ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

サーブレシーブが安定した第2セットから反撃開始。高橋(和)がサーブ、ブロックで活躍する

 増成監督は「今週の2戦が大事だ」と言った。その初戦となる昨日のFC東京戦で、勝点3を確保した。苦しい中でも勝ち切る力があることを証明した。重要性が高まったのが今日のサントリーサンバーズ戦だ。勝って勝点6を刈谷に持ち帰る。チームの新たな挑戦がはじまった。

 第1セットはサントリーに奪われた。しかし、選手の目は力を失っていなかった。「やられているのはサーブだけだった。それほど気にしていなかった。第2セット以降は、サービスエースさえ取られなければいけると思って臨みました」。こう振り返ったのはキャプテンの高橋(慎)だ。
 実際、5本のサービスエースを取られているが、内容は悪くなかった。カジースキは高さを発揮していたし、要所でセンター線の速攻も機能していた。ミスによる失点はあったものの、相手に余裕を与えていなかったと言っていい。ジェイテクトSTINGSが反撃の可能性を残したまま第2セットに突入した。

 古田の活躍できっかけをつかんだ。軟打を相手コートに落としてサイドアウトを切ると、サーブで攻めてカジースキの得点をお膳立て。自らのサービスエースで3連続得点を演出した。その後も、高橋(和)、カジースキのスパイクなどで1回目のテクニカルタイムアウトを4点のリードで折り返した。
 一時は1点差に迫られるが、高橋(和)のサービスエースで再び突き放した。金丸のブロック、廣瀬のサービスエースなどで4連続得点。古田も気迫のこもったスパイクを相手コートに突き刺した。
 中盤以降もジェイテクトSTINGSは安定した試合運びを見せた。勝負どころでは、高橋(和)が高いパフォーマンスを発揮。相手の外国人選手をブロックで止めて18−11。キレのあるスパイクでブレイクポイントを奪い、22−14と点差を広げる。カジースキが決めてセットポイント。最後は相手のサーブがミスになり、25−18でジェイテクトSTINGSがこのセットを取り返した。

 第3セットもジェイテクトSTINGSが走った。高橋(和)のサービスエースで先制すると、廣瀬のブロックなどでいきなり3連続得点を奪う。さらにカジースキのブロックや金丸の速攻などで4連続得点。8−2と大きく先行した。
 その後は一進一退の展開が続いたが、古田、カジースキのスパイクなどで確実にサイドアウトを切った。セッターの高橋(慎)も巧みにトスを散らした。守備はリベロの本間が支えた。中盤は一時、1点差に迫られた。しかし、今のジェイテクトSTINGSは追い込まれてからが強い。廣瀬の速攻でサイドアウトを切ると、高橋(和)のサービスエースなどで4連続得点。ブロックでプレッシャーをかけ、相手からミスを誘った。
 22−17。あとは落ち着いて試合を進めるだけだった。廣瀬がサイドアウトを切ると、カジースキのブロックでセットポイント。25−19でサントリーの追撃を振り切った。

 ジェイテクトSTINGSの戦い方に自信がみなぎっていた。第4セットも古田のスパイクで先制した。カジースキ、高橋(和)のサイド陣が確実に得点を重ねた。3点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、チームに焦りはなかった。
 高橋(和)、カジースキが決めて、3連続得点で9−9の同点に追いついた。13−14からテクニカルタイムアウトを挟んで怒濤の5連続得点。廣瀬、高橋(和)のブロックが冴え、立て続けに相手のスパイクを封じ込めた。
 圧巻だったのは20−16からだ。高橋(和)のスパイクでサイドアウトを切ると、連続でサービスエースを決めて3連続得点を奪った。これで完全に試合の趨勢を握った。
 カジースキのスパイクがチャレンジによってインと判定されてマッチポイント。最後は相手のスパイクミスを誘い、25−18で勝利を収めた。

 第2セット以降は、盤石の試合運びだった。1レグで敗れたサントリーからリベンジを果たした。大事な2戦を連勝で飾り、順位の上でも上位に肉薄した。「第1セットを取られたときも、それほど悪い状況じゃなかった。お互いにいいサーブを打つ選手がいて、サーブでどれだけ相手を崩すかが勝負のカギを握っていた。サーブが機能した時にブロックも連携し、相手の高い攻撃力を封じ込めることができた」。増成監督はこう振り返った。
 2レグに入ってここまで4勝1敗。敗れた豊田合成戦もフルセットと紙一重だった。チームは確実に強くなっている。来週からは天皇杯がスタート。勢いをつかんだ今のジェイテクトSTINGSに死角はない。

増成一志監督

ミーティングで映像を見て、全員がブロックの位置やタイミングを体に落とし込みました。体と頭で一致させたことを、今日の試合で出せたと思います。みんなの意識の高さ、相手への対応力も少しずつ高まっていると感じました。そうした一人一人の考え方が今後、上位と戦うために必要になってきます。相手の攻撃の選択肢を減らし、セッターに考えさせたことが勝因の一つ。しかし、まだまだ課題もあります。私たちのチームは挑戦し続けなければいけません。日本一を目指すために、練習の中でしっかり自信と体力をつけて、このリズムを天皇杯につなげていきたい。天皇杯は勝ちにいって、日本一を取れるように頑張ります。

高橋慎治

アタッカーを乗せられるようなトス回しと、相手ブロッカーのことを考えながらプレーしていました。うまくできたかわかりませんが、相手ブロッカーに的を絞らせないことを意識しました。昨日のFC東京戦は途中で交代しましたが、今回は久保山に助けてもらいました。前回は同じような展開で逆の立場だった。こういう助け合いが必要だし、2人で頑張ってやっていけば勝てる試合も多くなると思います。今日は僕がスタメンだったので、恩返しのつもりでコートに立ちました。来週は天皇杯ですが、大事なのは目の前の試合。まずは初戦に照準を合わせて臨みます。チームとしては、一本一本に対する執着心や、ミスを出さないという意識を高めていきたいと思います。

高橋和人

第1セットを取られましたが、やられた感じはありませんでした。ただ、サービスエースを取られていたので、サーブレシーブ陣で何とか上げて、ラリーで何度もやっていこうという話をしていました。今日は僕とマテイのサーブも走っていたので、2、3点リードされても大丈夫だろうという感覚があった。バタバタすることもなく、全員が冷静に試合を進められたと思います。ブロックに関しては、スタッフが夜遅くまでデータを見てくれたので、僕らはコンディションを整えることに専念できました。ミーティング通りやった結果です。ここ3週くらいは本当に安定した戦いができています。ただし、勝っているからこそ見えない落とし穴もある。天皇杯で勝って、年明けからいい再スタートが切れるように、もう一度気を引き締めて頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

スタミナの向上でチーム力もアップ。白星の量産は、充実したトレーニングの成果だ

逆転勝ちを支えているのが、選手のスタミナだ。先週はフルセットの試合が続いた。しかし、高橋(和)は「あと3セットくらいできた」と笑う。「監督自ら僕のトレーニングを見てくれています。だけど、僕がサーブレシーブで乱れても、他に打ってくれる選手がいるし、トスを上げてくれる選手もいる。自分が崩れたらダメというプレッシャーがありません。自分が何をしなければいけないかを冷静に考えられているので、それがフィジカルから精神面につながっている。いい感じでやれています」。実際、今週も2日間で8セットをこなしたが、コートの中で息切れする選手はいなかった。増成監督は言う。「昨季は、ファイナル6に入ってから失速した。絶対に勝つという気持ちで戦ったが、そこに体がついてこなかったのが反省点。選手一人一人が体力トレーニングを欠かさず、昨年以上にやってくれています」。レギュラーラウンドも半分を折り返したばかりだが、ファイナルラウンドに向けてチーム状態はますます上がっていきそうだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 21 ー 25
第2セット 25 ー 18
第3セット 25 - 19
第4セット 25 ー 18
第5セット
日付 2016年12月11日(日)
試合 サントリーサンバーズ
場所 鹿沼総合体育館フォレストアリーナ
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(慎)、高橋(和)、廣瀬 L本間
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