ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ

ミスで流れをつかめず2セットを失う。粘り強く第3セットを取り返したが、第4セットは再びミスで落とした

 開幕2連勝と好調なチーム同士の対戦となった。相手は、勝ち点1差で首位を走る豊田合成。ここでしっかりと白星を奪い、このあとの戦いに向けて弾みをつけたいところだ。しかし、先に試合の主導権を握ったのは豊田合成のほうだった。
 第1セット、ジェイテクトSTINGSはカジースキのスパイクで先制点を奪った。さらに古田のバックアタックで加点。ホームの大声援を力に変え、いい形で試合に入った。しかし、スパイクやサーブにミスが出はじめると、徐々に流れが豊田合成へと傾いていく。6−10となったところで、増成監督は1回目のタイムアウトを要求。高橋(和)がサーブで攻めて一時は1点差まで詰め寄ったが、カジースキのスパイクが相手のブロックに阻まれて再び点差を広げられた。
 カジースキも軟打を織り交ぜて相手の守備を崩しにかかるが、豊田合成の組織的なブロックの前に連続得点が奪えない。それでも、古田のスパイク、金丸の速攻、高橋(和)のサービスエースで点差を縮めると、スタートから入った辰巳も要所でスパイクをたたき込んだ。しかし、反撃もここまで。19−25で第1セットを失った。

 続く第2セットも一進一退の展開となった。ジェイテクトSTINGSはカジースキにボールを集めて得点を重ねるが、中盤以降はサイドアウトの応酬。古田のスパイクなどで1点のリードをキープした。何度止められても、渾身の力を込めてボールを打ち抜いた。
 しかし、カジースキのスパイクが止められると、均衡が破れる。ジェイテクトSTINGSが追いかける立場になった。古田のスパイクがアウトになって、2点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。さらにサーブレシーブが崩れて5連続失点。ベンチも動いた。浅野に続いて、15−21となったところでセッターの久保山を投入。カジースキのスパイクなどでサイドアウトを切るが、大きく流れを引き寄せるにはいたらない。古田の連続得点で意地を見せるが、このセットを21−25で落とした。

 ジェイテクトSTINGSの反撃が始まったのは第3セットからだ。袴谷、久保山、浅野をスタートから投入した。カジースキのスパイクで口火を切った。古田のスパイクでブレイクポイントを奪った。久保山もツーアタックで得点を決めた。浅野、袴谷が確実にサイドアウトを切り、8−7で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 スコアボードの数字は交互に動いた。カジースキ、浅野が高さのあるスパイクをたたき込んだ。久保山にアクシデントがあったが、代わって入った高橋(慎)が落ち着いたトスワークを見せた。一度は相手に先行を許したが、カジースキ、浅野が粘り強く得点を重ねていく。長いラリーの末に相手のミスを誘い、20−19と再びリードを奪った。リベロの本間が守備に安定感を生んだ。さらに相手のスパイクがアウトになって22−20。カジースキのブロックでセットポイントを奪うと、最後は金丸が決めて25−22でこのセットを取り返した。

 第4セットも試合を優位に進めていたのはジェイテクトSTINGSのほうだった。袴谷のサービスエースがあった。カジースキが高い打点からスパイクを放ち、浅野も安定したサーブレシーブを見せた。浅野のスパイクでブレイクポイントを奪い、15−15の同点に追いついた。ここから勢いに乗るはずだった。
 しかし、まさかのミスが続いた。タイムアウトでも嫌な流れを断ち切ることができず、古田のスパイクが相手のブロックに立て続けに阻まれた。18−25でこのセットを落とし、セットカウント1−3で今シーズン初黒星を喫した。

 タフな試合だったが、チャンスはあった。「流れを引き寄せるときに簡単なミスを出したことが敗因。サーブによる失点が23本あるが、極端に言うと1セット分をミスで相手に与えたことになる。その中で勝つのは難しい。課題をしっかり修正して、来週からの試合に臨みたい」と増成監督。リーグ戦はまだ始まったばかり。何よりも大切なのは、次週の福井大会に向けて気持ちを切り替えることだ。

増成一志監督

久しぶりに悔しい負け方をしました。ただし、途中から出場した浅野が活躍したことは、今後の戦いにつながります。彼が持っているレシーブ力、相手が嫌がるブロックアウト、コースの打ち分けは、このチームにとってすごくプラスになる。そのへんも視野に入れながら、今日の課題を練習で修正したいと思います。上位は混戦になっているので、一試合一試合、1点1点の重みを感じながら戦っていきます。

金丸晃大

これが今のジェイテクトSTINGSの実力です。第1セットの出だしも、相手に決められたというより自分たちのミスが多かった。第4セットも、セッターが拾ったボールに対して誰もトスを上げなかったり、インとアウトの判断ミスで相手に点が入る場面があった。コンビの部分では、1本目から100パーセント合わせる必要があると感じたので、来週の試合に向けて練習で修正していきたいと思います。

高橋和人

これが現段階での豊田合成さんとの力の差。ただ、全体的にコンビが合っていないというのがあって、そこさえ修正できれば第3セットのように自分たちのリズムで戦えることもわかりました。昨シーズンは大砲がいて、困ったときはそこに頼り切っていた。しかし、開幕戦や昨日の試合は、外国人に頼らないように(高橋)慎治さんがうまく使ってくれた。レギュラーラウンドであと2回対戦するので、そこで借りを返したいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

もったいないミスで試合の流れを失った。失った勝ち点は、次の試合で挽回したい

相手が返してきたボールをセッターの高橋(慎)が拾った。次に誰がトスを上げるかは、チームの約束事として決まっている。しかし、レシーブのポジションがいつもと違っていた。そこにズレがあった。選手同士がお見合いする結果となり、相手に1点を与えてしまった。第4セット、15−15の場面でのことだ。そのあとには、アウトになるだろうと見送ったボールがインになった。いずれももったいないミスだった。これをきっかけに連続失点を喫した。反撃のチャンスを自ら手放してしまったと言っていい。しかし、原因がはっきりしているミスは修正すればいい。大事なのは、引きずらないことだ。失った勝ち点は大きいが、リーグ戦はまだ始まったばかり。挽回するチャンスは十分に残されている。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ
第1セット 19 - 25
第2セット 21 - 25
第3セット 25 - 22
第4セット 18 - 25
第5セット
日付 2015年11月8日(日)
試合 V・プレミアリーグ第3戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館(ウィングアリーナ刈谷)
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(慎)、高橋(和)、辰巳 L本間
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