ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

途中からコートに入った選手が躍動するが、最後まで勢いを取り戻せなかった

 タフな試合だった。一度失った流れは、あまりにも大きかった。パークアリーナ小牧で行われた一戦は、パナソニックパンサーズにストレート負け。多くの課題を残した。
 立ち上がりはジェイテクトSTINGSが主導権を握った。先制点を奪った袴谷がサーブで攻めた。カジースキがそれに続いた。浅野も高い決定力を発揮し、8−5で序盤を先行した。ブロックとレシーブの連携も機能し、粘り強くボールをつないだ。古田のスパイク、辰巳のブロックなどで5連続得点。15−9と大きくリードを広げた。
 しかし、2回目のテクニカルタイムアウトを過ぎたあたりから徐々に試合の流れがパナソニックへと傾いていく。サーブレシーブの失敗から連続失点を喫した。タイムアウトでも流れを変えることができず19−19の同点。細かいミスが響いて、ついに20−21と逆転を許した。
 カジースキにトスを集めるが、追いかける展開が続く。先にセットポイントを奪われると、流れを取り戻せないまま23−25で第1セットを失った。

 続く第2セットはわずか13点しか奪えなかった。本間に代わって興梠が入り、守備に落ち着きを取り戻した。しかし、カジースキ、古田のスパイクがことごとく封じられ、1−5となったところで1回目のタイムアウトを消化。それでも流れを変えることができず3−8とリードを許した。
 ベンチも動いた。5−14となったところで、古田に代わって清野が入った。そこから2点を追加されたところで高橋(和)もコートに入った。しかし、開いた点差はあまりにも大きかった。相手はサーブをカジースキに集めてきた。エースの足が止まった。パナソニックに終始主導権を握られ、13−25でこのセットを失った。

 あとがなくなった第3セット、ジェイテクトSTINGSは高橋(和)と清野をコートに残した。サーブで攻め込まれたが、再びコートに戻ってきた本間が粘り強い守備を披露した。辰巳のブロック、高橋(和)のスパイクなどで、2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。さらに清野が立て続けに決めて8−8。追い上げムードは高まった。
 しかし、ここで抜け出せないところに、この日の調子が表れていた。袴谷、清野のスパイクが封じられて5連続失点。11−17となったところで2回目のタイムアウトを使いきった。カジースキがサーブで攻め、高橋(和)のダイレクトスパイクでブレイクポイントを奪うが、あとが続かない。セッターの高橋(慎)がトスを散らし、清野が粘り強く得点を重ねた。しかし、点差は縮まらず20−25で試合終了。ストレート負けを喫した。

 1セットも奪えずに試合を終えたのは、今季のV・プレミアリーグでは初めてだ。「試合巧者のパナソニックさんにうまく自分たちの弱点を突かれた。これから先の試合に勝っていくためにも、選手たちにはそれをはねのける気迫がなければいけない」と増成監督。明日のJT戦は、いよいよ1レグの最終戦。この日の敗戦を引きずることなく、勝っていい形で2レグを迎えたいところだ。

増成一志監督

第1セットは最大で6点のリードがあったが、ジリジリ追い上げられて逆転で取られてしまいました。ここ数試合はそういうセットがあるが、なぜ取られたのかを一人一人が考えなければいけません。明日で1レグが終わるが、これからの対戦相手はデータをもとに戦ってくる。しっかりと自分たちのプレーを振り返って、修正していかなければいけない。明日のJT戦はしっかりと切り替えて、気迫を持って臨みたいと思います。

興梠亮

こういう場面で試合に出るのは初めてで、少し緊張がありました。今日はチーム自体も元気がなく、相手が攻めてくると受け身になった。僕はボールを拾うことしかできないので、何とかして役割を果たして流れを変えようと思っていました。今日のような試合をしっかり修正して、自分たちのバレーをしていくことが重要です。一人一人が役割を果たせるように、これからも練習していきます。

清野真一

少しでも全体の流れをよくしようと思ってコートに入りました。サーブで攻め切ることができなかったのが、流れを取り戻せなかった要因。僕もミスが多かったが、相手が得意とする速いバレーにやられた印象です。個人的にも、決められる場面で決められなかったところがあった。そういうところの精度を高めないといけません。失点を少なくすることを心がけて、決定力を高めていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

一人一人が役割を果たし、一丸となって勝利をつかみたい

追いかける展開の中でコートに入り、チームに流れを引き寄せるのは簡単ではない。それでも、今日の試合は第2セットの途中から入った清野が躍動した。数字のうえでも41.2パーセントの決定率を残している。難しいトスもしっかりと打ち抜き、“追い込まれてもジェイテクトSTINGSは攻めてくる”というイメージを相手に与えたに違いない。また、第2セットに入った興梠も、守備を落ち着かせる役割を果たした。サーブレシーブの受け数こそ少なかったが、存在感はしっかりと発揮した。高橋(和)も攻守にわたって安定感を見せている。「苦しい場面で出ることが多いが、そのために僕らは練習している。一つのセットでも勝利に貢献できるようにこれからも常に準備していきたい」と清野。スタメンも控えも一つのチームだ。大事なのは、一人一人が自分の役割を果たすこと。これからも、全員が一丸となって勝利を積み重ねていきたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 23 - 25
第2セット 13 - 25
第3セット 20 - 25
第4セット
第5セット
日付 2015年11月21日(土)
試合 V・プレミアリーグ第6戦
場所 小牧市スポーツ公園総合体育館(パークアリーナ小牧)
メンバー カジースキ、古田、高橋(慎)、辰巳、袴谷、浅野 L本間
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