ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

第3セットは奪われたが、そこで崩れなかったのが進化の証。第4セットで立て直し、勝ち点3を獲得する

 前日の豊田合成戦は、1−3で完敗した。しかし、内容を見れば、徐々に調子を上げていることが再認識できた。それを証明したのが、今日のサントリーサンバーズ戦である。第3セットは取られたものの、3−1で快勝した。ホームで行われる来週のパナソニック戦に向けて、大きな弾みをつける1勝となった。

 第1セットは、カジースキ、古田の得点でペースをつかんだ。浅野もレフトから強烈なスパイクをたたき込んだ。しかし、流れは一転、古田のスパイクがブロックで止められると、金丸のスパイクが2本続けてミスになった。さらにノータッチエースを決められて6連続失点。ここで増成監督は、1回目のタイムアウトを要求した。
 5−10。ビハインドは5点。カジースキのスパイクで嫌な流れを断ち切った。辰巳の速攻などで4連続得点を奪い、一気に追いついた。古田のスパイクで確実にサイドアウトを切った。
 圧巻は終盤の試合運びだ。浅野の好レシーブからカジースキが決めて1点差に詰め寄った。金丸のフローターサーブが相手の守備を崩して18−18。相手が崩れた隙を見逃さなかった。トスをカジースキに集めてたたみかけた。4連続得点で22−19。最後は辰巳が速攻を決めて、25−21で第1セットを先取した。

 第2セットに入っても、勢いはジェイテクトSTINGSにあった。カジースキがスピードに高さを兼ね備えたバックアタックを決め、金丸のブロックでブレイクポイントを奪った。古田もスパイク、サーブで得点を奪い7−3。浅野もサービスエースを決めて9−4と点差を広げた。
 セッターの高橋(慎)を軸に、多彩な攻撃で得点を積み重ねた。前日の豊田合成戦で復帰した金丸は、スパイク、ブロックが冴えわたっていた。リベロの本間も懸命にボールに食らいついた。相手の攻撃を粘り強くしのぐと、金丸が立て続けにブロックポイントを奪った。ムードは最高潮に達した。サーブレシーブが乱れて4連続失点を喫したが、浅野のスパイクで嫌な流れを断ち切った。攻撃的な姿勢が相手のミスを誘った。金丸のブロックで締めくくり、25−20でこのセットを奪った。

 しかし、V・プレミアリーグに楽な試合は一つもない。1レグのサントリー戦は、2セットを連取したあとから逆転負けを喫した。苦い記憶を忘れた者など、ジェイテクトSTINGSには一人もいない。この試合も、サントリーに第3セットを奪われた。カジースキ、古田、浅野のスパイクがことごとく相手の高いブロックに封じられた。
 同じ失敗をくり返すわけにはいかない。チームは心を一つにし、第4セットに向かった。気迫で相手を圧倒した。浅野のスパイクでサイドアウトを切った。カジースキが軟打を織り交ぜながら得点を重ねる。金丸の速攻などで、1回目のテクニカルタイムを2点のリードで迎えた。辰巳の速攻も切れを失ってはいなかった。個性豊かなアタッカー陣を、セッターの高橋(慎)が巧みにコントロールした。
 一時は11−12と逆転を許した。ここでオポジットを古田から清野にスイッチ。この交代が功を奏した。清野がサーブで攻めると、金丸が立て続けにブロックポイントを奪った。清野のサービスエースで4連続得点、15−12とリードを広げた。
 あとは落ち着いて試合を終わらせるだけだ。カジースキ、清野を軸に、確実にサイドアウトを切った。金丸のブロックポイントで、勝利まであと3点に迫った。浅野の踏ん張りで、打ち合いを制した。上がったボールを、渾身の力で何度も打ち抜いた。24−20でマッチポイント。最後は角田を投入し、ジェイテクトSTINGSが25−20で締めくくった。

 2レグの最終戦を白星で飾った。欲しかった勝ち点3を手に入れた。順位は4位のままだが、3位のパナソニックを射程圏内にとらえた。
「年末年始は、各自が課題を持って必死にボールを追いかけてきた。その成果が、昨日の第3セットからいいプレーになって表れている。しっかり準備してきたことが、今日の試合につながった。3レグは、もう一度一つになって、全員で準備して戦いたい」。増成監督は試合後、こう意気込みを話した。
 レギュラーラウンドは残り7試合。V・ファイナルステージの進出に向けて、全力で邁進するのみだ。

増成一志監督

ジェイテクトSTINGSのバレーが7割はできました。あとの3割は、ストレートで勝てなかったこと。1レグも第1、2セットを先取しながら逆転で敗れ、その反省を常に持って練習をしてきました。今日も劣勢に立たされたときのプレーの精度が悪く、自分たちでミスを出して第3セットを落としてしまった。それまでの古田もよかったが、第4セットの途中に清野がスパイク、サーブでリズムを作ってくれたことがポイントになった。これからも厳しい戦いが続くが、精度の高いプレーを心がけて戦っていきます。

古田史郎

いいときはいいが、悪いときは悪い。そこを修正するために、年末年始にものすごい練習をしてきました。その成果が少しは出せたし、何より一人一人の気持ちの持ち方が変わってきた。ここからファイナルに向けてさらに上を目指すためにも、僕とマテイ、浅野のサイド陣が機能して、そこにミドルブロッカーが攻撃をしかける展開を作っていきたい。大事なのは、いかにしつこい展開に持っていくか。一戦一戦を大切にして、本気で戦いたい。常に1番を目指すチームであり続けたいと思います。

本間隆太

年末を中心に、ディグの練習を重ねてきました。ブロックの強化もして、最後にブロックとレシーブの連携を固めていった。そこに関してはチームとしても自信があったし、それが3−1という結果につながったと思います。ただし、今日は取れたセットを落としたことが反省点でもあります。そこは今後、練習や試合の中で修正していかなければいけません。今は4位ですが、この先どうなるかわからない。一試合一試合が大事になるので、1点1点を大事にしながら全員で戦っていきます。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

前回の敗戦が、今日の試合で生かされた。嫌なイメージは完全に払拭した

ジェイテクトSTINGSにとってはリベンジマッチだった。前回の対戦から約2カ月。2セット先取から逆転負けを喫した試合を、誰一人として忘れてはいない。あの悔しさを、今日の試合で晴らさなければいけなかった。しかし、前回と同様、第3セットを落とした。ミスがあったのも、1レグの戦いと同じだ。嫌な予感が脳裏をよぎった。しかし、ジェイテクトSTINGSはブレなかった。本間は言う。「第3セットを取られて、チームの中に嫌な雰囲気はありました。しかし、1レグの失敗があったから、うまく話し合うことができた。第4セットを取れば勝ち点3が取れるので、このセットにかけようと思って戦えました」。いろいろな要因が考えられるが、何よりも一人一人が一球に対する集中力を切らさなかったことに尽きる。そして、この試合に勝ったことで、完全に悪いイメージは払拭した。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 25 - 21
第2セット 25 - 20
第3セット 21 - 25
第4セット 25 - 20
第5セット
日付 2016年1月10日(日)
試合 V・プレミアリーグ第14戦
場所 東山総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(慎)、辰巳、浅野 L本間
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