ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ

レシーブでリズムを作り2セットを連取。敗れはしたが、最後まで気迫のこもったプレーを見せた

 前日のパナソニック戦は、何もできないまま終わった。誰もが悔しい気持ちを抱いた。一夜明けても、それは変わらなかった。同じ試合をくり返してはいけない。それが選手全員に共通する合言葉だ。見違えるように、この日のジェイテクトSTINGSは気迫のこもったプレーを見せた。
 第1セットはJTサンダーズに先行を許したものの、内容は悪くなかった。古田がブロックでブレイクポイントを奪った。カジースキも高い打点から強烈なスパイクをたたき込んだ。袴谷が速攻を決め、セッターの高橋(慎)もバランスよくトスを配球。サーブには攻める意志がはっきりと表れていた。
 中盤の4連続失点で点差は開いたが、2枚替えで清野と久保山を同時に投入した。点差は縮められなかったが、新しいパターンを披露した。古田、辰巳のスパイクで粘り強く追いかけた。19−25でこのセットを落としたものの、前日の敗戦のショックは完全に払拭されていた。

 ジェイテクトSTINGSのエンジンがかかりはじめたのは第2セットに入ってからだ。辰巳がブロック、スパイクで流れを引き寄せ、古田がサーブで続いた。カジースキの連続得点で6−1。さらに浅野、本間がレシーブでファインプレーを連発し、会場を沸かせた。粘り強くボールをつなぎ、古田のサービスエースなどで3連続得点を奪った。
 カジースキにサーブが回ってくると、浅野がうまくブロックアウトを取って16−11とした。カジースキがノータッチエースを決め、浅野がタイミングのいいブロックで立て続けに得点を奪った。5連続得点で19−11。落ち着いた試合運びを見せたジェイテクトSTINGSが袴谷の速攻でセットポイントを奪うと、最後は古田のブロックポイントで25−15とこのセットを圧倒した。

 第3セットに入っても、浅野のジャンプサーブは冴えわたっていた。ノータッチエースでブレイクポイントを奪うと、古田もスパイク、ブロックで躍動した。浅野が2度目のサービスエースを決めて5−0。古田のプレーにも鬼気迫るものがあった。高い打点から次々と強烈なスパイクをたたき込んでいく。9−1とリードを広げると、浅野のバックアタックで11−2。さらに辰巳のサーブが機能して、16−4で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 12点差。これでこのセットの趨勢は決した。ジェイテクトSTINGSはカジースキのバックアタック、古田のスパイクで確実に加点。ワンポイントで角田を投入すると、盤石の試合運びを見せた。JTの得点を15点に抑えてこのセットを奪い、ついにセットカウント2−1と逆転に成功した。

 しかし、続く第4セットはJTに奪われた。ジェイテクトSTINGSのサーブが走らず、逆に相手に攻め込まれてしまった。これで勝負の行方は、第5セットに委ねられた。
 ジェイテクトSTINGSの集中力は途切れてはいなかった。第5セットは互いに1点を奪い合う展開。古田、カジースキの強打で粘り強く食らいついた。5−5の場面では、本間が抜群の反応でつないだボールをカジースキが決めて逆転に成功した。
 しかし、大事な場面でミスが続き、8−11と再び先行を許した。ここでジェイテクトSTINGSは2度のタイムアウトを消化。辰巳がスパイク、ブロックでサイドアウトを切った。高橋(和)、角田を2枚替えで投入した。最後まで気持ちを込めて戦ったが、12−15で試合終了。フルセットでJTに敗れた。

 1レグの最終戦を勝利で飾ることはできなかった。しかし、気迫のこもった戦いは、2レグ以降の戦いにつながるものだ。下を向く選手は一人もいなかった。「内容は悪くなかったが、最後のところでスパイクと連携のミスが出たのが敗因。2、3レグはミスを少なくし、連携の面でも引き締めて勝てるようにしていきたい」と浅野。増成監督も「練習から気迫のあるプレーをして、1レグ以上の勝利をつかみたい」とさらなる飛躍を誓った。

増成一志監督

選手たちは全力で戦ってくれました。昨日に比べて動きもよく、気迫のあるプレーを見せてくれた。ただ、3セット取らないと勝ちにはつながらない。大事な場面でイージーミスを犯してしまい、得点を取れなかったことが負けにつながった。拮抗した場面でも、もっと正確にプレーしないと上位のチームには勝たせてもらえません。2レグに向けてさらにギアアップし、一人一人が1点の重みを感じながら練習していきたいと思います。

高橋慎治

昨日は自分たちのミスで負けました。そのため、今日は全部出し切ろうと話して、試合に入りました。最初はそれが空回りしたけど、第2セット以降はいい形に持っていけたと思います。ただ、先に王手をかけながら逆転負けしたという意味では、サントリー戦と同じパターンになってしまった。それが残念です。負けはしましたが、今日の気持ちを忘れずに、2レグ以降も臨みたいと思います。

浅野博亮

第1セットを取られて昨日の悪い流れを引きずってしまうと思ったが、みんなが常に声を出して連携を取っていました。それによって、第2、3セットを取ることができた。カジースキと古田さんが前衛にいるときは、自分や(高橋)慎治さん、本間とレシーブのいい選手が後衛にそろっている。ここを落とさないという気持ちが強く、それがプレーに表れました。2レグ以降は連携のミスを修正していきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

気迫のこもったプレーを見せた! 今日の敗戦が、頂点へ向かう糧になる

この試合、一つのキーワードになったのが“気迫”だろう。ストレートで敗れた前日のパナソニック戦のあと、増成監督は「しっかりと切り替えて、気迫を持って臨みたい」と話していた。その言葉どおり、今日はスタートから選手たちの気迫がみなぎっていた。とくに本間、浅野の一球に対する執念は凄まじかった。コートの外に弾かれたボールも懸命に体を伸ばして拾いにいった。それに他の選手も呼応した。一つのボールに対する全員の集中力が高く、サーブ、ブロック、レシーブ、スパイクなどすべてのプレーにつながっていた。25−15と大差で奪った第2、3セットがそれを如実に物語っている。「昨日は自分たちのバレーをやらせてもらえなかった。今日は自分たちのバレーはできたが勝負に負けた。気持ちのこもったプレーを最後まで続けることが大事」と増成監督。大事なのは続けること。今日の敗戦は、頂点に立つための大事な糧だと思えばいい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ
第1セット 19 - 25
第2セット 25 - 15
第3セット 25 - 15
第4セット 19 - 25
第5セット 12 - 15
日付 2015年11月22日(日)
試合 V・プレミアリーグ第7戦
場所 小牧市スポーツ公園総合体育館(パークアリーナ小牧)
メンバー カジースキ、古田、高橋(慎)、辰巳、袴谷、浅野 L本間
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