ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ

ブラトエフのサーブが火を吹いて第1セットを奪取。しかし、サーブレシーブの乱れから攻撃のリズムを失い、逆転負けを喫する

 先週開幕したV.LEAGUEは第3戦でパナソニックパンサーズと対戦。早くも1レグのヤマ場を迎えた。第2戦で負傷した郡はベンチ外で、代わって柳澤が今シーズン初出場。オポジットに西田、ミドルブロッカーに金丸が入った。

 立ち上がりは互角の展開。ジェイテクトSTINGSの入り方は悪くなかった。金丸の速攻、ブラトエフのバックアタックでサイドアウトを切っていく。3−5の場面では、ネット際に上がったボールを久保山が強打。粘り強く得点を重ねていく。
 3点のビハインドで1回目のテクニカルタイムを迎えるが、久保山のサービスエースや西田のブロックでブレイクポイントを奪い、10−11と1点差まで詰め寄る。13−16と再び離されるが、チームの勢いは決して衰えてはいなかった。
 明暗を分けたのはサーブだ。15−17でブラトエフにサーブが回ってくると、強烈なボールを打ち込んでサービスエースを獲得。さらに前に落としたボールがネットインして連続で得点。17−17の同点に追いついた。再び1点を追う展開。リベロの興梠がつないだボールを西田がバックライトから強打を放つ。アウトと判定されたところで、高橋監督はチャレンジを要求。これがインと判定され、ジェイテクトSTINGSが20−19と1点をリードした。
 終盤に入ると、浅野が守備を固め、リリーフサーバーの松原が攻める。互いに1点ずつを取り合う展開。相手のミスでセットポイントを奪い、ブラトエフがサービスエースを決めて25−23。ジェイテクトSTINGSが第1セットを先取した。

 ジェイテクトSTINGSにとっては幸先のいいスタートだ。だが、第2セットはパナソニックに先行を許す。コンビミスもあった。チャレンジの失敗もあった。久保山のダブルコンタクトで4−9。相手にサービスエースを決められて5−11となったところで、ジェイテクトSTINGSは1回目のタイムアウトを要求した。
 6−13となったところでセッターを久保山から渡邉にスイッチ。代わった渡邉は柳澤、西田とサイドにトスを散らして攻撃を展開していく。しかし、点差が縮まらない。終盤に入ると、松原、西田がサーブで攻めてブレイクポイントを奪った。福山も効果的なサーブを打った。ブラトエフがネット際で押し込んで21−24。3点差に迫ったが、最後は押し切られて失セットを喫した。

 久保山をコートに戻して第3セットをスタートし、西田のスパイクや金丸のブロックで序盤をリードした。福山の速攻、柳澤のスパイクも機能した。しかし、ここからサーブレシーブが乱れて失点を重ねる。福山の速攻がブロックされ、ブラトエフのスパイクもアウトになった。興梠がサーブレシーブのカバーに入るが、それでも嫌な流れを断ち切ることができない。西田が決めてようやくサイドアウトを切ったものの、7−11と点差は広がっていた。
 8−13となったところで、浅野、渡邉を同時に投入した。その1本目のプレーで渡邉は浅野のパイプ攻撃を選択。決まらなかったものの、チームの勢いを取り戻すには十分だった。
 西田のスパイクでラリーを制した。ここからはサイドアウトの応酬。西田が気迫のこもったスパイクをたたき込んでチームを盛り上げていく。しかし、終盤の連続失点でタイムアウトを使い切った。金丸の速攻でサイドアウトを切るが反撃もここまで。前半の連続失点が最後まで響き、16−25で第3セットを失った。

 第4セットは浅野、渡邉がスタートから入った。このまま終わるわけにはいかない。立ち上がりこそリードを許したが、西田の連続得点で5−5の同点に追いついた。ブラトエフが正確にサーブレシーブを返して浅野がレフトから決めた。
 ブラトエフが吠える。何度もボールをつないだ。渡邉のサーブが機能して10−10。西田がアンダーで上げたトスをブラトエフが決めて逆転に成功する。ジェイテクトSTINGSの見せ場が中盤に訪れた。福山のBクイックでサイドアウトを切ると、サーブは西田。ブラトエフのパイプ攻撃で15−15。福山のブロックで逆転に成功する。西田がサーブで攻めて、再び福山がブロック。ついに2点のリードを奪った。
 興梠が好レシーブでボールをつなぎ、浅野が技ありのツーを押し込む。18−16。しかし、ラリーを取り切れず18−18。一度は逆転を許したが、タイムアウトで流れを切ると金丸のブロックで21−20と再びリードする。
 このまま走りたかった。追い風は吹いていた。しかし、終盤に3連続失点。西田のスパイク、浅野のブロックで相手のマッチポイントを阻止した。24−24。最後まで攻め続けたが、ラリーを落として24−26で敗れた。

 痺れるような展開だった。今シーズン初黒星を喫したが、決して下を向く内容ではない。
「サーブで攻められて二段トスになってしまい、決めないといけないという力みからミスにつながってしまった。そこでリバウンドを取るなど考えてプレーすれば、もうちょっといいゲームができたと思う。自分たちのリズムを保つことを意識してやっていきたい」
 キャプテンの浅野は試合後にこう振り返った。今の段階でパナソニックの強さを肌で感じられたことは、チームにとって大きな財産になるはずだ。この教訓を糧にして、前に進みたい。

高橋慎治監督

相手がパナソニックということで厳しい戦いになることは予想していました。その中でも、スタートから出た選手、代わって入った選手が共に自分のいいところを出してくれた。セッターの渡邉選手は今週に入っていいパフォーマンスを見せており、ブロックの面で高さがあります。そのあたりに期待して投入しました。サーブが走っていたセット、走っていなかったセットが顕著に表れました。そこで勝敗が別れました。第1セットは、ターゲットを決めつつ全員が強いサーブを打っていた。第2、3セットは、ミスが多くなって狙いどころがバラバラになってしまいました。悪かった点を修正して、チームのレベルアップにつなげたいと思います。

渡邉峻

第3セットは8−13の場面で入りましたが、まだまだ追いつける状況でした。ただ、あの場面ではチームに勢いもなかったし、とにかく目の前の1点を取って勢いを取り戻そうと思っていました。やはりパナソニックさんは強い。決まったと思ったボールをつないできたり、チャンスボールが返ってくるかと思ったらそこから攻撃を仕掛けてくる。西田が爆発できるように、いい状態で終盤を迎えさせてあげることが大事です。今日は中盤で点差を離されないように、西田にしがみつく展開になってしまいました。これからも出場機会があれば全力で頑張ります。とにかく自分がやりたいことを表現して勝ちたい。セッターはそれぞれタイプが違うので、自分のやり方でチームを勝利に導けるように頑張ります。

西田有志

内容はそこまで悪くなかったと思います。取られたセットは、ラリーが続いているところで細かいミスが目立ちました。第4セットは対応できましたが、最後のラリーで自分が決め切れなかったことに後悔が残っています。ただ、これまではパナソニックさんとのゲームになると、どこか引いていた部分がありました。それが今回は、前面からぶつかっていったという印象です。自分としては、相手がどういうプレーをしてこようと、失点してからの切り替えを早くしないとバレーは成り立たないと思っています。また、1点を決めた時に全員で喜ぶという当たり前のことをしっかりやれているチームが強い。それができているパナソニックさんに負けない気持ちで、スタートから感情を出していこうと思っていました。

スポーツライター 岩本勝暁のココ!

勝敗は紙一重。ラリーを制して勝機を見出したい

象徴的だったのは最後の場面だ。第4セット、24−25。相手のサーブを興梠が返すと、西田が強打を放つ。返ってきたボールを浅野。ブロックに当たったボールが再び戻ってきた。西田がリバウンドを取りに行く。返ってきたチャンスボールに対して西田が三度目の正直。しかし、これも相手に弾かれる。興梠が返したボールはネットを越えて相手のコートへ。最後は福澤のスパイクで試合が決した。ラリーを取り切れなかったことが敗因の一つと言えるだろう。「相手が2枚ついてきた時に、決めに行くのではなくてリバウンドを取り、そこからもう一度、切り返して攻撃を仕掛けようと思っていました。甘かった部分があったので決め切れなかったと思います」と西田。浅野は「最終的に西田選手にトスが上がるというのは、相手もわかっています。そこでクイックやレフトにうまく上げてサイドアウトを切ることができれば、西田選手の負担も減らせたと思う。チームとしてもより勝負強くなれるでしょう」と振り返った。課題ははっきりしている。克服すれば、勝機は必ず見えてくるはずだ。

【スポーツライター 岩本勝暁】

1972年生まれ。大阪府出身。2002年にフリーランスのスポーツライターとなり、主にバレーボール、ビーチバレーボール、サッカー、競泳、セパタクローなどを取材。2004年アテネ五輪から2012年ロンドン五輪まで3大会連続で現地取材するなど、オリンピック競技を中心に取材活動を続けている。

詳細
対戦カード ジェイテクトSTINGS VS パナソニックパンサーズ
第1セット 25 - 23
第2セット 21 - 25
第3セット 16 - 25
第4セット 24 - 26
第5セット
日付 2018年11月3日(土)
試合 V1リーグ レギュラーラウンド 第3戦
場所 福井県営体育館
メンバー 金丸、福山、ブラトエフ、柳澤、西田、久保山 L興梠
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