ジェイテクトSTINGS VS FC東京

袴谷のサーブで8点を先行。期待の新外国人カジースキも活躍し、盤石の試合運びを見せる

 いよいよ「2015/16V・プレミアリーグ」が幕を開けた。プレミア昇格から3年目となるジェイテクトSTINGSにとって重要なシーズンだ。開幕戦の相手はFC東京。16時45分、好天に恵まれた福岡市民体育館で熱戦の火ぶたが切って落とされた。
 スタメンはセッターに主将の高橋(慎)、オポジットに古田が入った。レフトはカジースキと高橋(和)、センター線は金丸と袴谷が対角を組んだ。リベロは、若い本間がポジションをつかんでいる。

 第1セット、先制点を奪ったのは古田だった。ここでサーブが回ってくると、袴谷が大きな仕事を成し遂げる。強烈なジャンプサーブで相手の守備を崩し、金丸のブロックポイントを演出。自らのサービスエースも含め、8−0と大きくリードを広げて1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 これで完全に流れをつかんだジェイテクトSTINGSは、その後も確実にサイドアウトを切った。新外国人選手のカジースキが高い打点から強打をたたき込み、高橋(和)は攻守にわたって高い技術を披露。今季からオポジットにコンバートした古田も奮闘した。終盤にはリリーフサーバーとしてVリーグデビューを果たした江頭が、サービスエースでブレイクポイント。最後まで気を緩めないジェイテクトSTINGSが、25−18で第1セットを締めくくった。

 続く第2セットもジェイテクトSTINGSが落ち着いた試合運びを見せた。序盤こそ1−4と先行を許すが、カジースキのバックアタック、金丸のサービスエース、高橋(和)のスパイクで3連続得点を奪い7−6と逆転。さらに中盤にもカジースキがフェイントで相手のブロックを揺さぶり、高橋(和)のバックアタックなどでFC東京を突き放す。守備では、リベロの本間がサーブレシーブ、ディグの両面で本領を発揮。安定したプレーで、チームの土台を支えた。
 終盤もジェイテクトSTINGSのサーブは冴えわたっていた。ブロックでワンタッチを取ってつないだボールは古田に集めた。17−15から一挙6連続得点。安定した戦いで、第2セットを25−17と圧倒した。

 袴谷のスパイクで先制した第3セットも、ジェイテクトSTINGSが常にリードを保った。セッターの高橋(慎)はバランスよくトスを散らし、カジースキ、高橋(和)のサイド陣が着実に加点。1回目のテクニカルタイムアウトを2点のリードで奪った。
 さらに2人のサイド陣はブロックでも活躍。相手スパイクの的を絞るだけでなく、キルブロックで得点も奪う。途中からコートに入った清野もスパイクを決め、チームのムードは最高潮に達した。最後は高橋(和)が決めて25−19でゲームセット。大事な開幕戦を、3−0でストレート勝ちした。

 最高のスタートを切った。デビュー戦を白星で飾ったカジースキは、「開幕戦だったので緊張もあったが、何よりも勝利でスタートすることができてうれしい」と笑顔。増成監督も「一戦必勝でさらなる高みを目指し、ジェイテクトらしいミスが少ない攻撃とサーブを武器に戦っていきたい」と語り、次週のホームゲーム(刈谷市総合運動公園体育館)に向けて弾みをつけた。

増成一志監督

開幕戦ということで選手にも少し緊張があったが、出だしに袴谷のサーブで点数を取ったことで平常心を取り戻しました。今日の試合は、サーブで自分たちの流れをつかんで得点が取れたことが一番の勝因。ただ、一つ一つのプレーをもっと細かくやっていかなければ、上位のチームには勝てません。そういうところを修正して、来週のホームゲームも一戦必勝で戦っていきます。

高橋慎治

サーブで攻めて相手を崩し、そこから切り返していくバレーがうまくできました。個人的にはトスがむちゃくちゃだったので、アタッカーに助けてもらったと思っています。カジースキに頼るときは頼るが、(高橋)和人や古田、センター陣のスパイク力も上がって、全員が信頼できる存在です。チームとして勢いがついたので、次週のホームゲームも1試合1試合を全員で勝ちにいきます。

マテイ・カジースキ

今日の試合に向けて準備してきたのでうれしく思います。V・プレミアリーグは初めてですが、まずは守備を固めることが一番だと感じています。そういう意味では、これからの試合で自分自身が慣れていかないといけません。今日は福岡での開催にも関わらず、たくさんのファンの方がいて驚きました。次週のホームゲームも、会場に来てくれたファンの方々のために全力を尽くします。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

サーブが機能して序盤で8点を先行。今シーズンの戦い方を見極める一戦となった

会心のスタートだった。第1セット序盤の8点で、この試合のほとんどが決まったと言っていい。袴谷がサーブで攻めて、相手の攻撃の選択肢を少なくした。的が絞りやすくなり、金丸が立て続けにブロックを決めた。袴谷自らサービスエースを重ね、カジースキ、古田のスパイクなどで8−0とした。「どこのチームにもビッグサーバーが何人かいる。自分たちも、(高橋)和人から、ないしは袴谷からスタートして先行を狙いたい。ジャンプサーブの強い選手を並べて、そこで相手を崩してブロックの絞りをもっとやっていきたい」。試合後にこう話した増成監督。ブロックでワンタッチを取って、カウンターアタックで得点を重ねていくのがジェイテクトSTINGSの戦い方だ。今シーズンの方向性を見極める上でも、重要な勝利となった。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS FC東京
第1セット 25 - 18
第2セット 25 - 17
第3セット 25 - 19
第4セット
第5セット
日付 2015年10月31日(土)
試合 V・プレミアリーグ第1戦
場所 福岡市民体育館
メンバー カジースキ、金丸、古田、高橋(慎)、高橋(和)、袴谷 L本間
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