ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

清野がサーブで流れを変えて、逆転で第1セットを奪取。その後も安定した戦いで、相手に付け入る隙を与えなかった

 2勝1敗のジェイテクトSTINGSが、敦賀市総合運動公園体育館に乗り込んだ。この日の相手は堺ブレイザーズ。先週のホームゲームでつかんだいい流れを、今後の戦いにつなげたいところだ。
 第1セットは、袴谷のブロックポイントで幕を開けた。辰巳の速攻などで順調に得点を重ねるが、サーブレシーブが乱されると一気に流れが相手のほうへと傾いてしまう。高橋(和)に代わってスタメンに入った浅野も安定しない。「自分たちのサーブレシーブの連携ミスから相手にリードを許し、足が止まった感じのまま後半まで行ってしまった」と増成監督。4−9とビハインドは5点まで広がった。
 気を吐いたのが高橋(慎)だ。サーブで攻めて、相手を崩した。古田がスパイクで、袴谷がブロックでこれに応えた。さらに高橋(慎)のノータッチエースで5連続得点。ついに10−10の同点に追いついた。
 しかし、本間、浅野の間をつかれてサービスエースを決められるなど、守備が安定しない。カジースキのスパイクで粘り強く攻め込むが、13−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。さらにラリーで競り負けて16−20。第1セットの趨勢は決まったかに思われた。
 だが、ジェイテクトSTINGSは諦めてはいなかった。リリーフサーバーで入った高橋(和)がリズムを呼び込んだ。浅野の好レシーブが相手のミスを誘ってサイドアウトを切った。古田が決めてブレイクポイントを奪い、点差を2に縮めた。
 そして、21−23となったところで、清野がコートに入った。この采配が功を奏した。清野はいきなりノータッチエースを奪った。高橋(慎)のブロックポイントで23−23の同点に追いついた。なおもサーブで攻める清野。ラリーをカジースキのスパイクで制してセットポイントを奪った。ワンポイントブロッカーとして角田が入った。相手の攻撃をしのぐと、最後はカジースキが決めて25−23で第1セットを先取した。土壇場で入った清野が、チームに勇気を植え付けた結果だった。

 大逆転で第1セットを制し、ジェイテクトSTINGSが完全に勢いをつかんだ。続く第2セットは、袴谷がサーブで攻めた。サービスエースを決めて3−2。浅野にトスを集めると、8−7で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 浅野にサーブが回ると、前衛に上がってきたカジースキが決定力の高いスパイクをたたき込んだ。相手の3枚ブロックを弾き飛ばす豪快なスパイクで14−10。セッターの高橋(慎)はカジースキ、浅野のサイド陣を巧みに使って得点を量産した。この日のカジースキは止まらない。トータルで69.0パーセントの決定率を残した。着実に得点を重ね、25−20で2セットを連取した。

 チームが一丸となってつかんだ勝利だった。第3セットも、ジェイテクトSTINGSの集中力は途切れない。古田のスパイク、袴谷のサービスエースで3連続得点を奪った。さらにカジースキにサーブが回ってくると、浅野、辰巳が立て続けにブロックポイントを決めて5連続得点。カジースキのサービスエースなどで9−5と点差を広げた。
 負ける要素は何一つ見当たらなかった。カジースキのバックアタックで11−7。袴谷のブロック、浅野のスパイクで3連続得点を奪った。古田がブロックでプレッシャーをかけ、確実にサイドアウトを切った。高橋(慎)がこの日2本目のブロックポイント。本間の守備も安定感を取り戻した。大事な場面では、決めるべき選手が確実に決めた。25−16でゲームセット。会心の試合運びでストレート勝ちを決めた。
 お立ち台に立った袴谷は「みんなが自分たちのバレーをした。この勢いを大事にして、明日も勝ちたい」と意気込みを語った。勝ち点3を上積みし、3位に浮上した。勢いは間違いなく、ジェイテクトSTINGSにある。明日のサントリー戦も勝ち、スタートダッシュを決めたいところだ。

増成一志監督

第1セットは自分たちのミスから相手にリードを許したが、サーブに自信のある高橋(和)がいい形で入り、清野が連続してサーブを打つことができました。そこでカウンターアタックからしっかり得点できたことが勝利につながったと思います。控えの選手を含め、全員がしっかりと自分の役割を認識した試合でした。最後まで気を緩めず、勝ち点3が取れたことはよかったと思います。

浅野博亮

今日は初めてのスタメンでしたが、(高橋(和)の)どちらが出てもこのチームは強い。やはり、控えの選手がチームを盛り上げないと、本当に強いチームとは言えません。なかなか試合に出られない選手も、ものすごく練習しています。だからこそ出ている人も負けられないと思うし、変なプレーはできないという強い気持ちが出ている。ふだんの練習が厳しい分、いい効果が出ていると思います。

本間隆太

途中から入った先輩方がリズムを取り戻してくれたので、いい結果につながりました。夏場にすごいトレーニングをして、選手一人一人のパフォーマンスは上がっています。仮に僕がケガをしても、興梠さんは去年よりもいいパフォーマンスを見せてくれると思う。その点、安心してプレーできています。一人の調子が悪くても他の誰かがカバーするのがうちの強み。チーム一丸となって戦えています。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

練習はウソをつかないことを教えてくれた清野のビッグプレー

今日のヒーローを一人挙げるとすれば、清野をおいて他にいないだろう。第1セット、21−23の場面でコートに入ると、強烈なジャンプサーブをたたき込んだ。とにかく思い切りのあるサーブが光った。もし、少しでも弱気なところを見せていたら、すぐさま堺にサイドアウトを奪われていただろう。しかし、清野は攻めた。「サーブで攻める」という意志は、サービスエースになって表れた。高橋(慎)のブロック、カジースキのスパイクにもつながった。そして、第1セットの逆転劇を演出した。「もしもあそこを取られていたら、逆のパターンになっていたかもしれない」と振り返ったのは増成監督だ。「自分のルーティンを使って自分のリズムで打ってくれた。練習で何百本、何千本も打ってきたことが出せた。これは彼の練習の賜物だ。全員を勝因に挙げたいが、第1セットのあの場面で、清野のサーブがしっかり入って逆転できたからこそ勝てたと思う」。練習はウソをつかない――スポーツの本質を教えてくれた、清野のビッグプレーだった。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 25 - 23
第2セット 25 - 20
第3セット 25 - 16
第4セット
第5セット
日付 2015年11月14日(土)
試合 V・プレミアリーグ第4戦
場所 敦賀市総合運動公園体育館
メンバー カジースキ、古田、高橋(慎)、辰巳、袴谷、浅野 L本間
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