ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

第1セットの前半に13連続失点。手は尽くしたが、失った流れを取り戻せなかった

 すべては第1セットに集約されていた。先制したのはジェイテクトSTINGSだ。古田のスパイクでラリーを制した。さらに廣瀬のサービスエースでブレイク。カジースキが決めて3−2とした。
 しかし、ここからジェイテクトSTINGSの得点がピタリと止まる。パナソニックパンサーズにサーブレシーブを崩され、失点を重ねた。浅野の前にサーブを落とされ、速い攻撃で切り返された。3−6となったところで増成監督は1回目のタイムアウトを要求する。しかし、流れは変わらない。古田のスパイクがミスになり、3−8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 ジェイテクトSTINGSのコートが静まり返った。古田、カジースキの強打も次々と拾われた。3−12となったところで、古田に代わって清野がコートに入った。しかし、ビハインドが10点に開くと、早くも2度のタイムアウトを消化した。それでも長いトンネルから抜け出せない。浅野と興梠の間に、鋭いサーブを落とされた。清野のスパイクがブロックされて3−15。相手のサーブがアウトになるまで、実に13点を連続で奪われた。
 2度目のテクニカルタイムアウトが明けたところで、増成監督は高橋(和)と久保山を同時に投入した。清野が粘り強く決めて、ラリーを制した。しかし、ブレイクポイントが奪えない。サーブのエラーも続き、流れを引き寄せることができなかった。清野のスパイクがミスとなって11−25。点差以上に長く感じられた第1セットが終わった。

 ジェイテクトSTINGSは第2セットのスタートから袴谷を投入した。第1セットの途中から入った清野がそのままオポジットのポジションにつき、チームを活性させた。袴谷がBクイックを決めた。さらにサーブで攻め、カジースキのブロックポイントをお膳立てした。清野も強烈なジャンプサーブで相手の守備を崩した。辰巳のダイレクトスパイクで5−2。第2セットは好スタートを切った。
 しかし、パナソニックの強固な守備の前に、じりじりと点差を詰められた。清野のノータッチエースで13−11と突き放すが、浅野のスパイクがブロックされて1点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。終盤は試合巧者のパナソニックに、守備でペースを握られた。カジースキ、清野が粘り強くサイドアウトを切るが、辰巳の速攻がブロックされて19−23。2枚替えで流れを取り戻しにかかったが、21−25でこのセットを落とした。

 第3セットの立ち上がりは一進一退。ジェイテクトSTINGSはこのセットのスタートから、高橋(和)と久保山をコートに送り込んだ。カジースキのサービスエースでブレイクポイントを奪った。しかし、4−2から3連続失点。パナソニックの粘り強いディグに圧倒された。清野のスパイクなどで7−7の同点に追いつくが、1点をリードされて1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 ここからはサイドアウトの応酬だった。袴谷のBクイックで追いついた。カジースキも高い打点から強打をたたき込んだ。辰巳の速攻で確実に得点を重ねた。相手の攻撃をしのぐと、清野が決めて14−13とついに逆転した。
 しかし、この日のジェイテクトSTINGSはあとが続かない。高橋(和)のスパイクはアウト。サービスエースを決められて3連続失点。清野のスパイクで追いつくが、パナソニックの強力な攻撃の前に4点を連続で失った。2度のタイムアウトでも嫌な流れを断ち切ることができず、17−21と点差を広げられた。最後まで気迫を込めて戦ったが、相手の勢いを止められず20−25で敗れた。

 連勝は「4」で止まった。年内最後のリーグ戦は、前回もストレートで敗れたパナソニックに完敗した。サーブで攻められず、ブロックとレシーブの関係も機能しなかった。サーブレシーブを崩され、攻撃の選択肢を限定された。終始、相手のペースで試合が進んだ。「この負けを、今後につなげなければいけない」と増成監督は言う。
「前回、痛い敗戦を経験したあとは、選手たちがしっかり反省して、そこからいいバレーを展開することができた。選手、スタッフ全員が今日の試合を反省し、次に向けて修正したい」
 来週からは天皇杯のファイナルラウンドがスタートする。パナソニックと対戦する可能性があるとすれば、それはファイナルのみだ。最高の舞台でリベンジを果たしたい。

増成一志監督

2位のパナソニックさんとの直接対決ということで、少しでも私たちのバレーをして追いつきたかった。しかし、これが本当に伝統のあるチーム。2レグは負けなしで勢いに乗ってきたが、自分たちの力をしっかり出さないと今日のような展開になることを選手たちが自覚してくれたと思います。選手たちは一生懸命戦ったが、堅実で力強いパナソニックさんの前になかなかリズムがつかめなかった。プレッシャーがかかる中でミスをしたり、連続失点をしてしまったことが今後の課題。しっかり練習して、来年はスタートダッシュを切りたいと思います。

清野真一

前回に続いて、相手の速いバレーに対応できませんでした。サーブで攻められなかったことも敗因。全体的な流れは悪くなかったが、相手のほうが上手でした。コートに入る時は、チームの雰囲気がよくなかったので、とにかく声を出そうと思いました。個人的にコンディションはよかったです。相手のブロックが高かったので、ブロックアウトを狙って打ちました。パナソニックの速い攻撃に対して、いかに自分たちのバレーを展開していくかが大事。天皇杯もあるので、対応できるように頑張ります。

袴谷亮介

劣勢の状況でコートに入りましたが、自分に求められていたサーブがうまくいかず、チームのプラスになることができませんでした。そこはもっと修正していかなければいけないところです。コートに入る時は、誰が得点を決めても声を出して走り回り、チームを盛り上げようと思っていました。サーブで相手を崩せず、ブロックも機能しなかった。チーム全体でサーブを見直すことが重要です。これからも目の前の勝利にこだわって、一つでも上の順位に行けるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

第1セットの連続失点で失った流れを最後まで取り戻せなかった

第1セット前半の連続失点が試合の明暗を分けた。前に落ちるボールを、浅野が直接相手コートに返してしまった。すばやく切り返されて連続失点を喫した。セッターの高橋(慎)もトスを散らしたが、相手のブロックのほうが上回っていた。ベンチも動いた。2度のタイムアウトを消化し、古田に代えて清野を投入した。しかし、3−2から実に13連続失点。一方的に傾いた流れを取り戻すのは、さすがに難しかった。「サイドアウトをしっかり切らないと、あれだけの失点をしたことで選手たちの歯車が狂ってしまった。流れを取り戻そうと選手を代えてみたが、経験のある相手には通用しなかった」と増成監督。停滞したムードから抜け出せず、第2、3セットは中盤まで競りながら相手の勢いに押し切られた。悔しい敗戦だが、長いリーグ戦の中にはこういう敗戦もある。気持ちを切り替えて、天皇杯でのリベンジを目指したい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 11 - 25
第2セット 21 - 25
第3セット 20 - 25
第4セット
第5セット
日付 2015年12月13日(日)
試合 V・プレミアリーグ第12戦
場所 パナソニックアリーナ
メンバー カジースキ、古田、高橋(慎)、辰巳、浅野、廣瀬 L興梠
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