ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

サーブレシーブを崩されて、第1、2セットを失セット。カジースキの活躍で第3セットを取り返す

 試合はいきなり動いた。ジェイテクトSTINGSは第1セットの立ち上がりに3連続失点。相手の強烈なサーブに、サーブレシーブが乱された。古田のスパイク、辰巳のブロックで盛り返したが、サービスエースを決められるなど3点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 内容はけっして悪くなかった。金丸、辰巳のセンター線を軸に、コンビネーションも合っていた。ブロックも機能し、辰巳が相手のスパイクを止めて11−11の同点に追いついている。しかし、相手にサーブで崩されて失点を重ねた。タイムアウトでも流れを取り戻せない。古田、カジースキのスパイクも相手の高い壁に阻まれて、ビハインドは6点まで広がった。
 しかし、ジェイテクトSTINGSは諦めなかった。粘り強くボールをつなぎ、古田、カジースキが強打をたたき込んだ。辰巳がブロックで相手のスパイクを封じ込めた。5連続得点で20−21と1点差まで迫った。ワンポイントで角田、高橋(和)、袴谷を立て続けに投入。最後まで食らいついたが、惜しくも23−25で第1セットを失った。

 続く第2セットも、サントリーサンバーズのペースで進んだ。序盤は金丸のブロック、浅野のスパイクなどで応戦した。辰巳の速攻も決まって、粘り強く戦った。しかし、サントリーの柳田にサーブレシーブを崩されて連続失点。カジースキ、古田のスパイクが立て続けに止められて、12−19と苦しい展開に陥った。代わって入った若山がスパイク、ブロックでチームを盛り上げるが、開いた点差はあまりに大きく17−25でこのセットを失った。

 ジェイテクトSTINGSが本領を発揮したのは第3セットに入ってからだ。序盤はまさにカジースキの独壇場だった。軟打を織り交ぜたスパイクで相手を揺さぶった。極めつけは、8−2で回ってきたサーブだ。的確にコースを突いて、相手のミスを誘った。チャンスボールは、浅野が確実に決めた。サービスエースも決めるなど、13−2と大きくリードを広げた。
 第2セットの途中から入った若山も要所で決めた。さらに辰巳、高橋(慎)が立て続けに相手のスパイクをシャットアウト。スコアボードの数字は21−7まで広がった。会心の試合運びでサントリーを突き放し、最後はカジースキが決めて25−12の大差でこのセットを取り返した。

 第3セットの勝利を逆転のきっかけにしなければいけなかった。しかし、第4セットもサントリーにペースを与えてしまった。入り方が悪かったわけではない。カジースキは高い決定力でスパイクを決めた。若山のスパイクやカジースキのサービスエースで4連続得点を奪った。金丸の速攻で8−7とした。
 しかし、中盤は連続失点が続いた。長いラリーの末に、カジースキのスパイクが止められた。相手の高いブロックが容赦なく襲いかかってきた。一時は、ビハインドが7点まで開いたが、若山に代わって入った清野が躍動した。清野、浅野、カジースキのサイド陣が奮闘して3連続得点を奪った。点差を2点に縮め、粘るサントリーをあと一歩まで追いつめた。しかし、反撃もここまで。21−25で敗れた。

 内容がよかっただけに悔しい敗戦となった。しかし、下を向いている者はいない。レギュラーラウンドも終盤を迎え、どのチームも気迫を前面に出して戦ってくる。その証拠に、今日は5〜8位のチームが、1〜4位のチームから白星を奪った。「どこのチームにも可能性はある。一試合一試合、しっかりと準備をして、ジェイテクトSTINGSらしい粘りのあるバレーをしたい。目の前の試合をしっかり戦います」と増成監督。レギュラーラウンドは残り5試合。いよいよクライマックスに突入する。

増成一志監督

しっかり準備してきたのでプレー自体は悪くなかった。第3セットは出だしのサーブ、また粘り強いレシーブで先行し、取り返すことができました。しかし、第1セットは相手の軟打を交えた攻撃をなかなか拾えなかった。相手の気迫に押されたところも敗因だと思います。こうした試合を取っていかないと、本当の強いチームにはなれません。今日も、自分たちが得点できる場面がありながら、簡単に相手に得点を与えてしまいました。これからも目の前の試合をしっかり戦っていきます。

高橋慎治

第1、2セットは受け身になっていたところがありました。第3セットのはじめに、チーム内で「攻める気持ちを前面に出していこう」と話しました。しかし、第4セットもやはり、相手の勢いに対して受け身になってしまったと思います。個人的には、まずはトスの配分が課題です。アタッカーが打ちやすいトスを上げることも大事。基本的なことができていないので、頭を切り替えてやっていきます。先のことは考えず、次の一戦の勝利を目指して戦っていきます。

辰巳正敏

先に2セットを取られましたが、自分たちのミスが多かったので、そこを修正しようとチーム内で話しました。あとは攻める意識を忘れないように、第3セットに臨みました。個人的には、最初はコンビがよかったけど、終盤はあまり決められなかった。今日は2本ミスをしています。センターなので、もっと効果率を上げなければいけません。課題はサーブ。今日は途中からいい感じで攻められたけど、それを最初からやらないといけない。これからも一戦一戦を全力で戦っていきます。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

数字以上にダメージが大きかったサーブレシーブ。もう一度、自信を取り戻したい

数字だけを見ると、サーブレシーブはけっして悪くなかった。カジースキが68.2パーセント、本間が66.7パーセント、浅野にいたっては75.7パーセントの高い成功率を残している。チーム全体でも70.5パーセントだ。Aパスから何度も速攻を決めた。しかし、今日はサントリーの柳田にサーブで崩された印象が強い。「彼のサーブは強烈なので、連続で取られると相手のリズムになる」と増成監督。象徴的だったのが、第2セットの中盤だ。12−15からサーブレシーブを崩され、4連続失点を喫した。警戒しすぎたと言ってもいいだろう。ダメージは小さくなかった。これからも相手がサーブで攻めてくることが予想される。もう一度、自信を取り戻し、ジェイテクトSTINGSらしいバレーを展開していきたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 23 - 25
第2セット 17 - 25
第3セット 25 - 12
第4セット 21 - 25
第5セット
日付 2016年1月23日(土)
試合 V・プレミアリーグ第16戦
場所 北九州市立総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(慎)、辰巳、浅野 L本間
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