ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ

今シーズン初のホームゲーム。しかし、立ち上がりのミスが響いて最後まで追いかける展開に。高さのあるJTの攻撃に押し切られた

 今シーズン初めてのホームゲームだ。舞台となったウィングアリーナ刈谷には、2400人の観衆が詰めかけた。ド派手な演出で選手が入場してくる。チアのダンスがコートに華を添えた。スタンドがSTINGSカラーの白に染まった。午後1時、待ちに待った一戦が幕を開けた。

 しかし、立ち上がりはジェイテクトSTINGSにミスが目立った。1−5で高橋監督は1回目のタイムアウトを要求。ブラトエフ、西田が続けて決めてブレイクポイントを奪った。それでも、なかなか勢いがつかめない。確かにJTサンダーズの攻撃には高さがあった。サーブも強烈だった。相手にペースを握られたまま試合が進行していった。
 柳澤が気を吐いた。福山もブロックで続いた。ブラトエフの連続得点で2点差に迫った。廣瀬のブロックで1点差。柳澤のパイプ攻撃でサイドアウトを切ると、ブラトエフが強烈なサーブをたたき込んでエースを奪う。これで14−14。ここからジェイテクトSTINGSが一気に走るかに思われた。
 しかし、いい流れが続かない。西田、柳澤のスパイクが止められたところで高橋監督は2度目のタイムアウト。福山の速攻でサイドアウトを切るが、反撃もここまで。ブラトエフのブロックで一時は2点差に迫るが、一歩及ばず21−25でこのセットを落とした。

 第2セット、ジェイテクトSTINGSは同じ布陣でスタートした。序盤は一進一退。先に拮抗を破ったのはJTの方だ。それでも、福山、ブラトエフのスパイクで粘り強く得点を重ねていく。セッターの久保山も巧みにトスを散らした。
 気がかりは西田か。相手の徹底マークに遭い、思い切りのよさが影を潜めた。チームのサーブレシーブ成功率も上がっていかない。10−11から柳澤のスパイクが止められるなど4連続失点。タイムアウトでも嫌な流れを断ち切ることはできなかった。
 5点のビハインドで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。福山は高い決定力を残した。廣瀬も決めた。ミドルブロッカーは機能していた。しかし、ペースは依然としてJTが握っていた。終盤はオポジットを西田から袴谷にスイッチ。リリーフサーバーの松原が攻めて、福山のブロックを後押しした。反撃の糸口を掴みかけたが、17−22から3連続失点。2セットを連続で奪われた。

 あとがなくなったジェイテクトSTINGSは第3セット、袴谷がスタートから入った。ブラトエフのスパイクでラリーを制して、一度は3−2とリードした。しかし、ここから4連続失点。柳澤のバックアタックで悪い流れを変えるが、3点のビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。
 意地を見せたのが袴谷だ。柳澤もJTのエドガーをシャットアウト。1点差に詰め寄った。ホームの大声援がチームの背中を押した。引き離しにかかるJTを懸命に追いかけた。ブラトエフが高い打点から鋭角に強打をたたき込む。チャンスはまだ残されていた。
 14−16となったところで、辰巳がコートに入った。久保山は袴谷にトスを集めた。浅野を投入して守備を安定させる。袴谷のスパイクで食らいついた。しかし、前半に許したリードを最後まで覆すことができず、ブラトエフのスパイクが止められて19−25。ストレートで敗れた。

 悔しい敗戦だ。今シーズン初のホームゲームを勝利で飾ることはできなかった。高橋監督はこう振り返る。
「今シーズン初めてのホームゲームで、たくさんの方が応援にかけつけてくださいました。感謝の気持ちを勝つことで伝えたかったが、JTさんの高い攻撃に対応し切れず自分たちのバレーを展開することができませんでした。明日もすぐに試合があるので、気持ちを切り替えて臨みます」
 失った白星は取り戻せない。大事なのは明日の試合。ジェイテクトSTINGSはあくまでもチャレンジャーだ。ホームの大歓声を味方につけて、全力で戦い抜きたい。

高橋慎治監督

今シーズン初めてのホームゲームということで、立ち上がりは硬さがあったと思います。修正点を早く見つけ出し、私がすぐに対応しなければいけませんでした。自分としても反省点が多く残る試合になってしまいました。攻撃面では、柳澤選手がパイプで存在感を示していました。シャットアウトされる場面もあったけど、よかった部分を次の試合につなげていきたい。明日はホームゲームの2日目です。応援に来ていただいた皆様に、「来てよかった」と思っていただける試合を展開したいと思います。

久保山尚

試合の入りが悪かったこと。立て直しつつあったけど、追いつけそうな場面で点が取れなかったこと。単発ではいいプレーがあったけど、ディグからの攻撃などいい雰囲気になりそうな場面で点が取れなかったイメージがあります。ブロックによる得点は何本かあったけど、ブロックから切り返して攻撃する場面がほとんどなかった。その意味でも、簡単に失点してしまう場面が多かったように思います。ホームゲームということでいろいろな演出がありますが、うまく試合に入れるようにしたいと思います。

福山汰一

チームとして今日の試合にうまく照準を合わせられませんでした。特にサイドの選手がいい状態ではなく、ミドルブロッカーが機能して相手をコンマ何秒でも遅れさせることが重要でした。そうすれば、サイド陣も楽になる。そこが今後の課題だと思います。ホームゲームということで、試合前の演出など僕としては楽しめる環境を作っていただきました。ただ、たくさんのファンの方が見に来てくれた中で結果を残せなかったことが不甲斐ない。一人ひとりがしっかりと考えて、明日のサントリー戦に臨みたいと思います。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

硬かった選手の表情。明日は会心のガッツポーズが見たい

試合後の記者会見。開口一番、福山はこう語った。「第1セットの入りで自分たちがいきなりミスをしてしまい、第3セットまでの流れを一気に作られてしまった。そこが敗因だと思います」。試合を通じてリードする場面がほとんどなく、最初に失った流れを最後まで取り戻せなかった。いつにも増して、選手の表情も硬かった。とはいえ、久保山の組み立ては悪くなかった。柳澤のパイプ攻撃は機能していたし、福山の決定率も高い。ブラトエフ、西田は本調子ではなかったが、反撃の余地はあった。大事なのは試合の入り方だ。課題ははっきりしている。明日のサントリー戦は、チームに流れを呼び込む会心のガッツポーズが見たい。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS JTサンダーズ
第1セット 21 - 25
第2セット 17 - 25
第3セット 19 - 25
第4セット
第5セット
日付 2018年11月10日(土)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第5戦
場所 刈谷市総合運動公園体育館(ウィングアリーナ刈谷)
メンバー 福山、ブラトエフ、柳澤、西田、久保山、廣瀬 L興梠
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