ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ

西田がサーブ、スパイクで活躍して第2セットを奪取。最後まで勢いに乗れず、第4セットは大差で落とす

 悔しい結果になった。堺ブレイザーズに1−3で敗戦。この日のジェイテクトSTINGSは、体調不良で3人を欠いていた。しかし、そのことはエクスキューズにならない。残ったメンバーでしっかりと準備をしてきたからだ。高橋監督も「そこは問題じゃない。今いるメンバーで勝つバレーをするために頑張ってきた」と振り返っている。
 だからこそ、悔しい敗戦だ。ただの一敗ではない。3レグでのリベンジ、そして、レギュラーラウンドの後半戦で巻き返すための貴重な一敗である。

 開幕戦以来となる堺ブレイザーズとの一戦。ジェイテクトSTINGSのスタートは、セッターが中根、オポジットが西田。ミドルブロッカーの金丸と秦が対角を組み、サイドには浅野とブラトエフが入った。リベロは興梠だ。
 立ち上がりは互角の展開。金丸の速攻で先制したジェイテクトSTINGSが、秦のスパイク、中根のブロックなどで得点を積み重ねていく。浅野もキレのあるスパイクをたたき込んだ。2点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウト。しかし、ジェイテクトSTINGSの内容は決して悪くない。
 西田がサーブで攻めて3連続得点。得意のローテーションで10−10の同点に追いついた。しかし、その後は一進一退。相手のミスが続いたが、ジェイテクトSTINGSも勢いをつかめない。浅野のバックアタックなどで食らいつくものの、16−20とビハインドは4点に広がった。
 それでもまだ追いつくチャンスはあった。18−21の場面でコートに入った松原が、会心のサービスエースを決める。これで堺もタイムアウトを要求。しかし、これ以上、このセットの点差が縮まることはなかった。西田のブロックや金丸の速攻でサイドアウトを切るが、反撃もここまで。22−25でこのセットを失った。

 第2セットに入るとジェイテクトSTINGSが本領を発揮。浅野のサーブでスタートすると、西田、金丸の得点で一挙3得点。その後も、西田、ブラトエフらサイドを軸に、得点を量産していく。8−2と大きくリードを広げた。
 ジェイテクトSTINGSの勢いが止まらない。西田のスパイク、浅野のブロックなどで3連続得点。金丸もブロックで相手にプレッシャーをかけ続けた。相手のサーブミスが続いたこともあり、点差をキープしたまま中盤まで試合を進めていった。
 ブラトエフのエンジンもかかってきた。セッターの中根は巧みにトスを散らした。リベロの興梠を中心に守備も安定してきた。落ち着いた試合運びだった。さらにリリーフサーバーの松原が、この日2本目のサービスエース。21−10とジェイテクトSTINGSが完全に主導権を握る。
 相手のサーブミスでセットポイント。最後はブラトエフがスパイクを決めて、25−15の大差でジェイテクトSTINGSがセットカウントを振り出しに戻した。

 これで勢いに乗るかに思われた。しかし、第3セットに入るとジェイテクトSTINGSが失速。ブラトエフが相手のマークに苦しんだ。ラリーが取れないのも、スタートダッシュを切れない要因と言えるだろう。6−11になったところで、高橋監督は1回目のタイムアウトを要求した。
 ジェイテクトSTINGSは、秦がブロックで応戦。ブラトエフもサービスエースで続く。4連続得点で13−15と2点差まで縮めた。さらに14−18でコートに入った松原が大きな仕事を成し遂げる。この日、3本目のサービスエース。一度はアウトになったかに思われたが、チャレンジの成功によってスコアが覆った。前衛に袴谷を投入して、ジェイテクトSTINGSが勝負に出る。しかし、サービスエースを決められて16−20。互いに1点ずつを取り合う展開が続いた。最後まで粘りを見せたが序盤に開いた点差はあまりに大きく、22−25でこのセットを失った。

 第4セットは、堺の一方的な展開だった。ブラトエフが決まらない。何度スパイクを打っても、相手のブロックに跳ね返された。それでも、西田のノータッチエース、ブラトエフのスパイクなどで4−4に追いついた。秦も速攻でサイドアウトを切った。しかし、5−5から7連続失点。サーブレシーブは悪くなかったが、攻撃が相手ブロックにことごとく引っかかった。
 5−10となったところでセッターを中根から渡邉にスイッチ。ネットぎわに高さを生み出した。
 秦のサーブが相手のブロックを揺さぶり、4連続得点を奪った。柳澤がコートに入り、金丸のブロック、浅野のスパイクも効果的に決まった。9−12、巻き返しのチャンスはあった。しかし、ここから3連続失点。細かいミスが尾を引いた。
 ジェイテクトSTINGSは諦めない。金丸、西田のスパイクなどで懸命に食らいついた。しかし、サーブレシーブの乱れから攻撃のリズムがつかめない。最後は14−20から5連続失点。浅野を軸にサーブレシーブは徐々に安定感を取り戻したが、柳澤、ブラトエフのスパイクがことごとく相手のブロックに阻まれた。14−25。完敗だった。

 セットカウント1−3。第2セットこそ堺を圧倒したが、失った流れを最後まで取り戻すことができなかった。試合後の円陣で、キャプテンの浅野が「今日の試合に負けたからといって、リーグがすべて終わったわけじゃない」と言ったという。
 そう。下を見る必要はない。レギュラーラウンドは混戦だ。上位との差も縮まってきている。反撃のチャンスは十分にある。

高橋慎治監督

今いるメンバーでしっかりと準備をしてきました。相手の対策もしっかりしてきた。それだけに、結果が伴わず残念です。自分たちがセットを取っても、その後のセットで攻め切れていませんでした。先週のVC長野戦、FC東京戦と一緒。油断があったわけではありませんが、何かが欠けていたと思います。相手にリードされた時に、自分たちは何をすればいいのか。我々スタッフ陣も含めて修正し、明日の試合に臨みたいと思います。レギュラーラウンドも後半戦に入り、落とせる試合は一つもありません。目の前の試合を全力で戦っていきます。

金丸晃大

先週は2勝しましたが、内容的にはよくないバレーが続いています。自分たちのいいバレーができていない。もう一度、練習で修正しなければいけません。相手に先行されたセットは、フォローやアウトなど、小さなミスが多かったように思います。今日は相手の松岡選手にストレートを打たれたりインナーを打たれたり、幅広くコースを抜かせてしまった。それに対してレシーブが上がらなかったので、修正が必要です。ブロックもレシーブも迷いがあったのかもしれません。まずは気持ちをしっかり切り替えて、明日はいいバレーができるように頑張ります。

秦臻

コンディションの関係でメンバーがそろいませんでしたが、そこも克服していかなければいけません。自分を信じて次の試合を勝ちにいくことが重要です。取られたセットは、なかなかコンビが合わない場面がありました。そこは練習で改善できるようにしていきたい。今日は3本のブロックポイントがありましたが、大事なのは集中力と経験、そして練習です。また、データがあるので、コーチからの指示もポイントと言えるでしょう。ブロックだけでなく攻撃でもチームに貢献したい。チームの雰囲気が明るくなるように、積極的に盛り上げていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

1回目のテクニカルタイムアウトがポイント。序盤からスタートダッシュを切りたい

6−8、8−2、5−8、5−8、第1セットから順番に1回目のテクニカルタイムアウトのスコアだ。つまり、取った第2セットだけ、ジェイテクトSTINGSは1回目のテクニカルタイムアウトを奪っている。それ以外の第1、3、4セット、序盤に走れなかった要因は何か。高橋監督が言う。「自分たちで攻め切れていなかった。第2セットのように相手が崩れた時はいい展開に持ち込むが、競り合っていたり相手がリードしている時に受け身になってしまいました」。力が拮抗しているチーム同士の対戦だけに、序盤で点差が開くと巻き返しが難しくなる。チャンスを確実にものにして、スタートダッシュを切りたいところだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 堺ブレイザーズ
第1セット 22 - 25
第2セット 25 - 15
第3セット 22 - 25
第4セット 14 - 25
第5セット
日付 2019年1月12日(土)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第16戦
場所 福山市緑町公園屋内競技場(ローズアリーナ)
メンバー 金丸、ブラトエフ、西田、中根、秦、浅野 L興梠
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