ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

先発の久保山が巧みにトスを散らし、浅野もコートに復帰。カジースキは土壇場で勝負強さを発揮した

 2017年が幕を開け、V・プレミアリーグが再開した。ここまでの戦いをおさらいしておくと、ジェイテクトSTINGSは7勝5敗(勝点21)で5位。とくに2レグに入ってからの勢いはとどまることなく、4勝1敗と大きく勝ち越している。負けた豊田合成戦もフルセットに持ち込むなど、すべての試合で勝点を獲得した。
 昨年12月の天皇杯でファイナルに進めず、全員が悔しい思いをした。新たに頂点を目指すべく、今日の試合に勝っていいスタートを切りたいところだ。

 カジースキのブロックで先制したジェイテクトSTINGSが、試合のペースをつかんだ。スタメンに入った久保山がツーアタックを決めると、さらに高橋(和)のスパイクなどで着々と加点。ブロックでプレッシャーをかけ、相手からミスを誘う。カジースキのバックアタックを皮切りに、高橋(和)、久保山が立て続けに決め、3連続得点で17−11とリードを広げた。
 リベロの本間を軸に相手の攻撃を粘り強くしのぐと、高橋(和)のサービスエースで3連続得点。そして、古田のスパイクが決まって22−15となったところで、これまでヒザの故障で戦列から離れていた浅野が今季初出場を果たす。サーブレシーブを固めると、その後もジェイテクトSTINGSが落ち着いて試合を進めた。相手のサーブミスでセットポイント。最後はカジースキがスパイクを決めて、第1セットを25−18で先取した。
 V・プレミアリーグに限って言えば、過去5戦のうち4戦で第1セットを落としている。しかし、天皇杯の悔しさは、間違いなくチームの糧になっていた。会心のスタートだった。

 第2セットに入っても、ジェイテクトSTINGSが走った。高橋(和)のサービスエースなどで2点を先行した。さらに古田のスパイク、高橋(和)のブロックなどで3連続得点。廣瀬もブロックを決めて、9-5と試合の主導権を握った。
 今日の勝因のひとつは、間違いなく高橋(和)のサーブだろう。相手のサーブレシーブを崩して、11−10から4連続得点を演出した。要所でトスをカジースキに集め、確実にサイドアウトを切った。センター線の速攻も機能して20−16。22−19で浅野を投入し、このままジェイテクトSTINGSが逃げ切るかに思われた。
 しかし、ドラマはここからはじまった。相手の攻撃に破壊力が増して3連続失点を喫する。23−23の同点。古田がライトから強打をたたき込んでセットカウント奪うが、一時は24−25と逆転を許した。コートに戻ってきた高橋(和)が立て続けに決めて、再び26−25と逆転に成功。最後は廣瀬、カジースキが決めて、ジェイテクトSTINGSが29−27の熱戦を制した。

 第3セットも痺れるような展開だった。中盤まで1点ずつを取り合う展開が続いた。金丸の速攻やカジースキのバックアタックで確実にサイドアウトを切った。2回目のテクニカルタイムアウトを3点のビハインドで迎えたが、ジェイテクトSTINGSに焦りはなかった。
 反撃に出たのは、相手のスパイクミスで18−21になってからだ。カジースキが連続でスパイクを決めた。福山がピンチブロッカーで入って、ネット際に高さを生み出した。古田が決めて4連続得点。ついに21−21の同点に追いついた。
 先にセットポイントを与えたが、廣瀬の速攻などで24−24。金丸のブロックで27−26とアドバンテージを奪う。しかし、堺ブレイザーズにブレイクポイントを奪われて土俵際に追い込まれた。トータルで8回もセットポイントを奪われた。しかし、ジェイテクトSTINGSは諦めない。カジースキが連続でブロックを決めて、32−31とマッチポイント。最後は相手のスパイクがアウトになり、セットカウント3−0で勝利を収めた。

 大事な2017年の初戦を白星で飾った。天皇杯の敗戦の悔しさを払拭する会心の勝利だった。昨年から続く連勝も「3」に伸ばしている。浅野が試合に復帰するなど、チーム状態は確実に上がっていると言っていいだろう。
「レギュラーラウンドはまだまだ混戦が続くと思っている。パナソニックさんはうちとの対戦に自信を持っているので、今日の勝利を今後につなげるためにも、明日も全力で勝ちにいきます」
 明日のパナソニック戦は2レグの大一番だ。他の試合の結果しだいでは、3位まで浮上する可能性もある。しっかり勝って、この勢いをこれからの戦いにつなげたい。

増成一志監督

2017年の初戦ということで、いい緊張感のなかで試合ができました。コンビが少しちぐはぐするところもあったが、先発した久保山ががんばってくれた。古田にもよくトスを上げていました。20点以降、あるいはジュースのなかで粘り強くプレーできたことが今日の勝因。とくに第2、3セットは、全員が粘り強いプレーをしてくれた。年末年始の練習の成果が出せたと思います。久保山には高橋(慎)とはまた違ったよさがある。そういう意味でも、代わった選手が出て勝つというのは、チーム力が上がっている証拠だと思います。

マテイ・カジースキ

2週間ぶりの試合だったので、少し不安はありました。ただ、これまで疲労がたまっていたこともあり、休むことができてフィジカルはいい状態で臨めました。自分はできるだけスパイクでチームに貢献したいと思っているし、大事な場面で頼られる存在になりたいと思っています。ただ、今日の個人的なパフォーマンスには、正直、満足していません。これからファイナル6に向けて、調子を上げていきたいと思います。明日の相手は首位のパナソニックです。まずは自信を持ってプレーすることが大事。引き続き、一つ一つの試合を粘り強く戦います。

浅野博亮

試合がはじまる前の円陣で、かけ声担当の本間が「浅野さんが復帰なので絶対に勝ちましょう」と言ってくれました。今日はみんながいい雰囲気で戦えていたので、勝ててうれしいです。不安はありましたが、増成監督もベンチに入れてくれたので「がんばるしかない」と思っていました。コートに入るときは、リードしている状態だったこともあり、緊張もしたけど「やっとコートに立てる」という楽しみのほうが大きかったです。チームはすごく調子がいいし、ファイナル6、ファイナル3に進んでいくと、さらに強くなっていくと感じています。そこに自分も加わって、もっとチームに貢献できたらと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

浅野がコートに復帰。ファイナルへのラストピースになるか

チームにうれしいニュースが舞い込んできた。浅野の試合復帰だ。コートに入るときは「死ぬほど緊張しました(笑)」というのも浅野らしい。第1、2セットの終盤、守備固めとして高橋(和)に代わって出場した。サーブレシーブを安定させ、チームのストレート勝ちに貢献した。とは言え、無理は禁物だ。これから徐々に出場時間を延ばし、スパイクを打つ場面も出てくるだろう。「ビッグサーバーがいるチームを相手にするとキツくなることがある。そんなときに自分が入ってサーブレシーブを返す、というのが今の理想。ファイナル6に入ったら、他の選手と代わっても遜色のないプレーをしたい」と浅野。果たして、頂点を手にするためのラストピースになるか? 期待はますます膨らむ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 25 - 18
第2セット 29 ー 27
第3セット 33 ー 31
第4セット
第5セット
日付 2017年1月7日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第13戦
場所 津市体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L本間
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