ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

カジースキにトスを集めるが、我慢し切れず第1セットを失セット。試合巧者のパナソニックに翻弄される

 第1セットの内容はけっして悪くなかった。廣瀬の速攻でサイドアウトを切ると、古田も高い打点からスパイクをたたき込んだ。しかし、ラリーを続けて奪われると、徐々に流れがパナソニックパンサーズのほうに傾いていく。
 それでも、カジースキのスパイクがチャレンジによって得点になるなど、ジェイテクトSTINGSにもまだまだチャンスはあった。我慢比べが続いた。高橋(和)がサイドアウトを切り、古田が立て続けに決めて3連続得点。1点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを折り返した。互角と言っていい内容だった。
 サーブも機能した。廣瀬のサーブが相手のミスを誘って、11−10と逆転に成功した。相手の攻撃を粘り強くしのぐと、高橋(和)が決めてブレイク。13−11とリードを広げた。しかし、そのあとに3連続失点。ジェイテクトSTINGSが1点を追う形で後半を迎えた。
 試合が動いたのは、15−16で迎えたテクニカルタイムのあとだ。古田のスパイクが止められるなど3連続失点を喫した。ノータッチエースを決められたところでジェイテクトSTINGSは2回目のタイムアウトを要求。しかし、流れは変わらない。その後は1点ずつを取り合い、第1セットを21−25で失った。

 第2セットも、立ち上がりは追いかける展開となった。ジェイテクトSTINGSはカジースキ、古田のスパイクで得点を重ねる。昨日に続いてスタメンに入った久保山も、巧みにトスを散らした。
 圧巻だったのがカジースキだ。自らのスパイクで3−4とすると、持ち前のサーブで相手を崩し、高橋(和)の得点をお膳立て。さらに、2本連続でサービスエースを決めて6−4とリードを奪う。しかし、この日のジェイテクトSTINGSは、なかなか流れをつかみ切れない。3連続失点を喫し、7−8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 一時はビハインドが最大4点まで広がった。それでも、古田が踏ん張って、僅差をキープ。さらに金丸がブロックを決めて1点差に迫る。ベンチも動いた。15−16となったところで廣瀬に代えて福山を投入。すると、そのあとのプレーで高橋(和)がブロックを決めて、ついに同点に追いつく。しかし、あとが続かない。19−21の場面では、チャレンジによってパナソニックのサービスエースが認められた。これでジェイテクトSTINGSは苦しくなった。最後までペースを取り戻せず、22−25で2セットを連取された。

 あとがなくなった。第3セットは、ジェイテクトSTINGSがようやく1回目のテクニカルタイムアウトを8−7で奪った。福山のサーブも機能して、カジースキのダイレクトスパイクにつなげた。古田がライトから強烈なスパイクを打ち抜く。福山のブロックポイントでブレイク。古田が決めて8点目を奪った。
 しかし、悪い流れを断ち切ることができなかった。テクニカルタイムアウトが明けると、カジースキのスパイクが立て続けに止められて6連続失点。ビハインドが5点に広がった。
 このまま終わるわけにはいかない。ここで奮起したのは、またもカジースキだ。強烈なサーブを相手のコートにたたき込み、連続でサービスエース。一気にビハインドを1点に縮めた。しかし、パナソニックも手堅い。ジェイテクトSTINGSはスパイクミスも重なって、3連続失点で17−22。カジースキにトスを集めてサイドアウトを切るが、前半の連続失点が最後まで響いて、20−25でストレート負けを喫した。

 終始、パナソニックのリズムで試合が進行した。しかし、反撃のチャンスがなかったわけではない。同じストレート負けでも、何もできなかった前回の対戦と比べれば、ジェイテクトSTINGSにも進化は見られた。
「もう一度、自分たちの何が強みで何が弱みなのかを再認識し、残りの7試合に臨みたい。今の順位をキープするのではなく、いいバレーを展開して、より上にいけるように頑張ります」
 増成監督は試合後、3レグに向けて意気込みを口にした。現在、8勝6敗の4位。上位進出のチャンスはまだまだある。来週のホームゲームで勝ち、一気に浮上したい。

増成一志監督

相手を意識し過ぎたのか、立ち上がりから雰囲気がよくなかった。パナソニックは試合巧者で、自分たちの弱いところをしっかりと攻めてくる。今日もカジースキが狙われてしまいました。また、相手を崩しているのに、うまく得点に結びつけられないところもありました。ブレイクが取れず、ずっと1、2点を追いかける展開だった。まだまだメンタルの強さが必要です。福山に関しては、チャンスがあれば出そうと思っていました。うちにはいないタイプで、いい意味で淡々としている。そこがうまく機能すれば、チームにとってもプラスになるでしょう。次はホームゲームなので、3レグの初戦をしっかりと取りにいきます。

久保山尚

スタメンで出ていた1レグは、いい部分も悪い部分もありました。2レグからは(高橋)慎治さんがスタメンになりましたが、自分はBチームの練習で良くも悪くも自分のプレーを試すことができた。年明けからAチームに入るチャンスをいただき、そこでも同じことをやっていく中で、プレーの幅が広がって気持ちも楽になったと思います。できるだけ上位でファイナル6に行くために、3レグ以降も白星を重ねていきたい。そのためには、チームとしてできていることの精度をさらにアップして、できていないことを修正していくことが大事だと思います。

福山汰一

緊張しながらコートに入りました。ただ、自分が出た第2セットの終盤はほとんどボールに触っていなくて、サーブしか打っていません。サーブに関しては、スタメンから外れたことで、今まで以上に自分のサーブを打つことを考えていました。実際に試合で試すことができて、それが1本目はしっかり入った。そこで、自分の中で「いける」と思いました。また、今度はいつ試合に出られるかわからないので、後悔だけはしないように頑張らなければいけないと思っていた。第3セットの最後、ラリー中にフェイントをした場面は、正直、打つべきところでした。体のバランスが崩れていたので、ラリー中もしっかりと助走に入れるように体づくりをしていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

「苦手意識」の払しょくが、ファイナルラウンドを勝ち抜くポイントだ

パナソニックとの対戦でたびたび出てくるのが「苦手意識」というキーワードだ。V・プレミアリーグでの対戦成績は、ファイナル6を含め3勝10敗。天皇杯や黒鷲旗でも負けている。それ故か、パナソニックとの対戦は、不安定な立ち上がりになることが多い。今日も序盤にあったラリーを二度も競り負けた。勝負に「たられば」は禁物だが、ここを取っていれば流れをつかむ可能性はあった。もちろん、パナソニックも試合巧者だから、簡単には点数を取らせてくれないだろう。久保山は言う。「パナソニックさんは展開がスピーディで、派手な決め方もしてこない。一見、なんでもないフェイントかもしれないけど、コートの中から見ると、ブロックの見えないところからボールが出てきたりするんです。そこから徐々にストレスがたまっていって、こちらがリードしていても乗り切れませんでした」。頂点に立つためにも、パナソニックは絶対に勝たなければいけない相手。まずは3レグでしっかりと勝ち、ファイナルラウンドにつなげることが重要だ。「苦手意識」は、会心の勝利で「自信」に替えるしかない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 21 - 25
第2セット 22 ー 25
第3セット 20 ー 25
第4セット
第5セット
日付 2017年1月8日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第14戦
場所 AGF鈴鹿体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L本間
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