ジェイテクトSTINGS VS 明治大学

郡が攻撃面で躍動。ベンチ入りした14人全員がコートに入り、最後は松原が締めくくる

 グループ戦の初戦をフルセットで制したジェイテクトSTINGSはこの日、明治大学と対戦した。立ち上がりからアクセル全開。袴谷、郡が軽快に決めて幸先よくリードを奪った。郡が絶好調だ。ブロックでも得点を奪うなど存在感を発揮。ブラトエフのバックアタックが決まって7−3とすると、3点のリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 廣瀬の速攻などで3連続得点を奪ったところで、明治大は1回目のタイムアウトを要求。一時は10−8と2点差まで追い上げられたが、ジェイテクトSTINGSは攻撃の手を緩めない。要所でブラトエフが加点した。さらに2回目のテクニカルタイムアウトを挟んで5連続得点。全員が攻撃の意識を高く持ち、郡、袴谷のスパイクでブレイクを奪った。ブラトエフがサービスエースを決めるなど、試合の流れは完全にジェイテクトSTINGSの方へと傾いていた。
 19−12の場面では松原がコートに入った。さらに終盤は藤中をコートに送り込んで守備を固める。袴谷も高い決定力をキープ。24−19とセットポイントを奪うと、最後は郡のブロックで第1セットを先取した。

 第2セットの序盤には、袴谷に代わって清野がオポジットに入った。明治大にリードを許すものの、郡のスパイクなどで徐々に点差を縮めていく。さらに5−7となったところでセッターを中根から久保山にスイッチ。ブラトエフのスパイクなどで1点差まで詰め寄った。
 終始高いパフォーマンスを発揮したのが郡だ。9−13の場面では、相手のブロックが3枚つくと見るや、手首をうまく返してフェイントで得点。ここから清野が立て続けに得点を重ね、ついに13−13の同点に追いついた。
 中盤以降はサイドアウトの応酬となった。ジェイテクトSTINGSは廣瀬の速攻、金丸のブロックなどで粘り強く得点を重ねていく。久保山のトスワークも光った。清野は持ち前の球足の長いスパイクを相手コートの奥に突き刺した。ブラトエフもバックアタックで得点。しかし、なかなか抜け出すことができない。
 22−22となったところで藤中を投入。しかし、ここから3連続失点を喫し、22−25でこのセットを落とした。

 第3セットは秦がコートに入った。セッターの久保山が巧みにトスを散らし、清野、郡、ブラトエフのスパイクなどで6−3とリードを広げる。郡のパイプ攻撃が機能してさらに3連続得点。9−4と粘る明治大を突き放した。
 要所で活躍したのが金丸だ。ブロック、速攻で連続得点。攻守が噛み合ったジェイテクトSTINGSのペースで試合が進行する。
 秦、ブラトエフが並んだネット際は高い。立て続けにブロックポイントを稼いで16−12とした。中盤以降も落ち着いた試合運びを見せると、興梠がレシーブしたボールが相手コートに落ちて21点目。ブラトエフのバックアタックで22−18。最後は集まったトスを清野が確実に決めて、25−20でこのセットを奪取した。

 第4セットは郡のスパイクで先制した。秦のブロックで4−1。明治大が早くも1回目のタイムアウトを要求する。さらに久保山がネット際で競り勝ち、清野のスパイクで7−2。ブラトエフのスパイクで1回目のテクニカルタイムアウトを4点のリードで奪った。
 ジェイテクトSTINGSの勢いが止まらない。ブラトエフ、清野のスパイクなどで3連続得点。中盤以降は郡が躍動する。上がってきたトスを確実に得点につなげた。積極的にトスを呼び込み、相手のブロックを揺さぶった。2回目のテクニカルタイムアウトを16−8のダブルスコアで奪った。
 17−9になると、ブラトエフに代わって柳澤がコートイン。その柳澤が19点目を決めたところで、福山もコートに入った。まさに総力戦だった。ミスが響いて3連続失点を喫したが、チームに焦りはない。清野が決めて21−15。郡のスパイクで確実にサイドアウトを切る。
 松原が後衛でコートに入った。24−19。1本目のバックアタックは相手に封じられた。24−20。最後に久保山が託したのはやはり松原だ。背番号10がバックアタックを決めた瞬間、他の選手もコートになだれ込み歓喜の輪ができあがった。

 ベンチ入りした14人全員がコートに立った。苦戦を強いられたが、記憶に残る一戦となった。
「次の一戦に照準を合わせて、しっかりと準備していきたい」
 勝って兜の緒を締めた高橋監督。この後の試合でサントリーが大分三好を下し、ジェイテクトSTINGSの決勝トーナメント進出が決まった。明日のサントリー戦は、結果以上に内容が求められる。リーグ戦が終わってから積み上げてきたものを、全力でぶつけたいところだ。

髙橋慎治監督

取られた第2セットは、サーブミスが多く自分たちのリズムが作れませんでした。自分たちの手でセットを失った。ただ、第3セット以降は修正して戦うことができたと思います。サーブだけでなく、あらゆるミスに注意を払うことができました。一人ひとりが自分のやるべき仕事を果たし、それによってチームとして戦うことができました。リーグが終わってからチーム内の競争意識が高まり、それが黒鷲旗に入っても続いています。一人ひとりのモチベーションにも繋がっていて、とてもいい傾向だと思います。

清野真一

コートに入った時はチームの流れがあまりよくありませんでした。その第2セットは落としたけど、そこから立て直して勝ちにつなげることができたのでよかったです。最初は体育館に慣れなくて、サーブも入らなかった。スパイクは悪くなかったので、細かいところを修正できたら、もっといいプレーができると思います。この大会で引退とか、あまりそういうことは考えず、優勝を目指して戦いたい。ファンの方も見てくださっているので、自分らしいプレーができたらと思います。特に僕の持ち味はスパイク。これからも試合に出る機会があれば、自分らしいプレーをしっかりして、ファンの皆様に最後の勇姿をお見せしたいと思います。

郡浩也

昨日の試合の序盤は、緊張もあって自分の力を発揮することができませんでした。ただ、終盤は立て直すことができた。今日はそのまま試合に臨むことができ、第1セットから自分の力を発揮することができました。この大会を最後に引退する選手と、1日でも長く一緒にバレーがしたいですね。今日も、松原さんと清野さんがコートに入って盛り上がりました。個人的にもしっかりコースに打てていて、調子がいいです。特にストレートに打てている時は頭が使えている証拠。浅野さんと西田はいませんが、個の力に頼らず全員で点を取りにいきたい。西田の分は、僕が決めます。まずは全員で勝ちにいくという姿勢で臨みたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

チーム内の競争意識が、一人ひとりの高いパフォーマンスを生んでいる

チーム内の競争意識が高い。誰かに頼るのではなく、一人ひとりが役割を果たしている。浅野、西田を日本代表で欠いたことも、相乗効果を生んでいるのだろう。この日、ベンチ入りした全員がコートに立つ中、異彩を放ったのが郡だ。打数、決定率ともに高い数字を残し、2試合続けて攻撃の柱として活躍している。「この大会は、浅野さんと西田がいません。公式プログラムには注目選手として掲載していただきました。自分がチームを勝利に導くという意味でも、すごくモチベーションが高いです」。リーグ戦では怪我もあった。悔しさを晴らすためには、勝ち続けるしかない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 明治大学
第1セット 25 - 19
第2セット 22 - 25
第3セット 25 - 20
第4セット 25 - 20
第5セット
日付 2019年5月2日(木)
試合 第68回黒鷲旗 全日本男女選抜大会 グループ戦
場所 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
メンバー 金丸、ブラトエフ、郡、袴谷、中根、廣瀬 L興梠
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