ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ

会心のバレーで第3セットを奪取。ブロックとレシーブの関係が機能し、本来の粘り強さを取り戻した

 2016年の初戦を迎えたジェイテクトSTINGSに、うれしいニュースが舞い込んできた。昨年の11月前半に指を骨折し、約2カ月も戦列から離れていた金丸が復帰。スタートからコートに立ち、ブロックの要としてネット際に立ちはだかった。
 しかし、立ち上がりのジェイテクトSTINGSには硬さが見られた。古田のスパイクで先制した。カジースキもフェイントで得点を奪った。しかし、豊田合成トレフェルサにサーブで攻められると、立て続けに失点。サービスエースを決められて8−13となったところで、増成監督は1回目のタイムアウトを要求した。
 古田の強打などで流れを取り戻したかに思われた。しかし、このセットで3本目のサービスエースを決められると、ビハインドは6点に広がった。さらに攻撃が機能せず4連続失点。金丸のブロックや浅野のサービスエースで反撃したが、15−25の大差でこのセットを落とした。

 第2セットに入って徐々に本調子を取り戻しはじめた。金丸の速攻でサイドアウトを切ると、乱れたボールをカジースキが決めた。古田のバックアタックも冴えわたっていた。2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、第1セットとは明らかに状況が異なっていた。何より、ブロックとレシーブの関係が機能していた。古田の好レシーブからカジースキが決めて、9−10と1点差に詰め寄った。金丸の速攻も高い決定力を発揮した。
 15−17となったところで、センターが廣瀬から辰巳に代わった。ジェイテクトSTINGSは粘り強く戦った。相手にセットポイントを奪われたが、ここから3連続得点。古田が相手の意表を突くフェイントを決め、浅野がサービスエースでそれに続いた。23−25でこのセットを失ったが、次につながる戦いぶりだった。

 第3セットはジェイテクトSTINGSが取り返した。会心の内容だった。浅野とカジースキのポジションを入れ替えたことも功を奏した。古田、浅野のスパイクで6−5と逆転に成功。金丸、カジースキが決めて、8−6で1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。これで流れに乗った。セッターの高橋(慎)も巧みにトスを散らした。相手のスパイクを粘り強くつなぎ、リベロ本間も身を挺してボールを拾った。古田のスパイクなどで3連続得点。19−17とリードを広げた。
 しかし、試合巧者の豊田合成もタイムアウトで流れを変えた。連続失点で19−19の同点に追いつかれた。救ったのはジェイテクトSTINGSの背番号「1」だ。カジースキが値千金のサービスエースを決めた。さらに古田のスパイクでラリーを制して23−21。最後は浅野が決めて、25−22でこのセットを奪った。

 第4セットのスコアは22−25。ジェイテクトSTINGSが1−3で敗れた。しかし、内容は悪くなかった。第2セットの途中から入った辰巳は、スパイク、ブロックの両面で活躍した。試合の序盤は崩れたサーブレシーブも、本間、浅野を軸に安定感を取り戻していた。終盤には、カジースキのバックアタック、古田のスパイクなどで19−23から3連続得点を奪っている。最後は浅野のスパイクがアウトになったが、内容は紙一重だった。
 厳しい練習の成果が、実を結びはじめた。あとはきっかけをつかむだけだ。増成監督は試合後、「気迫あるプレーを前面に出そうと話し合ってきた中で、第2セット以降は徐々にいい形になってきた。この感覚を忘れずに、まずは明日の試合を勝ちにいきたい」と意気込みを語った。明日のサントリー戦は、2レグの最終戦。レギュラーラウンドはいよいよクライマックスを迎えようとしている。

増成一志監督

もう一度チームを作り直そうということで、年末年始はかなり厳しい練習をしてきました。第3、4セットはいい形で戦えたが、相手の手堅いバレーの前になかなか得点が取れなかったことが敗因です。ただし、浅野とカジースキのポジションを入れ替えても、ある程度は戦える展開が作れた。そこを含め、ジェイテクトSTINGSらしい粘りのバレーで、明日のサントリー戦もしっかり戦いたいと思います。

金丸晃大

(前回の出場から)2カ月くらい空きましたが、2016年の最初ということもあり、自分の中では開幕戦と同じ気持ちで臨みました。負けはしましたが、1レグの頃に比べれば自分たちのいいバレーができていたと思います。ブロックとレシーブの関係がよく、タッチが取れて、ディグも上がっていました。3レグでもう一度、豊田合成さんと対戦するので、その時は絶対に勝ちたいという気持ちです。

浅野博亮

前回の試合から日にちが経っていたこともあり、第1セットはみんな緊張して思うようなプレーができませんでした。相手がサーブで攻めてきたことで、逃げ腰になってしまい間に打たれることもあった。第2セットから徐々に自分たちのバレーができて、第3セットを取ることができました。ただし、スタートがよくないと相手を乗せてしまうので、明日は立ち上がりからしっかり戦いたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

金丸の復帰でブロックとレシーブの関係が機能。相手のスパイクを何度も拾った

第4セットの中盤、難しいボールを本間が拾い、それを古田が得点につなげた。このプレーもあって3連続得点。反撃のきっかけにつながった。この日はディグ(スパイクレシーブ)がよく上がっていた。ブロックが機能したのが、一つの要因だ。2カ月近く戦列から離れていた金丸の復帰も大きい。「金丸が戻ってきたことで、粘りのあるブロックでタッチを取る場面が多かった。リベロを真ん中に寄せるなど、いろいろなディグのシフトで臨むことができた」。こう話すのは増成監督。ブロックとレシーブの関係が機能し、ディグ力が高まった。あとはつないだボールを得点につなげれば、自ずと白星はついてくる。1−3で敗れはしたが、ジェイテクトSTINGSのバレーを再認識する上で非常に重要な一戦となった。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ
第1セット 15 - 25
第2セット 23 - 25
第3セット 25 - 22
第4セット 22 - 25
第5セット
日付 2016年1月9日(土)
試合 V・プレミアリーグ第13戦
場所 東山総合体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(慎)、浅野、廣瀬 L本間
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