ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ

第1セットの前半をリードするも、サーブレシーブが乱れて失速。ブロック、レシーブが機能せず、最後までペースをつかめなかった

 グループ戦で2連勝し、決勝トーナメント進出を決めた。しかし、今日のサントリーサンバーズ戦は単なる消化試合ではない。グループ戦を1位で突破し、次の戦いにつなげるための重要な一戦だ。

 立ち上がりは互角以上だった。確かに相手のサーブミスに救われたところもある。だが、それを差し引いても、チームから攻める気持ちが出ていた。廣瀬の速攻、郡のフェイントで確実にサイドアウトを切っていく。先発した福山のサービスエースもあった。7−7から4連続得点。ブラトエフがサーブで攻め、返ってきたボールを袴谷が決めた。廣瀬、郡もブロックで続いた。11−7とリードは一時4点まで開いた。
 しかし、中盤に入って、流れがサントリーの方へと傾いていく。サーブレシーブを崩された。立て直すことができず、2回目のテクニカルタイムアウトを1点のビハインドで失った。
 ここから相手のミスもあって3連続得点。要所で袴谷が決めてペースをつかみかけた。しかし、スコアは一進一退。それでも、郡が粘り強く決めて22−20とリードを奪った。23点目を奪ったところで秦、藤中を同時に投入した。あとはこのままサイドアウトを切っていけばよかった。
 セットポイントを先に奪ったのはサントリーだった。郡が立て続けに決めて、25−24と逆転に成功。しかし、あとが続かない。相手の高さのある攻撃を封じ切れず、27−29でこのセットを失った。

 大きなセットだった。第1セットを奪っていれば、試合のペースもつかんでいたに違いない。ジェイテクトSTINGSの集中力も途切れていなかった。
 その証拠に、第2セットは3点を先行している。しかし、サーブレシーブを崩されて、すぐに3点を奪い返された。その後はサイドアウトの応酬。袴谷のスパイク、福山の速攻などで確実に得点を積み重ねていった。1回目のテクニカルタイムアウトを1点のリードで奪った。
 3連続失点を喫したが、郡のバックアタック、袴谷のノータッチエースで詰め寄った。郡がサーブで攻め、ブラトエフが決めた。得点までの道筋もできあがっていた。セッターの久保山はバックアタックを駆使しながら多彩な攻撃を展開した。
 しかし、中盤はサントリーのムセルスキーにサーブで崩されてしまう。3本連続でサービスエースを決められた。ようやくサイドアウトを切ったものの、ビハインドは5点に広がっていた。ブラトエフのスパイク、福山のブロックなどで2点差に迫るが万事休す。22−25で失セットを喫した。

 第3セットはサントリーのペースで試合が進んだ。袴谷のスパイクでサイドアウトを切った。廣瀬のブロックも決まった。しかし、2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、7−9から4連続失点。サーブレシーブも修正し切れなかった。
 ここでセッターを久保山からルーキーの小林にスイッチ。サイドアウトを切ると、袴谷のラッキーな得点もあった。さらに小林が片手で上げたトスを福山が決めるなど、徐々に勢いを取り戻す。
 11−17の場面でミドルブロッカーの秦を投入。袴谷、廣瀬が決めてサイドアウトの応酬に持ち込んだ。しかし、終盤は失速。ブレイクポイントを奪って4点差に詰め寄るが、16−20から5連続失点。最後はサービスエースでの幕切れとなった。

 すでに決勝トーナメント進出が決まっていたとはいえ、悔しい敗戦だ。勝ち負けよりもむしろ、ジェイテクトSTINGSらしさが見られなかった。ペースを取り戻せないまま、淡々と試合が進んでいった。
「こういうバレーをやっていたら、どこのチームにも勝てない。もちろん、今いる選手は、この程度のレベルではありません。気持ちの入れ方次第でまだまだ上を目指せるチームだと思っています。もう一度、気持ちを入れ直して明日の試合に臨みます」
 明日は特別推薦で決勝トーナメントから出場するパナソニックと対戦する。勝って次のステージ、センターコートへと駒を進めたい。

髙橋慎治監督

第1セットの立ち上がりはいい部分もありました。ただ、相手に簡単に点数を与えてしまうことも多かった。それが逆転でセットを失った要因だと思います。そこをもっと詰めていたら第1セットも取れていたと思うし、そのあとの展開にもつながっていたと思う。1点1点、1プレー1プレーの質をもっと高めなければいけません。技術的なことを1日で上げるのは難しいけど、メンタルを上げることはできます。どうやって1点を取っていくかもそうだし、どうやって点を与えないかもそう。1点の重みを感じながらプレーしていきたい。自分たちのバレーを見つめ直し、もう一度、気持ちを入れて明日のパナソニック戦に臨みたいと思います。

興梠亮

相手のサーブに対して最初は3人で対応していました。しかし、コースに打たれたことで、そこからサイドアウトが切れなくなった。4人に変更してもしっかりとコースを狙ってきた。たとえボールが上がってもそこで決め切れず、自分たちの方に流れを持ってくることができませんでした。そこはもうちょっと詰めていかなければいけません。もちろん目標は優勝ですが、黒鷲旗は毎年、引退する選手のためにもいい形で終わりたいと思っています。松原と清野はチャレンジ時代からやっているメンバーで、自分としてもいろいろな思いがある。明日から決勝トーナメントになりますが、引退する選手のためにもいいプレーをして全員で勝ち進んでいきたいと思います。

袴谷亮介

西田が不在の上、同じオポジットの清野が引退ということで、僕にかかってくる責任が大きくなることはわかっていました。清野が安心して引退できるように、結果をしっかり残さなければいけないと思っています。それプラス、自分にとってはチャンスでもある。リーグでは開幕戦からチャンスをつかみ切れなかったので、ここでしっかり結果を残して来シーズンにつなげたいと思っています。試合ごと、セットごとにまだまだ波があります。いい時はチームを引っ張っていけるようなスパイクが打てているけど、ダメになると自分もチームも雰囲気が下がってしまう。そこは修正しなければいけません。試合に勝つことはもちろん、自分の結果にもこだわりたい。それがチームの勝利にもつながると思っています。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

相手に合わせてはいけない。大事なのは、どんな時も自分たちのバレーをすることだ

よかった点を探すのが難しい試合になってしまった。唯一ペースをつかんだのが、第1セットの立ち上がりだ。確かに相手のサーブミスに助けられた部分もある。中盤も相手のスパイクが立て続けにラインを割った。本来なら、ここで突き放さなければいけなかった。しかし、勝負どころで1点が取れなかった。結果的に第1セットの失速が最後まで響いた。「相手がどこであれ、自分たちがやらないといけないことは変わらない。今まで練習してきたことを出すだけ。今日はそれができていなかった」。こう振り返ったのは高橋監督だ。相手に合わせてはいけない。どんな時でも自分たちのバレーを展開できる。それが強いチームの証だ。ここからはすべての試合が集大成である。このまま終わるわけにはいかない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS サントリーサンバーズ
第1セット 27 - 29
第2セット 22 - 25
第3セット 16 - 25
第4セット
第5セット
日付 2019年5月3日(金)
試合 第68回黒鷲旗 全日本男女選抜大会 グループ戦
場所 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
メンバー 福山、ブラトエフ、郡、袴谷、久保山、廣瀬 L興梠
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