ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ

対策が功を奏し、終始イニシアチブを掌握。第3セットは大逆転で接戦をものにする

 5試合を終えて2勝3敗。混戦のレギュラーラウンドを勝ち抜くためにも、今週の2試合はきわめて重要だ。相手は、上位2チーム。ここでの白星は、レギュラーラウンドの今後を占う上で大きな意味を持つ。決して負けるわけにはいかない。13時。運命の一戦が幕を開けた。

 第1セットは長いラリーから始まった。3−2でカジースキにサーブが回ってくると、ここからジェイテクトSTINGSが一気に流れをつかむ。金丸の速攻でブレイクポイントを奪った。高橋(和)がスパイク、ブロックを立て続けに決めて6−2。さらにカジースキが2本連続でサービスエースを決め、6連続得点で8−2と大きくリードを広げた。
 一時は1点差まで迫られるが、ジェイテクトSTINGSの集中力は途切れない。カジースキが決めて13−10。さらに豊田合成トレフェルサの得点源にブロックでプレッシャーをかけて、15−11と点差を広げる。4点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、高橋(和)にボールを集めて3連続得点。これでこのセットの趨勢が決した。カジースキのスパイクでセットポイント。盤石の試合運びを見せたジェイテクトSTINGSが、第1セットを25−21で制した。

 第2セットも同じメンバーでスタートした。カジースキのバックアタック、高橋(和)のスパイクなどで確実に得点を積み重ねる。リベロの本間を軸に、ブロックとレシーブの関係も安定していた。相手の得点源を徹底的にマークし、思うように攻撃をさせない。テクニカルタイムアウトが明けると、カジースキのスパイクでブレイクポイント。9−7とリードを広げた。
 守備が機能することで、安定した試合運びを見せた。カジースキのパイプ攻撃も決まった。要所で廣瀬が速攻をたたき込んだ。古田も我慢強く攻め続けた。
 ベンチの動きも早かった。21−19と2点差に詰められると、タイムアウトで嫌な流れを断ち切った。セットポイントを取ったところから3連続失点を喫するが、最後は古田のスパイクでフィニッシュ。25−23で2セットを連取した。

 勝利に王手をかけた。しかし、相手は昨季のチャンピオンだ。このまま簡単には勝たせてもらえない。立ち上がりは激しい点の取り合いになった。ジェイテクトSTINGSは古田、高橋(和)のサイド陣を軸に攻めた。一方の豊田合成も、攻撃のギアを上げてきた。ジェイテクトSTINGSが2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを折り返すと、古田のスパイクがアウトになって点差は3点に広がった。
 さらに立て続けにサービスエースを決められて8−13。ここでベンチが動く。セッターを久保山から高橋(慎)にスイッチ。徐々に攻撃が回り始めた。古田がライトからスパイクを決め、カジースキのブロックでブレイク。金丸の速攻が機能すると、続けて3連続得点を奪い、20−21と1点差に迫った。
 もはやジェイテクトSTINGSのムードだった。高橋(和)のスパイクでサイドアウトを切ると、古田が渾身のブロック。最大で6点あったビハインドを、22−22のタイに戻した。一度はサイドアウトを切られたが、古田のスパイクですぐに追いついた。さらに廣瀬のブロックポイントでマッチポイント。最後は相手のスパイクがアウトになり、大逆転でこのセットをものにしたジェイテクトSTINGSがストレート勝ちを決めた。

 攻守が機能した。対策も見事だった。練習で培ってきた成果をこの試合で出すことができた。明日の相手は、首位を独走するパナソニックだ。「簡単に勝てるとは思わないが、勢いをしっかり保って、今日の第3セットのような粘りのある戦いがしたい。守るのではなく攻めて、1レグの最終戦なのでしっかり戦いたい」。試合後、増成監督はこう話した。いよいよ明日は、ウィングアリーナ刈谷で行われる今季初のホームゲーム。会心の内容で1レグの最終戦を飾りたい。

増成一志監督

昨シーズンは一度も勝てなかった豊田合成に勝つことができ、チームとしてうれしく思います。なかなか安定しない試合が続いていたので、今日の勝利を機に明日から勢いを持って戦いたい。苦しい場面で選手たちが声をかけ合い、第3セットを取り切ることができました。よく頑張って、練習してきたことを出せたと思います。確かに相手にミスもありましたが、私たちの武器であるサーブ、ブロック、レシーブでプレッシャーをかけることができました。明日はホームゲームなので、よりいっそう強化して、首位のパナソニックに挑みます。

高橋和人

今週は相手のポイントゲッターでもあるイゴール選手の対策に細かく取り組んできました。ブロックやレシーブの位置取りなど、うまく機能したと思います。また、レシーブが上がったあとは無理に打ちにいかず、決められる時にスパイカーが判断して打っていました。第3セットは相手が攻撃の組み立てを変えてきたので少しバタバタしましたが、点差が離れても諦めずに1点ずつ取っていくことができました。攻撃がうまく回らない時にどうするかなど、これまでの課題が克服できたことも収穫です。劣勢からでも逆転できるバレーがしたいと思わせるような試合ができました。

久保山尚

これまでの試合でもディグが上がる場面は何度かありましたが、スパイクミスやつなぎのズレがあって得点につながりませんでした。ディグが上がっているのに得点が入らないことがストレスになっていた。でも、今日は対策通りのコースに入っていたし、つなぎも安定していたと思います。レシーブからの切り返しが機能したことがストレート勝ちにつながりました。第3セット、高橋(慎)さんが入って立て直してもらえたのは、チームにとっても大きな武器になります。頼るのではなく、高橋(慎)さんがいることで、自分自身、安心して思い切ったトスが上げられます。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

ズラしたローテーションが功を奏す。立ち上がりからサーブで攻めた

第1セットの序盤、カジースキの連続サービスエースを含む6連続得点で一気にリードを広げた。これでジェイテクトSTINGSが完全に試合の流れをつかんだ。実はこの試合、これまでの5試合に比べて、スタートローテーションを一つズラしていた。ふだんはセッターの久保山が後衛センター、いわゆるS6からスタートしている。しかし、今日の試合は久保山が後衛レフト、S5からスタート。この効果を増成監督はこう話す。「先手を取らないと、試合巧者の豊田合成には勝てない。S6だとカジースキにサーブが回らないことがある。そこで、調子のいい古田、カジースキから攻めていくようにした」。その言葉通り、立ち上がりから古田、カジースキのビッグサーブで攻めることができた。思い通りの展開に持ち込んだと言えるだろう。多くの勝因が考えられるが、ベンチワークも見事な一戦だった。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ
第1セット 25 - 21
第2セット 25 ー 23
第3セット 25 - 23
第4セット
第5セット
日付 2016年11月19日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第6戦
場所 小牧市スポーツ公園総合体育館(パークアリーナ小牧)
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬 L本間
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