTINGSは、22−22の場面でカジースキがサービスエースを決めてついに逆転に成功する。金丸のブロックでセットポイント。一時はジュースに持ち込まれるが、カジースキのバックアタックに続いて古田のスパイクでフィニッシュ。26−24でこのセットを奪い、勝負の行方を最終セットに持ち込んだ。

 第5セットも一進一退の展開が続いた。カジースキのスパイクでブレイクを奪うと、相手にサーブレシーブを崩されて3連続失点を喫した。金丸のブロック、高橋(和)のスパイクなどで、7−5とすぐに取り返す。
 10−10の場面では、高橋(和)が渾身のサービスエースでブレイク。しかし、土壇場でサーブレシーブが乱れて、11−14と逆にマッチポイントを許した。古田のスパイク、カジースキのブロックで13−14。あと1点に迫った。しかし、相手のスパイクがコートに突き刺さって万事休す。チャレンジも失敗し、13−15で敗れた。

 第2、4セットを粘り強く取り返しながら、あと1点が届かなかった。しかし、2位の東レから勝点1を確保したことは、明るい材料と言っていい。レギュラーラウンドでの対戦成績は1勝2敗となったが、リベンジのチャンスはまだ残っている。
「粘り強く最後まで自分たちのリズムで戦えた。負けはしたが、選手たちは3レグの残りの6試合につながるバレーをしてくれた。これからも一試合一試合、自分たちのバレーをしていきたい」
 試合後にこう振り返った増成監督。敗戦の悔しさは、レギュラーラウンドの残り6試合、そしてファイナルラウンドでしっかりと晴らしたい。

増成一志監督

悪天候の中、たくさんの方が応援に駆けつけてくださいました。できれば勝ってみなさんに恩返しをしたかったが、少なくとも勝点1を確保できたことはよかったと思います。東レさんはサーブ効果率が1位なので、サーブレシーブをどれだけ返せるかがカギを握っていました。選手一人一人が日々の練習から意欲的に取り組んでいるし、向上心を持って臨んでいます。天皇杯で優勝した東レさんをこれだけ苦しめたことは評価していいでしょう。レギュラーラウンドは最終週の奈良大会まで大事な試合が続きます。しっかりと戦って、いい状態でファイナル6を迎えられるようにがんばります。

高橋和人

第1セットは20点しか取れなかったけど、たたきのめされた感じではありませんでした。第4セットは(カジースキ)マテイがサーブでリズムをつくって、対策としてやってきたことを発揮することができた。シーソーゲームに持っていけば、ああいう競った展開になるのは想定していました。なにかが足りないとしたら、勝負どころでのサーブレシーブや、サーブで点を取ったあとのサーブミスなど、本当に小さなところだと思います。230試合の出場はそれほど意識していませんでしたが、意外と早かったなと感じました(笑)。ここまでできているのは幸せだし、ありがたいこと。ファイナルラウンドに向けて、気持ちを入れ直すきっかけになればと思います。

古田史郎

3レグに入ったし、勝ちにこだわって試合に臨みました。今のメンバーで、今できるベストのバレーをしようと思ったし、それが悪い方向に行っているとも思いません。もっと自信を持ってプレーしようと話していたのですが、最後に取り切れなかったのはそういうところが原因なのだと思います。ホームゲームということで、会社関係者、ファンの方々などたくさんの人たちに応援していただき、プラスアルファの勢いが出せたと思います。ベテランが多いチームなので、まずは少しでもコンディションを向上させること。個々が求め合った上でのチームワークを発揮して、1番になるために必要なことをしていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

格段に安定したサーブレシーブ。今日の反省点をファイナルラウンドにつなげたい

「あそこは(エースを)取られたらいけなかった」。試合後にそう振り返ったのは高橋(和)だ。第5セット、タイムアウト直後の11−13の場面。相手のジャンプフローターサーブが、高橋(和)の腕を弾いた。サービスエースを決められ、相手にマッチポイントを与えた。勝敗を分ける大きなポイントだった。とはいえ、1、2レグの対戦に比べれば、サーブレシーブは格段に安定していた。今季の東レとの対戦は、これまでサーブレシーブに苦しんでいる。とくに手を焼いているのが、李のジャンプフローターサーブだ。1レグの対戦では一人で3本、2レグにいたっては5本もサービスエースを決められた。高橋(和)が続ける。「東レさんは、あそこでブレイクを取って、リズムをつかんでくる。だけど、そこを取られなければ、自分たちのリズムになる。ファイナル6でも対戦するので、今日の反省点を修正して臨みたい」。最終的な目標はここではない。ファイナルラウンドでリベンジを果たすためにも、今日の敗戦を無駄にしてはいけない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ
第1セット 20 ー 25
第2セット 25 ー 17
第3セット 21 ー 25
第4セット 26 ー 24
第5セット 13 ー 15
日付 2017年1月15日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第15戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館(ウィングアリーナ刈谷)
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L本間
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