ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

攻守が機能して2セットを先取。第3セット以降はメンバーを入れ替えたサントリーに押された

 悔しい負け方だった。先に2セットを奪いながら、逆転負けを喫した。ダメージはけっして小さくない。しかし、V・プレミアリーグはまだ始まったばかり。残りの16試合、そしてファイナルラウンドに目を向ければ、ここで踏み止まっているわけにはいかない。一つの敗戦を機に、ジェイテクトSTINGSの挑戦が再び始まった。今日のサントリーサンバーズとの一戦は、そういう内容のゲームだった。

 試合の入り方は悪くなかった。ジェイテクトSTINGSは、古田がエンドラインいっぱいにサービスエースを決めた。さらにカジースキのブロックポイントで点差を広げた。要所で辰巳も速攻を決めた。1回目のテクニカルタイムアウトを1点のビハインドで迎えたものの、ジェイテクトSTINGSの集中力は高まっていた。
 タイムアウト明けには、浅野の連続得点で逆転。高橋(慎)もサービスエースを決めて、3連続得点を奪った。浅野のバックアタック、カジースキのブロックで点差を広げた。リベロの本間も要所で抜群の反応を見せていた。勢いをキープしたジェイテクトSTINGSが、2回目のテクニカルタイムアウトを3点のリードで迎えた。さらに好調の浅野が次々と得点を重ねる。ラリーを取られる場面はあったが、集中力まで途切れることはなかった。辰巳がブロックで相手のスパイクを仕留めると、カジースキが決めてセットポイント。最後は3連続得点で25−20とし、第1セットを先取した。

 第2セットもジェイテクトSTINGSがイニシアチブを握った。カジースキのスパイクをきっかけに、古田、辰巳がブロックを決めて5−1。サントリーはタイムアウトを取るが、そのあとのプレーでカジースキがブロックを決めて6−1とさらに引き離す。
 サイド陣は好調だった。浅野がブロック、スパイクで連続得点を奪うと、12−4となったところでサントリーは早くも二度のタイムアウトを消化。さらに古田が強打を発揮して、15−6と点差を広げる。前日の堺戦と同様に、サーブも走っていた。大事なところでは、袴谷、辰巳が速攻を駆使して確実にサイドアウトを切った。危なげない試合運び見せたジェイテクトSTINGSが、サントリーの得点を15点に抑え、勝利に王手をかけた。

 このまま勝ち切らなければいけない試合だった。しかし、第3セットに入ると、流れが一気にサントリーへと傾きだす。きっかけは、選手を入れ替えたサントリーのベンチワークだ。若い選手の気迫に押され、ジェイテクトSTINGSは防戦を強いられた。中盤には浅野のスパイクが連続でラインを割り、5連続失点を喫した。浅野に代わって高橋(和)がコートに入るが、開いた点差は大きかった。終盤は接戦に持ち込んだが、20−25でこのセットを落とした。
 第4セット、ジェイテクトSTINGSはこれまでと同じ布陣でスタートした。一時は5−7とリードを許すが、カジースキのサービスエースなどで4連続得点。辰巳がサーブで相手を揺さぶると、袴谷、高橋(慎)が立て続けにブロックポイントを奪った。古田もレフトから強烈なスパイクをたたき込み、完全に流れを取り戻したかに思われた。
 しかし、この日のサントリーの気迫は凄まじかった。ここからは一進一退の展開。ジェイテクトSTINGSはカジースキにボールを集めて、リードをキープした。浅野もそれに続いた。しかし、古田が止められて20−20の同点に追いつかれると、袴谷のスパイクがアウトになった。先にセットポイントを奪ったのはサントリーのほうだった。ジェイテクトSTINGSはリリーフサーバーに清野を投入して粘りを見せたが、最後は26−28でこのセットを失った。

 第5セットは意地と意地のぶつかり合いだ。ジェイテクトSTINGSは3−1と先行したが、相手に連続でサービスエースを決められて4連続失点。さらに古田、浅野のスパイクが止められて6−10とリードを許した。それでも点差は4点。巻き返すチャンスはあった。しかし、勢いはサントリーにあった。最後は相手のサーブが浅野の手を弾いて試合終了。11−15でフルセット負けを喫した。
 敗れはしたが、勝ち点1は死守した。順位のうえでも3位をキープしている。「ウイングスパイカーに外国人選手を置いているので、オポジットまたは対角の選手がしっかり得点を取らないと勝っていけない。そこはセッターともしっかり話をして、組み立てを考えていきたいと思います」。試合後にこう振り返った増成監督。選手も一様に「悔しい」と口をそろえた。しかし、下を向く必要はない。1レグの最終週となる小牧大会で巻き返すのみだ。

増成一志監督

第3セット以降は、攻撃が単調になり、カジースキにボールが集まりすぎてしまいました。相手のレシーブに的を絞られたので、もっとコンビネーションを考えていきたい。大事なのは、全員バレーで目の前の一勝を目指してしっかり準備していくこと。昨日のしっかりしたバレーに対して、今日のバレーは弱さを見せたが、これで気持ちを引き締めて練習や試合に臨めると、これからの試合にとってはプラスになる。選手たちはよく戦ってくれました。

古田史郎

今すぐ振り返るのが難しいくらい、エキサイトしたゲームでした。すごく悔しい。ああいう展開で負けるのは、技術云々よりも気持ちの部分での修正の仕方だと思います。リーグを通して成長していくことを考えると、いい経験ができたかもしれません。どこをどう修正していくかは、相談しながらやっていきたい。とにかく一戦必勝です。来週こそ2連勝できるように頑張ります。

辰巳正敏

正直、すごく悔しいです。第1、2セットがいい感じだったのに、逆のパターンになってしまった。個人的にももっとできたと思う。第4セットの大事なところでスパイクミスがあったし、もっとコンビを合わせられる部分もあった。ブロックのタイミングも少し違っていました。来週も厳しい戦いになりますが、自分たちの持ち味である元気を出して、全員で勝ちに向かって頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

体育館の空気を変えたサントリーの選手交代。果たして誰が流れを取り戻すのか

勢いを失ったジェイテクトSTINGSは、前半と後半でまるで別のチームになってしまったかのようだった。その要因は第3セットの立ち上がりにある。サーブを前に落とされて、サービスエースを奪われた。いきなり3点のリードを許すと、古田のスパイクがアウトになった。目に見えない流れは、確実にサントリーへと傾いていた。そのサントリーは、得点を決めるたびに全員が全力で喜びを表していた。そのあとは、浅野のスパイクも立て続けにアウトになった。「入れ替わった選手に流れを持っていかれた。要所で簡単なミスもあった」と浅野。サントリーはこのセットのスタートから3人を入れ替えている。強烈な柳田のサーブは、体育館の雰囲気も変えた。結局、勢いを取り戻せないまま、ジェイテクトSTINGSは悪いムードのまま最後まで戦ってしまった。同様の試合はこれからもあるだろう。今日の敗戦を無駄にしないためにも、ムードを変える選手の登場に期待がかかる。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 25 - 20
第2セット 25 - 15
第3セット 20 - 25
第4セット 26 - 28
第5セット 11 - 15
日付 2015年11月15日(日)
試合 V・プレミアリーグ第5戦
場所 敦賀市総合運動公園体育館
メンバー カジースキ、古田、高橋(慎)、辰巳、袴谷、浅野 L本間
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