ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ

多彩な攻撃で第1セットを奪うと、第2セットは西田のサーブで中盤に引き離す。集中力を切らすことなく、終始ペースを握った

 会心の勝利だ。スピードのある攻撃を仕掛けてくる東レアローズに対して、ミドルブロッカー陣を軸にブロックが機能。相手のストロングポイントを消し、粘り強さでも上回った。強いジェイテクトSTINGSのバレーで、3連勝を飾った。

 立ち上がりからジェイテクトSTINGSに勢いがあった。前日からメンバーを入れ替え、柳澤に代わって浅野が、廣瀬に代わって金丸がスタメン入り。その金丸の速攻で先制すると、福山のブロックで連続得点。5−5からブラトエフのスパイク、西田のブロックなどで3連続得点を奪い、8−5で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 セッターの久保山が巧みにトスを散らし、浅野、西田が着実に加点。福山のブロックも機能し、12−7とリードを広げる。中盤はブラトエフのバックアタック、金丸の速攻などで一進一退の展開に持ち込み、リードをキープしたまま試合を進めた。相手はブラトエフにサーブを集めてきたが、浅野がカバーに入るなど大崩れすることはない。
 たとえブラトエフがサーブレシーブを弾いても、決めるべき選手が決めてミスを帳消しにする。ブラトエフはサーブでも魅せた。20−16の場面でエースを決めて、東レは1回目のタイムアウトを要求。しかし、ジェイテクトSTINGSの勢いは止まらず、浅野が気持ちのこもったスパイクをたたき込んだ。
 23−17の場面で、ジェイテクトSTINGSはリリーフサーバーの松原を投入。ここは1回で切られたが、ブラトエフのバックアタックでセットポイント。最後は浅野がフェイントをぽとりと落として25点目。相手の得点を19点に抑え、ジェイテクトSTINGSが第1セットを先取した。

 第2セットの立ち上がりは、追いつ追われつの展開。ジェイテクトSTINGSが2点を先行したが、3連続失点で2−3。西田がサーブで攻めてブラトエフが決め、再び逆転に成功する。福山のブロックでサイドアウトを切ると、西田が相手のブロックからうまくワンタッチを取って6−4。しかし、7−5から3連続失点を喫し、1点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 ここから金丸のブロックが炸裂した。浅野もサーブで攻め、エースを獲得。4連続得点で12−9とリードを広げる。完全に流れをつかんだジェイテクトSTINGSは西田がテクニカルタイムアウトを挟み3本連続でサービスエース。圧巻のプレーで17−11と突き放した。
 調子を上げてきた西田はバックアタックでも得点を重ねる。ブラトエフが続くと、代わって入った松原がサーブで攻めて金丸のブロックポイントをお膳立て。秦もコートに入り、一気に流れを引き寄せた。
 一時は3連続失点を喫するが、浅野、西田のスパイクに続いて久保山がサービスエース。袴谷の投入も功を奏した。西田が決めてセットポイント。最後はブラトエフが決めて、25−20で第2セットを締めくくった。

 第3セットはシーソーゲーム。ジェイテクトSTINGSはブラトエフ、福山のスパイクでサイドアウトを切ると、久保山がブロックでそれに続く。金丸のブロックでブレイク。その後も1点を取り合う展開が続いた。
 先に均衡を破ったのはジェイテクトSTINGSだ。西田がサーブで攻め、ブラトエフが高い打点から強打をたたき込む。さらに西田のサーブがネットイン。11−9と先行した。調子を上げてきた西田がバックアタックを決めると、福山も速攻で続く。今度は浅野がサーブで攻めた。相手の攻撃を封じ、ブラトエフのスパイクで17−14。浅野のバックアタックなどで完全に試合のペースを引き寄せる。
 連続失点しても、タイムアウトで嫌な流れを断ち切った。福山のブロック、ブラトエフのスパイクに続いて、久保山がブロックを決めて3連続得点。これで22−18。福山の速攻でマッチポイントを奪うと、2点差まで追い上げられたところで高橋監督はこのセット2度目のタイムアウトを要求する。最後は相手のサーブがアウト。25−22でこのセットを制したジェイテクトSTINGSが、東レから価値あるストレート勝ちを決めた。

 先週のホームゲームから続く連勝を「3」に伸ばした。この日で1レグを終え、6勝3敗の勝点18で3位をキープ。いい形で、徳島で行われるホームゲームにつなぐことができる。来週は再び東レと対戦する。当然のことながら、相手はしっかりと修正をかけてくるだろう。
「今日と同じような戦い方をしても、東レさんは対策を立ててくるでしょう。それを上回れるように、しっかり考えながら戦っていきたいと思います」
 高橋監督はこう意気込みを話した。2レグからは、対戦するすべてのチームがデータをもとに対策を練って挑んでくる。レギュラーラウンドが熾烈を極めるのはこれからだ。

高橋慎治監督

全員がスタートから一つひとつのプレーに高い集中力を持って臨んでくれました。質の高いゲームができたと思います。(東レの速い攻撃に対して)福山選手はブロックの移動が速く、相手のスピーディな攻撃にも対応してくれました。金丸選手の対応もよかった。そういう意味では、ミドルブロッカーを中心に、ブロックとディグの関係が機能していたと思います。1レグは、今日のように質の高いバレーが展開できる時と、そうでない時の差がありました。そこを、できるだけ高いレベルで安定させることが、今後の課題です。今日のようなバレーができれば、高いレベルで戦っていけると思います。

久保山尚

昨日も3−0で勝ちましたが、内容はそれほどよくありませんでした。同じようなバレーをしていたら、今日も厳しい試合になると思っていたので、チーム全員で気持ちを引き締めて臨みました。個人的には、今日の試合にしっかり勝って、相手に苦手意識を植え付けることが大事だと思っていました。その意味でも、今日はいい形で勝てたと思います。昨シーズンからセンター線の攻撃は自分の中での課題でもありました。今日は本数を増やせなかったけど、それほど意識せずにいい形で使えたと思います。バレーボールは流れのスポーツなので、積極的に攻めつつミスの少ないプレーをしていきたいと思います。

福山汰一

第1セットは、サイドの選手が高い決定率を出し、なおかつサイドアウトが切れていました。個人的には、最初はブロックが出たものの、後半は1本も止めていません。また、スパイクに関しても、相手に体で止められてしまった。そこは、奥に打ったり、強打をたたけるようにしなければいけないと思っています。来週から2レグに入りますが、1レグで勝ったチームにはそのまま勝てるように頑張りたい。負けたチームに対しては、全員で挑んでいきたいと思います。その上で、もうちょっとブロックタッチやシャットアウトを稼げたら、もっといい展開にできると思う。そこは頑張っていきたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

自信を深めた1レグ。ストロングポイントはさらに磨きをかけていきたい

今日で1レグを終えた。6勝3敗の3位は、自信を深めてもいい数字と言えるだろう。公式記録のチーム技術集計表を見ると、ジェイテクトSTINGSはサーブ効果率で2位に入っている。ブラトエフの活躍はもちろん、西田、浅野、久保山が個人でも高い数字を残しているのが印象的だ。ストロングポイントは引き続き磨きをかけていきたい。とはいえ、レギュラーラウンドは1試合ごとに順位が入れ替わる大混戦。気を緩めるわけにはいかない。久保山は言う。「結果としては3位だけど、やはり負けたパナソニック、サントリー、JTとの試合は心残りです。取れるセットもあったと思うので、そこをどう修正していくか。また、勝ったチームに対しては、次も同じ勝ち方ができるとは限りません。また違う勝ち方ができるように頑張ります」。ここからは、個人の力だけでなく、チーム力の戦いになる。昨シーズンは2レグ以降に失速しているだけに、しっかりと教訓を生かしていきたい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 東レアローズ
第1セット 25 - 19
第2セット 25 - 20
第3セット 25 - 22
第4セット
第5セット
日付 2018年11月25日(日)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第9戦
場所 松本市総合体育館
メンバー 金丸、福山、ブラトエフ、西田、久保山、浅野 L興梠
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