ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

レセプションを崩されるなど課題は残したが、サーブで攻めて接戦を制した

 V・プレミリーグで初の4連勝を飾った。チームの勢いを感じさせる内容だった。しかし、取られたセットを見れば、今後に向けて課題を残す一戦となった。
 第1セットはいきなり3点のビハインドを負った。相手の巧みなサーブの前に、レセプションが崩された。嫌な流れをカジースキが断ち切った。ここからジェイテクトSTINGSが徐々に本領を発揮する。廣瀬の速攻、高橋(慎)のサービスエースなどで6−7と1点差に追い上げた。
 サーブレシーブが安定すると、カジースキのスパイクでブレイクポイントを奪った。さらに古田がサーブで攻め、ネット際に上がったボールをカジースキがダイレクトでたたき込む。古田がライトから決めて、一時は13−12とリードを奪った。
 これで勢いに乗るかに思われたが、サーブレシーブを崩されて3連続失点。テクニカルタイムアウト明けにもブレイクポイントを奪われて、ビハインドは3点に広がった。しかし、ジェイテクトSTINGSが2レグでつかんだのは、勝つことによる確かな自信だ。17−20の場面でコートに入った高橋(和)がサーブで反撃の狼煙を上げた。ノータッチエースを奪うと、粘り強く相手の攻撃をしのいでブレイク。一度はサイドアウトを切られるが、カジースキがブロック、スパイクで連続得点を奪い、ついに21−21の同点に追いついた。
 最後に大きな仕事を成し遂げたのが、それまで守備に徹していた浅野だ。同点となる23点目を奪うと、相手のミスを誘ってセットポイント。最後も浅野が決めて、25−23で第1セットを先取した。

 しかし、第2セットは大差で失セットを喫した。サーブで攻められ、2回目のテクニカルタイムアウトを7−16で落としている。終盤でスコアをひっくり返すには、開いた点差はあまりにも大きすぎた。カジースキ、古田のスパイクで4連続得点を奪うが、反撃もここまで。16−25でこのセットを失った。

 第3セットの序盤は廣瀬のサーブが機能した。古田のブロック、カジースキのスパイクで3点を先行。粘り強くつないだボールを浅野が決めて、8−3で1回目のテクニカルタイムアウトを奪った。しかし、廣瀬の速攻が連続で止められて10−8。ここから1点差に詰められると、再びサーブで攻められて12−13と逆転を許す。
 1点を追いかけるジェイテクトSTINGSは、カジースキのスパイクでブレイクポイントを奪った。そこから互いに1点ずつを取り合った。古田が難しい体勢から決めて22点目。さらにカジースキがサービスエースを決めて、リードを2点に広げる。これで勢いをつかんだ。相手のミスで24−22。浅野が渾身のスパイクを決めて25−23とし、勝利に王手をかけた。

 第4セットは、中盤の連続失点が響いて15−25で失った。味方のスパイクをカバーしなければいけない場面でお見合いがあった。連携がかみ合わず、スパイクは立て続けにアウトになった。
 勝敗の行方は、第5セットに持ち越された。明暗を分けたのはサーブだ。3−2の場面で、カジースキがノータッチエースを決めた。さらに自らのバックアタックで、5−2とリードを広げた。
 ここからは一進一退。9−6の場面で、廣瀬のサーブがついに覚醒する。ノータッチエースで10−6とした。さらに相手の守備を崩して、カジースキのスパイクをお膳立て。2本目のサービスエースが、この試合のマッチポイントとなった。6連続得点で14−6。最後はカジースキが決めて、15−7で締めくくった。

 接戦をものにした。苦しい場面で踏み止まり、4連勝をもぎ取った。しかし、内容に満足する選手はいない。増成監督は試合後、「3点を先行されるなど、スタートの悪さがあった。第1セットは逆転で取れたが、もしも落としていたら1−3で負けていたかもしれない。そうしたところを反省点にして、明日の試合に臨みたい」と語った。明日は、1レグでストレート負けしたパナソニックと対戦する。しっかりとリベンジを果たし、いい形で天皇杯に臨みたいところだ。

増成一志監督

勝ちはしたが、内容が悪い試合でした。相手の強いサーブ、スパイク、そしてブロックに苦戦したが、フェイントボールの処理やレセプションの連携など、ボールコントロールをしっかりやらなければいけません。2レグに入って負けがなく、各選手が少し浮き足立っているところがある。この先、相手はさらに力を上げてくるので、もう一度、一人一人が集中して、明日のパナソニック戦に臨みたいと思います。

高橋慎治

相手はホームゲームということもあり、サーブをはじめガンガン攻めてきました。最初はそれをうまくかわせていたが、第2、4セットは受け身になったと思います。逆に、取った第1、3、5セットは、相手よりも攻める気持ちを出せていました。(4連勝を)意識せずに目の前の一戦を勝ちにいくことが重要です。明日のパナソニック戦も、その気持ちをまた前面に出せるように頑張ります。

廣瀬優希

第2、4セットはスタートで相手に決められて、そこから自分たちが集中力を欠いてしまいました。声を出してチームを盛り上げようと思ったが、相手もサーブで攻めてきて止められなくなった。個人的にも、今日は全然ダメ。ミドルブロッカーなのに、1本もブロックで止められなかった。明日の相手は1レグで歯が立たなかったパナソニックですが、チームは4連勝といい形になっているので、勝てるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

一人の調子が上がらなければ他の選手がカバー。総力戦はこれからも続く

試合の流れを左右したのはサーブだった。サーブで攻めた第1、3、5セットはジェイテクトSTINGSが優位に試合を進めた。第1セットは途中出場の高橋(和)がサーブで流れを変えた。第3セットは、終盤のカジーキのサービスエースが決め手になった。第5セットの終盤は、廣瀬がサービスエースで2点を奪っている。一方で、取られた第2、4セットは、堺にサーブで攻められた。レセプションを崩されたことが、中盤での連続失点につながった。「巻いたボールを前に決められたが、シフトを前に上げたことで第5セットは安定した。(途中出場の)興梠も最後まで堅実なプレーをしてくれた」と増成監督。重要なのは、試合中に修正できたことだ。今日は本間が安定しなかったが、周りの選手が粘り強くカバーした。サーブレシーブ成功率を見ても、カジースキが75.0パーセント、浅野が71.8パーセントと安定した数字を残している。レギュラーラウンドは残り10試合。これからも総力戦が続く。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 25 - 23
第2セット 16 - 25
第3セット 25 - 23
第4セット 15 - 25
第5セット 15 - 7
日付 2015年12月12日(土)
試合 V・プレミアリーグ第11戦
場所 堺市金岡公園体育館
メンバー カジースキ、古田、高橋(慎)、辰巳、浅野、廣瀬 L本間
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