ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

苦しい場面で攻撃パターンが単調に。崩れた時にいかに得点を取るかが今後の課題か

 今季初のホームゲームである。舞台はウィングアリーナ刈谷。たくさんの声援がチームの背中を押した。試合前には、岡崎城西高校のチアリーダーが盛り上げた。チームカラーの白がスタンドを染める。徐々にボルテージが上がっていった。いよいよ熱戦の火ぶたが切って落とされた。

 立ち上がりは、互角の展開だった。サイドを軸に攻撃を仕掛けるパナソニックパンサーズに対して、ジェイテクトSTINGSはカジースキにボールを集めて応戦した。要所で古田、高橋(和)が決定力の高いスパイクをたたき込んだ。僅差をキープしたまま試合を進めるが、中盤以降はパナソニックが攻撃のギアを上げていく。「パナソニックは昨年以上に、サイドからの決定率が高い。さらに状況が悪い時は、フェイントを織り交ぜながらミスの少ないバレーをしてくる」と増成監督。それに対して真っ向勝負を挑んだジェイテクトSTINGSの差が、徐々に現れていった。
 3点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。一時は古田のスパイクなどで1点差に迫ったが、3連続失点で再び突き放された。崩れたボールをカジースキが決めて一矢を報いた。しかし、17−20から5連続失点。強烈なサーブに守備を崩され、17−25で第1セットを失った。

 第2セットもパナソニックのペースだった。ジェイテクトSTINGSはカジースキに攻撃の比重が偏り始めていた。カジースキがサーブで攻め、カジースキがバックアタックを決める。しかし、全員で守り、全員で攻めるのがジェイテクトSTINGSのスタイルだ。そのことを熟知している高橋(和)のエンジンがかかり始めた。巧みなスパイクでサイドアウトを切ると、1枚で相手のスパイクをブロック。一時は7−6と逆転に成功した。
 しかし、パナソニックのスピーディな攻撃に翻弄され、徐々に勢いを失った。セッターの久保山がトスを散らすが、金丸の速攻が止められて3連続失点。10−16となったところで、久保山に代わって高橋(慎)がコートに入った。廣瀬のスパイクやブロックで流れが傾き始めたが、大事な場面でサーブミスを連発した。カジースキがサービスエースを決めるが、あとが続かない。最後まで流れを取り戻せず、19−25でこのセットを失った。

 ホームゲームでこのまま終わるわけにはいかない。第3セットに入って、ようやくジェイテクトSTINGSが息を吹き返した。廣瀬のブロックでサイドアウトを切ると、古田、カジースキが立て続けに決めた。さらに金丸のブロックで4連続得点。カジースキのサービスエースなどもあり、8−4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 しかし、相手は試合巧者のパナソニック。攻めなければいけないという気持ちが焦りを生んだ。細かいミスが重なり、12−11と1点差に迫られた。さらに14−12から3連続失点を喫した。勝負どころでサーブレシーブを崩されて4連続失点。カジースキ、高橋(和)のスパイクで巻き返すが万事休す。20−25でこのセットを落とし、ストレート負けを喫した。

 決して内容が悪かったわけではない。ホームの大声援も力になった。しかし、それ以上に、パナソニックがそつのないバレーをしてきた。それは数字以上に、ジェイテクトSTINGSにダメージを与えていた。「昨日の豊田合成戦に勝てたのは、サーブで攻めて、ブロックとレシーブの関係が機能していたから。ただ、パナソニックのような速いバレーに対する連携が、若い選手にはまだできていない。そういうところを見直して、これからの試合をしっかり戦いたい」と増成監督。次週からは2レグがスタートする。1レグで得た課題を修正し、ここから着実にステップアップしていきたいところだ。

増成一志監督

相手は一人一人の技術が高いので、ミスをなくして自分たちのバレーをしていこうとミーティングで話していました。しかし、速いバレーに持ち込まれた時に、こちらのブロックの弱いところを突かれてしまった。軟打を含め、揺さぶられたことが敗因です。また、攻めなければいけないところで、サーブミスも続いた。次週から2レグに入るので、今日の負けをしっかりと踏まえて戦っていきたい。ただ、チームとしては開幕戦や鹿児島大会に比べて徐々にリズムがよくなっている。レギュラーラウンドは混戦になっているので、一戦一戦をベストなプレーで戦っていきます。

マテイ・カジースキ

レベルの高い試合でした。今日は素直に相手におめでとうと伝えたいです。ただ、ホームゲームだったので、ファンの皆さんのためにもう少し競った試合を見せたかった。そこは申し訳なく思っています。パナソニックはレギュラーラウンドの首位で、すべての面で我々よりよかった。第3セットの出だし以外は相手に圧倒されましたが、我々も決して悪いプレーをしていたわけではない。しかし、パナソニックのような強い相手には、リードを奪ったらしっかりとサイドアウトを切ってセットを取りにいかなければ勝つことはできません。

古田史郎

ホームゲームでたくさんの方が応援してくださって、そういう雰囲気の中で昨日の勝ちを勢いにしたいと思っていました。悪いところばかりではなかったけど、相手のほうが上回っていたと感じます。自分たちがいいリズムでプレーしている時は、全員がまんべんなく攻撃できています。しかし、今日はほとんどの場面で、カジースキ頼みのバレーになってしまった。僕自身も責任を感じていますが、自分たちたちがやってきたのは全員で攻撃していくこと。ただ、同じ負けでも、昨年よりはよくなっています。ポテンシャルはあるので、一つずつ自分たちの力にしていけるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

取れるところで得点を取れないのが敗因。セッターの交代がカギになるか

1レグを終えて3勝4敗という成績は決して悪くない。順位は5位。リーグ全体を見渡すと、全勝のパナソニックが少し抜けたが、昨季以上の混戦模様だ。ただ、4位の豊田合成とは、今日の結果で勝点4差と少し広がった。カジースキは言う。「1レグを振り返ると、もう少しいい結果を出せたと思います。結果というよりも、試合の内容があまりよくなかった。特に安定感を欠いていました。得点が取れるところで取れていないのが、我々の課題です」。例えば、今日のパナソニック戦。どのセットも中盤まで競っていながら、終盤の連続失点で流れを失った。つないだボールを決め切れなかったのが要因だ。カジースキにトスが偏る場面もあった。2レグ以降、一つのカギになるのがセッターを代えるタイミングだろう。久保山でスタートし、流れが悪くなったところで高橋(慎)を投入してチームを落ち着かせる。うまく機能すれば、それがジェイテクトSTINGSの大きな武器になるに違いない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 17 ー 25
第2セット 19 ー 25
第3セット 20 ー 25
第4セット
第5セット
日付 2016年11月20日(日)
試合 V・プレミアリーグ 第7戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館(ウィングアリーナ刈谷)
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L本間
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