ジェイテクトSTINGS VS 大分三好ヴァイセアドラー

ブラトエフが気迫のこもったプレーを見せ、フルセットの接戦に持ち込む。要所でミスが出て、第5セットも競り負ける

 今日から2レグのスタートである。大事な一戦を、ジェイテクトSTINGSはとくぎんトモニアリーナ(徳島市立体育館)で迎えた。徳島でのホームゲームは初めての開催だ。体育館はジェイテクトSTINGSの声援で燃え上がった。

 立ち上がりは福山の速攻でサイドアウトを切った。しかし、浅野のスパイクが止められるなど3連続失点。流れを引き戻したのは袴谷だ。ライトから幅のあるスパイクを決め、ネット際でも強さを発揮。6−8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えるが、袴谷のサービスエースなどで1点差に迫った。
 さらに福山がネット際で競り勝って12−12の同点。しかし、ジェイテクトSTINGSはここからリズムを失う。大分三好ヴァイセアドラーのエスペポに連続でサービスエースを奪われると、袴谷、浅野のスパイクが立て続けに失敗。タイムアウトでも流れを取り戻せず、12−19とリードを広げられた。
 しかし、今日はジェイテクトSTINGSのホームゲームだ。諦めるわけにはいかない。浅野のスパイクでラリーを制すと、袴谷のブロックでブレイクを奪う。15−22から廣瀬の速攻、ブラトエフのスパイクなどで3連続得点。リリーフサーバーの松原を投入して勝負に出るが、相手に1本で切られる。最後は袴谷のサーブがネットにかかり、20−25で第1セットを落とした。

 第2セットのスタートから、ジェイテクトSTINGSはオポジットに西田を投入。福山の速攻で攻撃のリズムをつかみ、ブラトエフもバックアタックで応戦する。しかし、連続得点につながらない。廣瀬、ブラトエフが決めてサイドアウトを切るものの、6−8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 西田が強烈なサーブで攻め、ブラトエフが決めてブレイク。さらにブラトエフが気迫を前面に出して相手に立ち向かっていく。ブラトエフのサービスエースで11−11の同点に。西田のスパイクをきっかけに攻め込むと、14−13と逆転に成功した。さらに廣瀬の速攻などで16−14で2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 ブラトエフの好レシーブが相手のミスを誘って18点目。リベロの興梠を軸に守備も光った。弾いたボールを浅野、西田が渾身のレシーブ。これをブラトエフが得点につなげる。しかし、西田のスパイクが止められて20−20。ジェイテクトSTINGSがこのセット、1回目のタイムアウトを要求した。
 終盤は一進一退。ジェイテクトSTINGSはワンポイントブロッカーとして金丸を投入する。アウトになったかに思われた西田のスパイクはチャレンジによって得点が認められた。最後は西田のブロックが決まって、25−23でジェイテクトSTINGSがセットを取り戻した。

 第3セットもジェイテクトSTINGSが追いかける展開。サーブで崩されて2−5と先行を許す。相手のマークも厳しく、ジェイテクトSTINGSはなかなか連続得点が奪えない。起爆剤になったのがブラトエフと西田の2人だ。まずはブラトエフが相手のスパイクを止めてブレイクポイント。西田も徐々にトップフォームを取り戻し、強烈なスパイクで相手のブロックを弾き飛ばす。10−12の場面でサーブが回ってくると、西田がエースを奪って1点差。さらに西田がサーブで相手の守備を崩し、ブラトエフが決めて12−12の同点に追いついた。
 中盤はジェイテクトSTINGSがややペースを取り戻したかに思われた。14−15の場面でジェイテクトSTINGSは廣瀬に代えて金丸を投入。ここで西田がスパイクを決めるなど16−15と逆転。1点のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 しかし、得点が伸びないのが今日のジェイテクトSTINGSだ。久保山と西田のコンビが合わない。浅野が返したボールがサイドラインを割った。これで18−20。タイムアウトで流れを変え、西田が強打をたたき込んだ。福山の速攻に続いて、浅野が渾身のブロックを決める。22−22。あと一歩だった。しかし、大分三好はジェイテクトSTINGSを上回る高い集中力を見せた。難しいトスだったが、西田のバックアタックがブロックされた。最後は福山のスパイクがアウトになり、22−25でジェイテクトSTINGSがこのセットを失った。

 背水のジェイテクトSTINGSは、第4セットに入って意地を見せる。金丸がスタートから入った。西田のスパイクで先制。福山の速攻でサイドアウトを切ると、西田のサービスエースでブレイクポイントを奪う。ベンチのチャレンジを取るタイミングも絶妙だった。さらにブラトエフもサービスエースで続いた。金丸のブロックもあり、8−6で1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。
 ブラトエフもエンジン全開。軟打をうまく交えながら10−7とリードを広げた。しかし、西田が大分三好のエスぺホに立て続けに止められて3連続失点。浅野のスパイクも止められて14−17とリードを許した。
 このままでは終われない。16−19でタイムアウトを要求すると、ブラトエフのスパイクなどで19−19。ブレイクポイントを奪われたが、ブラトエフが気迫のこもったプレーでチームを牽引する。
 20−21の場面でリリーフサーバーの松原を投入。西田が止めたスパイクは、相手コートの奥にポトリ。さらにブラトエフが決めて、22−21とスコアをひっくり返した。一度は追いつかれたが、24−23となったところでジェイテクトSTINGSは秦をコートに送り込む。西田がサーブで崩し、最後は秦が相手のスパイクをシャットアウト。25−23でこのセットを制し、勝敗の行方をフルセットに持ち込んだ。

 第5セットは互いの意地と意地が激しくぶつかり合った。サイドアウトの応酬が続く。ジェイテクトSTINGSはブラトエフ、福山が確実に得点を積み重ねた。4−3となったところで早くも松原を送り込んで勝負をかける。一度は相手にリードを許すが、浅野、西田が加点。しかし、6−6の場面では味方同士が交錯。流れを取り戻せないままコートチェンジを迎える。
 福山の速攻に、ブラトエフが続いて9−8と逆転に成功。互いに1点ずつを取り合う展開が続く。ブラトエフのスパイクでジェイテクトSTINGSが先にマッチポイント。土壇場で逆転を許すが、福山のブロックで再びマッチポイントを奪う。体育館が独特の緊張感に包まれた。浅野も勝負強さを発揮。しかし、ここでサーブミスが続く。19−20。最後は西田のスパイクが止められて勝負あり。19−21で競り負けた。

 勝たなければいけない試合だった。勝点1は奪ったが、むしろ勝点2を失った試合ととらえるべきだ。大分三好は確かに強かった。それも、1レグの戦いがあったからに他ならない。チャレンジャーとして立ち向かってきたのは大分三好の方だった。
「大分三好さんの気迫と勢いに負けてしまいました。受けてしまったことが、今日の結果につながったと思います。その中でも、フルセットに持ち込んで、ギリギリまで頑張ってくれた選手たちには感謝したい。これを次につなげられるように取り組んでいきます」
 こう話した高橋監督。ホームゲームでの連敗は許されない。この悔しさは、明日の東レ戦で晴らさなければいけない。

高橋慎治監督

徳島でのホームゲームは初めてということで、たくさんのお客様に応援していただき、自分たちも気合が入っていました。敗因は、相手の勢いを受けてしまったところだと思います。今シーズン、フルセットの試合は初めてですが、第5セットの前は攻める気持ちを持ち、全員で1点を取りに行こうと話していました。スタートから全力で戦うことができたと思います。来ていただいた方には、勝ち試合をお見せできず残念です。明日はしっかり結果を残して、感謝の気持ちを表したいと思います。

浅野博亮

自分たちのミスが多く、受け身になってしまったことが敗因だと思います。相手のオポジットに決められて、チームを勢いに乗せてしまいました。結果は残念ですが、ホームゲームにたくさんの方が応援に来てくださった。ただ、自分たちも気持ちが入りすぎていたのかもしれません。負けてはいけないという気持ちが強くなりすぎました。簡単なミスはなくしていかないと、どこが相手でも勝つことはできません。明日もたくさんの方が来てくれると聞いています。勝って気持ちよく帰りたいと思います。

西田有志

自分としても、チームとしても力を出し切れませんでした。チームを立て直すという自分の役割を果たせなかったことが反省点です。トスが合わなくて、なかなかいい状態でスパイクが打てませんでした。自分の対応力のなさが一つ。1本止められると嫌なイメージが残り、そこから抜け出せなかったことも敗因の一つです。スパイクを打つコースが絞られて、少しずつストレスになってしまいました。今日はホームゲームでしたが、やはり負ける姿は見せたくありません。明日は勝つ姿を見せられるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

アジア枠の活用は上位進出の起爆剤となるか。しっかりと対策を立てて臨みたい

新しくなったVリーグの目玉の一つがアジア枠を新設したことだ。各チームがアジア各国から選手を迎え、攻撃に彩りを加えている。大分三好にはフィリピン人のエスぺホがいた。今日はアタックだけで21点、ブロックでも6点を決められた。2本のサービスエースも許している。福山は言う。「(大分三好は)外国籍選手の2人が前衛に並ぶのが嫌でした。ライトとレフトに1人ずついて、どちらもマークしなければいけない状態が続いた。サーブで崩すことができず、なかなか対応し切れませんでした」。どこのチームにとっても、アジア枠の起用が上位進出のカギを握るだろう。ジェイテクトSTINGSもこの日は、秦がブロックで1得点を奪っている。悔しい敗戦になったが、レギュラーラウンドはまだ2レグがはじまったばかり。しっかり対策し、残りの戦いに生かしたいところだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 大分三好ヴァイセアドラー
第1セット 20 - 25
第2セット 25 - 23
第3セット 22 - 25
第4セット 25 - 23
第5セット 19 - 21
日付 2018年12月1日(土)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第10戦
場所 とくぎんトモニアリーナ(徳島市立体育館)
メンバー 福山、ブラトエフ、袴谷、久保山、浅野、廣瀬 L興梠
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