ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ

攻守が機能して第1セットを先取。しかし、いい流れを継続できず逆転を許す

 開幕戦でFC東京に3−0で勝ち、好スタートを切ったジェイテクトSTINGS。果たして開幕ダッシュは成功するのか。鹿児島で開催された第2戦で、昨季3位の東レアローズと対戦した。

 試合の入り方は完璧だった。廣瀬のブロックポイントで流れをつかんだ。古田がサーブで相手を崩すと、自ら強烈なバックアタックをたたき込んだ。カジースキのサービスエースで7−3。福山もブロックを決めて、3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを折り返した。
 その後もジェイテクトSTINGSがペースをつかんだ。高橋(和)のブロック、久保山のサービスエースなどで3連続得点。守備では、リベロの本間を軸にブロックとレシーブの連携が安定していた。サーブレシーブを崩されて1点差に迫られたが、チームに不安要素は見当たらない。レシーバー登録の興梠を投入してサーブレシーブを安定させると、カジースキのブロック、古田のスパイクでブレイクポイント。一時は23−23の同点に追いつかれるが、福山の速攻でサイドアウトを切って25−23で第1セットをもぎ取った。

 これで勢いに乗るはずだった。しかし、息を吹き返したのは相手のほうだった。第2セットは、序盤で2−7と点差を広げられた。カジースキのスパイクが研究されていた。相手のビッグサーブにも崩された。それでも、古田、カジースキの得点で2点差まで迫った。さらに古田のサービスエースなどで4連続得点を奪い13−13と同点に追いついた。
 しかし、今日のジェイテクトSTINGSはここから先が続かない。サーブレシーブを崩され、攻撃も単調になった。15−16から6連続失点を喫した。柳澤がコートに入ったが、流れを取り戻すにはあまりにも点差が離れていた。17−25で失セット。セットカウントを1−1のタイに戻された。

 第3セットも東レのペースで試合が進んだ。2−3の場面で、センターを福山から金丸にスイッチ。ブロックでプレッシャーをかけ、一進一退の展開に持ち込んだ。しかし、細かいミスが続いて6−12と点差を広げられる。気を吐いたのが廣瀬だ。速攻でサイドアウトを切ると、サーブで相手の守備を崩し、カジースキ、古田の得点をお膳立て。金丸もブロックを決め、再び2点差に詰め寄った。
 しかし、東レのサーブは圧巻だった。ジェイテクトSTINGSを徹底的に分析してきた。2度のサービスエースを含め6連続失点。終盤は廣瀬が速攻、ブロックで意地を見せるが、17−25でこのセットを失った。

 このままでは終われない。その思いは伝わってきた。しかし、第4セットも序盤に5点を連続で失った。オポジットを古田から清野に代えた。ここから反撃がはじまった。廣瀬のブロック、高橋(和)のスパイクなどで3連続得点。カジースキが懸命に足でボールをつなぎ、10−11と1点差に迫った。リベロの本間も抜群のレシーブを披露した。清野も相手のブロックをかいくぐる巧みなスパイクを見せた。
 東レに先に20点を取られたが、けっして諦めなかった。一度はアウトと判定された清野のスパイクは、チャレンジ(ビデオ判定)によってワンタッチが認められた。カジースキのスパイクで2点差に迫り、東レを慌てさせた。しかし、スコアボードの数字を覆すことができず、23−25で敗れた。

 もったいない試合だった。「サーブレシーブを返していれば、3−0、3−1で勝てた試合だった」と高橋(和)。しかし、今季のV・プレミアリーグはまだはじまったばかりだ。ここで得た課題は、今後の試合に生かせばいい。「自分たちのバレーがどういうものかを再認識できた。今日の負けを次につなげるために、明日のサントリー戦にしっかり勝って、次のステップにしていきたい」と増成監督も振り返っている。下を向いている時間はない。前を見て突き進むのみだ。

増成一志監督

第1セットは、練習してきたことが出せました。ただ、相手のジャンプフローターサーブにレセプションが崩された時に、全員がどうすればこの1本を取れるかを考えないといけません。あれだけのジャンプフローターサーブを経験できて、いい課題ができたと思います。第3セットのセンターの交代に関しては、いつでもスタンバイしている金丸で勝負をかけようと思った。こういうパターンをこれからも使っていきたいし、試合を通して若い選手が自信を持ってくれたらと思います。

高橋和人

相手の李選手のサーブだけにやられた印象で、そこを1、2本で切っていたらリズムを崩さずにいけたと思います。レシーブを上げてリズムができてきたところでサーブレシーブのミスが出た。相手が何かをしてきたというより、自分たちのミスだけでした。せっかく追いついてきた時に、僕のミスなどサイド陣が踏ん張り切れませんでした。そこがもったいなかったし、自分たちで壊してしまった。チームとしては、点差を離されても盛り返す力はある。そういう意味でも、もったいない試合でした。

廣瀬優希

第1セットは、ブロックとディグの連携がしっかりできていました。いいところで相手のエースを止めたり、レシーブも拾えていたと思います。ただ、第2セット以降は大事な場面で相手に決められることが多く、サイドアウトを取れなくなって流れが悪くなりました。リズムを変えるために各選手に声をかけたり、古田さんとも「一緒に走って盛り上げましょう」と言っていた。声を出して、チームの雰囲気が良くなればと思っていました。反省点を生かして、明日も頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

敗因はサーブレシーブ。オプションを駆使して早く課題を修正したい

試合の流れを決定づけた連続失点は、いずれも相手のサーブに崩されたものだ。特に速いジャンプフローターサーブに苦しんだ。第3セットには6連続失点を喫し、反撃の余地を奪われた。しかし、2戦目のこのタイミングではっきりと課題が出たことは、好材料と考えてもいい。「速いサーブをボンと打たれて、それにあたふたしてペースを握られた。それに対して、自分たちもサーブで相手を崩しているのにしとめ切れなかった。その差だと思う」と高橋(和)。ふだんはリベロとして登録されている興梠をレシーバーとして起用したのも新しいオポションだ。「興梠を投入して守備を固め、いいリズムに持っていく。初めて実戦で使ったが手応えはあった」と増成監督も好感触。チームというのは、長いリーグを通して成長していくものだ。見通しは明るいと言えるだろう。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ
第1セット 25 - 23
第2セット 17 ー 25
第3セット 17 - 25
第4セット 23 ー 25
第5セット
日付 2016年11月5日(土)
試合 V・プレミアリーグ 第2戦
場所 串良平和アリーナ
メンバー カジースキ、古田、高橋(和)、久保山、廣瀬、福山 L本間
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