ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ

相手の気迫に押され、失点を重ねる。第3セットは競り合ったが、最後に決め切れなかった

 前日のFC東京戦に勝ち、浮上のきっかけをつかんだ。その勢いが本物であることを確信するためにも、今日の試合は勝たなければいけなかった。しかし、結果は東レアローズにストレート負け。反省点が残るゲームになった。

 立ち上がりは拮抗した。ジェイテクトSTINGSはカジースキ、高橋(和)のサイド陣にトスを集めて、確実にサイドアウトを切った。サーブレシーブが崩される場面もあったが、懸命にボールを拾い、得点につなげた。3連続失点の悪い流れも、タイムアウトですぐに切り替えた。
 辰巳のブロックでブレイクポイントを奪った。カジースキのバックアタックも冴えわたっていた。本間の二段トスを高橋(和)が決めて13−14と1点差に迫った。しかし、古田のスパイクが相手に止められると、そこから失速。ラリーを落とし、ビハインドが4点に広がった。さらに相手がサーブをカジースキに集めてきたことで、攻撃の手数を失った。4連続失点で15−22。久保山、清野を投入したが、流れを引き寄せることができない。金丸のノータッチエースで一矢報いるも、19−25で第1セットを失った。

 続く第2セットは立ち上がりから出遅れた。ミスも響いて5連続失点。タイムアウトでも流れは変わらず、1回目のテクニカルタイムアウトを3−8で迎えた。さらに、高橋(和)、辰巳のスパイクも止められ、6−13と大きくリードを許した。
 このまま終わるわけにはいかない。奮起したのがカジースキだ。高い打点から強烈なスパイクをたたき込み、チームメイトを鼓舞した。積極的にバックアタックを呼び込み、何度も相手に立ち向かっていった。18−25と大差で敗れたが、最後まで“攻める意志”は失わなかった。

 あとがなくなった第3セットは、大きな流れが両チームの間を行き来した。ジェイテクトSTINGSは、辰巳に代えて廣瀬を投入。フレッシュなメンバーがコートを躍動し、チームは勇気を取り戻した。カジースキのスパイクもチームのエネルギー源になった。高橋(和)、古田が立て続けに決めて、7−6と逆転に成功した。廣瀬のスパイクが決まり、1点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 一進一退の展開が続いた。相手に点を取られても、粘り強いバレーですぐに奪い返した。高橋(和)が巧みに決めて21−19。相手もすかさずタイムアウトを取ってきた。一時は逆転を許したが、古田のスパイク、高橋(和)のサービスエースで先にセットポイントを奪った。勝負どころでは、カジースキにトスが集まった。しかし、カジースキ、古田のスパイクが立て続けに止められて万事休す。ジュースの末にこのセットを落とし、ストレート負けを喫した。

 悔しい敗戦になった。終始、相手のペースで試合が進んだ。ファイナル6を目前にして、順位も4位に落とした。
「サーブミスやチームフォルトで30点くらい相手に点数を与えている。やはり簡単に相手にリズムや得点を与えては、絶対に勝つことはできません。ましてやファイナル6に行き、上位を狙うチームとしては、そこをしっかり修正する必要があります。これからジェイテクトSTINGSを強くするには、もっと一人一人が考え、修正していかなければいけません」
 試合後にこう振り返った増成監督。レギュラーラウンドは、残り2試合となった。できるだけ上位でファイナル6を迎えるためにも、もう負けることはできない。来週の広島大会は、内容の伴う勝利で弾みをつけたいところだ。

増成一志監督

ファイナル6の進出が決まり、今日もしっかり勝って弾みをつけたいと思っていました。しかし、相手の気迫あるバレーに対して、自分たちがミスをしてしまい、そして単調な攻撃で相手に付け入る隙を与えてしまった。今日は反省ばかりのゲームでした。サーブでは、相手がしっかり入れてきたのに対して、自分たちは簡単にミスをしていた。第3セットは競ったゲームができましたが、攻撃があまりにも単調になってしまった。そこを修正し、来週に向けてしっかり準備したいと思います。

高橋慎治

自分たちが負けるのは、ミスを出したり攻める気持ちを欠いた時。今日も同じパターンで負けてしまいました。ファイナル6の進出が決まったとはいえ、自分自身が変わっていかないと、そこで終わってしまいます。(競った場面を取り切るためには)データに出ないプレーをもっと突き詰めていかないといけません。ディグが上がってもそのあとのトスが悪かったり、ブロックでワンタッチを取っているのにレシーブにつなげられていないことがある。そうした表に出ない部分の精度が今日は悪かったと思います。

古田史郎

自分たちのバレーを模索している中、ふだんの練習から気持ちの持ち方にこだわっています。昨日のFC東京戦は、自分たちでも実感できるくらいそれが出ていました。しかし、今日は誰かがやってくれるだろうという雰囲気があり、そういうところでの力のなさを痛感しました。ファイナル6に向けて、一つでもいい位置で行くことが重要です。ジェイテクトSTINGSの持ち味である“和”に磨きをかけて、一戦必勝で戦っていきます。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

カジースキにトスが集まり攻撃が単調に。残り2試合で巻き返せるか

FC東京戦の第4セットと同じように、今日の東レ戦も第3セットの終盤に決め切れなかった。サーブのエラー、サーブレシーブの失敗など、要因はさまざまだ。さらに今日は、勝負どころでのトスがカジースキに集まってしまった。3枚ブロックで徹底的にマークされれば、高さを誇るカジースキといえども決め続けるのは難しい。「他の選手もまんべんなく打てるようなトス回しをしないと、粘り強いシフトを敷いてくる相手には苦しい。もう一度、組み立てを含めて修正し、来週の2試合をしっかり戦いたいと思います」と増成監督。チームはトライ&エラーを重ねて強くなっていくものだ。レギュラーラウンドもいよいよクライマックス。残り2試合での巻き返しに期待したい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ
第1セット 19 - 25
第2セット 18 - 25
第3セット 26 - 28
第4セット
第5セット
日付 2016年1月31日(日)
試合 V・プレミアリーグ第19戦
場所 墨田区総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(慎)、高橋(和)、辰巳 L本間
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