ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ

立ち上がりから勢いをつかんで第1セットを先取。浅野のサーブが機能して第3セットを奪うと、ブラトエフの活躍などで一気に走り抜けた

 会心の勝利だ。昨シーズンは一度も勝てなかった豊田合成トレフェルサに3−1。相手の得点源を封じ、守備でも上回った。スタンドの大歓声を背に受けて、ホーム初勝利を飾った。

 ジェイテクトSTINGSが立ち上がりの主導権を握った。福山の速攻で先制すると、ブラトエフのスパイクなどでいきなり3連続得点。さらに西田、浅野が決めると、福山が相手のスパイクをシャットアウト。6−1とリードを広げた。
 守備も光った。ブロックで相手のスパイクコースを絞り、リベロの興梠を軸に粘り強さを発揮。セッターの久保山が巧みにトスを散らし、確実に得点を重ねていく。大事なところでブラトエフのサービスエースが決まって14−12。福山がサーブで相手を崩すと、西田が相手のブロックをうまく利用して得点を奪う。さらに福山のサービスエースも飛び出し、17−13と突き放した。
 ジェイテクトSTINGSの集中は途切れない。ブラトエフのバックアタック、金丸の速攻でサイドアウトを切った。ブラトエフのこの日2本目のサービスエースで23−18。ここで豊田合成は2度のタイムアウトを使い切った。
 あとは落ち着いて点を取っていくだけだった。浅野が決めてセットポイント。ここで、ワンポイントブロッカーの秦が入った。Vリーグデビューを果たした。最後は西田のスパイクでフィニッシュ。ジェイテクトSTINGSが25−19で第1セットを先取した。

 続く第2セットは奪われたが、内容は決して悪くなかった。福山のブロックで先制。ブラトエフ、浅野らサイド陣が活躍した。中盤に4連続失点を喫したが、ブラトエフのサービスエースなどで徐々に点差を縮める。
 リリーフサーバーの松原が入ると、浅野が豊田合成のイゴールを止めて18−19と1点差。久保山は終盤、西田にトスを託した。しかし、わずかに及ばず22−25。セットカウントを振り出しに戻された。

 第3セットの序盤は一進一退。ジェイテクトSTINGSはブラトエフ、西田のスパイクでサイドアウトを切る。さらに金丸のブロックでブレイクポイント。
 圧巻は西田が決めて6−4としてからだ。浅野のサーブが機能した。相手からミスを誘って8−4。金丸のブロックで10点目を奪う。これで豊田合成は1回目のタイムアウト。さらに西田がネット際でボールを押し込んで11−4とリードを広げる。豊田合成はセッターをスイッチ。攻撃の手を緩めないジェイテクトSTINGSが畳み掛ける。金丸のブロックで13−4。タイムアウト明けに浅野がノータッチエースを決めて14点目。ブラトエフのスパイクで、ついに連続得点は「10」に伸びた。
 15−4。ジェイテクトSTINGSが完全に試合の主導権を握った。一人ひとりが自分の役割をしっかりと果たした。浅野のスパイクは止められたがチームに焦りはない。タイムアウトで嫌な流れを断ち切った。浅野のブロックでチームに勢いがついた。金丸のブロックで23点目。相手のミスでセットポイント。金丸がサーブで相手を崩すと、返ってきたチャンスボールを福山がたたき込む。これで25−15。前半の連続得点で主導権を握ったジェイテクトSTINGSが走り切った。

 ジェイテクトSTINGSが止まらない。第4セットも前半から勢いをつかんだ。西田のスパイクなどで4連続得点。浅野がサーブで相手を崩すと、ブラトエフが強烈なダイレクトスパイクをたたき込む。西田のスパイクが決まり、8−6で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 その後もジェイテクトSTINGSのペースで試合が進んだ。西田が決め、ブラトエフも続いた。一時は同点に追いつかれたが、浅野のスパイクで流れを取り戻すと、福山のサーブがネットイン。西田のバックアタックでラリーを制した。ブラトエフ、西田が立て続けに決めて、5連続得点で17−12とした。
 強い。この日のジェイテクトSTINGSはその一言に尽きた。
 リリーフサーバーの松原が攻めた。難しいボールをブラトエフが決めてブレイクポイント。21−16となったところで、豊田合成は2度目のタイムアウトを要求した。
 ブラトエフがうまくブロックアウトを取って22点目。浅野が渾身のスパイクをたたき込んでマッチポイント奪う。2点差まで追い上げられたが、最後は浅野が決めて25−22。ジェイテクトSTINGSがセットカウント3−1で勝ち、3ポイントを手にした。

 先週の連敗から見事に立て直した。ホームゲームでの初勝利に、誰もが安堵の表情を見せた。しかし、戦いはまだ終わったわけではない。高橋監督はこう振り返った。
「いい形で試合に入り、いい形で締めくくることができました。これを一つの経験値として、今後の試合につなげたい。来週以降の試合でも、しっかり出せるように頑張ります」
 来週はVC長野、東レとの連戦である。今日のような戦いをすることが、勝利を手繰り寄せるポイントになるはずだ。勝ちたい気持ちを全面的に出していきたい。

高橋慎治監督

2週続けてホームゲームで負けられないということは、全員が分かっていました。こんなにたくさんの方が、会場まで足を運んでくださった。そうした人に勝利を届けたいという気持ちを全員が持っていました。それをすべて出し切れたと思います。特に第1セットは、気持ちの面でも勝ちにいく姿勢を出してくれました。また、相手の得点源の決定率をいかに下げるかという練習もやってきた。たとえ相手が変化を加えてきても、選手たちはその変化にうまく対応してくれました。今日の勝利を、今後の戦いにつなげていけるように頑張ります。

浅野博亮

ホームで2連敗していましたが、今日の試合に勝てたことはキャプテンとしてホッとしています。昨シーズンは豊田合成に一度も勝てなかったので、チームとしてものすごく成長できた1勝になりました。サーブに関しては、フローターサーブに切り替えて相手が取りづらいところを狙っていったら、連続得点につながりました。来週の試合で対戦するVC長野と東レは、どちらも粘りがあるチームです。サーブも強い。そこで崩れることなく、気持ちを作れば絶対に勝てると思うので、気合を入れていきたいと思います。

ブラトエフヴァレンティン

相手がレベルの高いチームだということはわかっていました。ここ数年、確実にファイナルまで進んでいるチームです。今日は、すべてを出し切って勝てたことがよかったです。とにかく毎週、よりよいプレーができるように戦っています。サーブで意識しているのは、打つ前に3回、ボールを床につくことです。思い切り打つ時もあれば、相手の位置を確認して打つこともあります。ホームゲームの雰囲気は本当によかったです。ファンの前でプレーできて、とても嬉しかった。来週以降も勝利に貢献できるように頑張ります。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

ポイントは第3セットの立ち上がり。最高の入り方で、いい流れをつかんだ

セットカウント1−1で迎えた第3セット。立ち上がりの入り方が、勝敗のカギを握ると思っていた。パナソニック戦、サントリー戦は、第1セットを奪いながら逆転負けを喫しているからだ。しかし、杞憂に終わった。第3セットの入りは素晴らしかった。サイドを軸に得点を重ね、ブロックポイントも飛び出した。サーブで流れを呼び込んだ浅野は言う。「今日はネガティブな雰囲気を感じることがなかったです。全選手、特にブラトエフ選手と西田選手が、いい流れを持ち込んでくれた。悪い流れにしないぞという言葉が出ていたし、プレーにも表れていました。それがいい流れを作った要因だと思います」。結果的に第3セットのいい流れを継続して3−1で勝利をつかんだ。会心の内容だった。流れをつかんだジェイテクトSTINGSに死角はない。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS 豊田合成トレフェルサ
第1セット 25 - 19
第2セット 22 - 25
第3セット 25 - 15
第4セット 25 - 22
第5セット
日付 2018年11月17日(土)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第7戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館(ウィングアリーナ刈谷)
メンバー 金丸、福山、ブラトエフ、西田、久保山、浅野 L興梠
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