ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ

立ち上がりは互角の展開に持ち込むが、中盤以降に失速。高さのあるJTの攻撃を封じ切れなかった

 ジェイテクトSTINGSが正念場を迎えている。ファイナル6の進出がかかった重要な一戦。しかし、試合は序盤から苦しい展開となった。
 立ち上がりからスパイクミスが続いて3連続失点。それでも、そこから一進一退の展開に持ち込む。気を吐いたのが西田だ。強烈なスパイクを立て続けに放った。ブロックも決めた。2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、JTサンダーズとの実力にそれほど大きな差はなかった。
 しかし、西田に対するマークが厳しくなると、点差が広がり8−12。ここで高橋監督が1回目のタイムアウトを要求する。
 秦が流れを引き寄せた。興梠、浅野を軸にサーブレシーブも安定。ブラトエフのスパイク、西田のブロックなどで粘り強く得点を重ねる。13−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、ここからジェイテクトSTINGSが3連続得点。ブラトエフのスパイクをきっかけに浅野が続いて16−16の同点に追いついた。
 拮抗した展開。ジェイテクトSTINGSはワンポイントで辰巳を投入するなど、相手にプレッシャーをかけ続ける。しかし、大事な場面でミスが続いて3連続失点。金丸の速攻で嫌な流れを断ち切るが、最後はサーブレシーブの失敗を相手に突かれて失点。21−25でこのセットを失った。

 第2セット、ジェイテクトSTINGSは同じ布陣でスタートした。高さのあるJTのエドガーにマッチアップしたのはブラトエフだ。
 先手を取ったのはジェイテクトSTINGSだった。セッター久保山のトスワークも冴えていた。浅野、秦のスパイクでサイドアウトを切った。3−3から西田のスパイク、ブラトエフのブロックで連続得点。さらに5−5から西田のスパイクをきっかけに、ブラトエフのブロック、浅野のバックアタックなどで3連続得点を奪い、8−5とリードを広げる。
 その後もジェイテクトSTINGSが順調に得点を重ねていった。サイド陣が高い決定率をはじき出す。サーブレシーブが安定しない時も、取るべき選手が確実に得点を取ってカバーした。相手のミスで13−9とリードが開いたところで、JTがこの試合初めてのタイムアウトを要求する。
 それでも、ジェイテクトSTINGSは集中力を維持していた。ところが、14−11から調子の波が一気に下降線をたどる。相手の高いブロックに苦戦して5連続失点。14−16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 このまま終わるわけにはいかない。ブラトエフのスパイクなどで16−16の同点に追いついた。ここでセッターを久保山から中根にスイッチ。西田がスパイクを決め、いいリズムで得点を重ねる。さらに秦がブロックを決めて、19−18とついに逆転に成功した。
 しかし、この日のジェイテクトSTINGSはあとが続かない。3連続失点。西田がスパイクでムードを盛り上げるが、20−23とさらに点差が広がった。秦のブロックでブレイクポイントを奪うが万事休す。22−25で失セットを喫した。

 第3セットは、JTに先行を許した。1回目のテクニカルタイムアウトを3−8。3連続失点が2度、続いた。焦りからか、気持ちがやや空回りした。
 追加点を奪われて3−9となったところで高橋監督はタイムアウトを要求。ようやくペースを取り戻し、浅野のバックアタックなどで3点差に迫る。中盤は互いに1点ずつを取り合う展開。ジェイテクトSTINGSは浅野のスパイクや秦の速攻でサイドアウトを切った。西田も徐々に本調子を取り戻した。
 12−16で2回目のテクニカルタイムアウト。後半はブラトエフにトスが集まった。サーブレシーブも機能し、確実に得点を重ねていった。しかし、ブレイクポイントを奪われて14−19、ジェイテクトSTINGSが2度目のタイムアウトを取る。相手のミスでピンチをしのぐが、点差は縮まらない。
 サービスエースを決められて19−24。西田のスパイク、ブロックで粘りを見せた。しかし、最後は押し切られて22−25。ストレート負けを喫した。

 内容は決して悪くなかった。気迫も見せた。しかし、敗戦までの流れは前日のサントリー戦とほとんど変わらなかった。
「昨日の試合と同様、出だしはそれほど悪くなかった。ただ、後半にイージーミスが出て相手に流れを持っていかれてしまいました。プレッシャーがかかった場面で、一人ひとりが自分のパフォーマンスを発揮できていません。そこを修正しなければいけないと思います」
 試合後にそう語った浅野。来週はレギュラーラウンドの最終週、奈良で開催されるホームゲームだ。ファイナル6に向けて、勝点3が必要な状況であることに変わりはない。一戦必勝。目の前の試合に集中することが何よりも重要である。

高橋慎治監督

JTさんの堅い守りとエドガー選手の高い攻撃に押され、自分たちの展開に持ち込むことができませんでした。ただ、昨日のサントリー戦はディグが上がっており、2試合を通して見ればいい傾向は出ていると思います。また、アタッカーの決定率や効果率がなかなか上がらない中、トスが集まった浅野選手が高い決定率を残してくれました。そこもよかった点です。他チームの結果にもよりますが、ファイナル6に向けてあとがない状況であることに変わりはありません。来週のホームゲームに向けて、しっかり準備したいと思います。

金丸晃大

勝てばファイナル6の進出を大きく引き寄せる大事な試合でしたが、いい流れの時に小さなミスが出てしまいました。そこが最近は、チームが勝てない要因になっています。小さなミスから相手に流れが行ってしまっている。チームの約束事や確認の声を全員が出して、ミスをなくすことが大事です。一から見直して、来週に向けて取り組んでいかなければいけません。まだファイナル6の進出が途絶えたわけではない。まずは次の大分三好戦に向けて全員が危機感を持ち、全力を出して勝ちにいきたいと思います。

ブラトエフ・ヴァレンティン

強いチームに対して、自分たちのプレーができませんでした。小さなミスが目立ち、望む結果を残すことができませんでした。とにかくミスをなくすことが重要です。ファイナル6に進むチャンスがある限り、ベストを尽くさなければいけません。来週はホームゲームですが、そうでなかったとしても私たちは常に勝つためにプレーしています。プロフェッショナルとしてそういう考えを持つことが大事で、とにかくいい練習ができるように一生懸命取り組んでいきたい。いい形で来週の2試合に臨めるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

前日からサーブを修正。チームの強みを取り戻したい

前日のサントリー戦はサーブによる失点が4セットで「19」本あった。それが今日の試合は、3セットで「9」本と大幅に減らしている。セット数の違いこそあれ、課題の修正には成功したと言っていい。「今日はサーブミスをだいぶ抑えることができました。そこはポジティブな点。ただ、その中でも効果的なサーブをもっと打てるようにしなければいけません」。試合後にこう話した高橋監督。JTのサーブレシーブ成功率を50.0パーセントまで抑えたが、ジェイテクトSTINGSが持つ本来のサーブ力ならもっと崩せたはずだ。サーブで試合の主導権を握ることも不可能ではなかった。レギュラーラウンドはあと2試合。ジェイテクトSTINGSの強みをもう一度、取り戻したい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ
第1セット 21 - 25
第2セット 22 - 25
第3セット 22 - 25
第4セット
第5セット
日付 2019年2月17日(日)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第25戦
場所 大田区総合体育館
メンバー 金丸、ブラトエフ、西田、久保山、秦、浅野 L興梠
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